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2009/7/17
ap bank fes'09直前レポート!「 フードエリアの取り組み」(前篇)

毎年、1日27,000人ものお客さんの
おなかを満たす、ap bank fesのフードエリア。
今年も合計46店舗の飲食店が出店します。
第1回目のap bank fes'05から一貫して
「オーガニックフード」を提供してきたフードエリアに、
今年は大きな変化があったようです。
fesの楽しみの一つでもある、青空の下で食べる、
身体にも環境にもやさしくて、おいしいごはん。
もっともっとおいしく食べていただくために、
フードエリアの取り組みについて、
フードエリアを統括している、モリマサシに聞いてみました。

◆「それは無理だよ!」から、5年

編集部 オーガニックフードとは、農薬や化学肥料、 抗生物質などを使わずに、 自然の循環に逆らわない方法で生産された食材のこと。 環境にも身体にもやさしい、食材として人気ですが、 栽培に手間がかかり、価格も高めです。 第1回目からオーガニックフードにこだわっていたのですか?

モリ いわゆる野外音楽フェスに限らず これだけ大きなイベントで、 オーガニック食材での食事を提供は、 前例のないことだったんですよ。 そもそも、日本全体のオーガニック野菜のシェアが たった0.17%くらいしかないらしいんですから。 ap bank fesのフードエリア。こだわりの食材を使った店が多数出店。ap bank fesのフードエリア。こだわりの食材を使った店が多数出店。 第1回目からフードエリアの飲食出店の コーディネートをしてくれている、 Earth gardenの南兵衛さんや ティーム(当時)の小林直さんは 「それは無理だよ!」と初めは思ったそうです。 もちろん、100%全ての食材を オーガニックで調達する ことは難しいのですけれど、 年々、少しずつ、少しずつ、 食材へのこだわりは 強くなってきていて、 充実してきていると思います。 出店者によって 差はありますけれど。

◆質と量という2つの課題

編集部 今年の新しい取り組みは、いつごろから始まっていたのですか?

出店者の取り組みを検討する、スタッフのミーティング。出店者の取り組みを検討する、スタッフのミーティング。モリ 今年に入ったばかりの頃に、 南兵衛さんと小林直さんと、 こんなミーティングをしました。 「fesには、『数多くはないけれど、 こだわった食材だけで 食事を提供するお店』と、 『それほど食材には こだわれないけど、効率的に 大量提供できる店』という、 二種類のお店があると思うけれど、 それぞれの良いところを うまく組み合わせて、お互いに レベルアップできないだろうか。 apでやっているような取り組みが もっとお客さんにも出店者にも 分かりやすく伝わって、 他のフェスにもその影響が 出てくるといいね。」 これがきっかけになり、 フードエリアミーティングにアイデアを持ち込み、 みんなで考え始めたのです。

編集部 主催者サイドとしては、どちらのタイプのお店を 推奨しているのでしょうか。

人気のお店には長蛇の列ができる。効率も重要な要素。人気のお店には長蛇の列ができる。効率も重要な要素。モリ どちらが良いとか、 どちらが悪いではないんです。 1日27000人のお客さんを 考えると、できるだけ早く、 たくさんの食事を 提供することが重要。 食材にこだわりすぎて、 スピードが落ちる わけにもいかなくなります。 そういうお店もある程度ないと、 会場のたくさんのお客さんの おなかを満たすことはできないんです。 おなかがすいていたら、 ライブどころじゃなくなりますからね(笑)。 そのへんの事情は、 他の野外フェスを数多くこなしてきた 南兵衛さんや小林直さんも、 いやというほど知っているわけです。」

編集部 質と量の問題に対して、 どのように解決しようとしたのですか?

モリ とにかく、出店者にストレートに ぶつけてみよう、ということになりました。 内輪でいろいろ議論していても仕方ないですからね。 実際に過去の出店者に集まってもらって、 本音を聞いてみようと思ったんです。 そして、3月下旬から、3回にわたって 出店者の人たちとワークショップを行いました。

編集部 3回もワークショップをしたんですね。 出店者の方々の反応は、どうだったのでしょうか?

モリ 1回目は討論会のような形になりました。
2回目と3回目は、いくつかのグループにわかれて、
よりワークショップのような内容になりました。
僕たち、主催者に対しても、
なかなかリアルな意見が飛び交いましたよ。
「だったら、ap bankが何か基準でも作ってくれ」とか、
「食材はap bankが一括で仕入れればいいじゃないか」とかですね。


編集部 活発な意見がでた討論会、
ワークショップだったんですね。
最終的に答えはでたのでしょうか。

モリ この課題は、日本の食の事情とも つながるような大きなことですから、 答えは一つではないと思っていました。 僕たちは、第1回目のfesから、 多様性というものを大切にしてきました。 ap bankと出店者の関係も、単なる主従ではなく、 一緒に作っていく、そんな感じです。 だから、この討論会やワークショップで、 僕たちが指導するということではなく、 課題や問題点をみんなで考えて、 少しでもいい方向に向かっていこうと話しました。

編集部 試行錯誤しながら、少しずつ 前に進んでいくという感じですよね。

モリ 3回目のワークショップの中で、 出店者の話を注意深く聞いていると、 食への取り組みは、本当に多様だな、 と改めて気づいたんです。 オーガニックだけではなくて、 もっともっといろいろな取り組みがあります。 例えば、生産者を特定できる食材しか 使わないとか、輸入品だけどフェアトレード品を 使っている、などです。

◆3つ目の課題は「伝えること」

モリ 話合いを重ね、今年は 「オーガニック食材を使っているかどうか」 という視点だけなく、それぞれの出店者の取り組みを、 応援できないかを考えました。 そして、それは、出店者の取り組みを、 きちんとお客さんに伝えること ではないかと思ったんです。 ap bank fesのお客さんはそれを求めていると思いますし。

編集部 きっと、お客さんの中にも、 賛同できる取り組み、応援したい取り組みが それぞれにありますよね。 お客さんはそれを知って、応援したいお店で 購入すれば、活動を支えることになる。 つまり、消費をシフトすれば、 社会を変えることにつながりますね。

モリ そこで、ぼくたちの課題になったのが、 出店者の取り組みを「どう伝えるか?」ということでした。 農業担当の豊増と南兵衛さんが話し、 「ひと目でわかるアイコンで活動を 表現したらどうだろう?」というアイデアを 出してくれました。また、僕が前々からやりたかった 「飲食店に並ぶ際の最後尾看板を お客さんの手でまわしてもらう」を 合体させようと思いました。 それが、今年のfesで登場する、 16種類のアイコン「食良(たべよし)くん」 につながっていきました。 この食良くんの名前とデザインは 大日本タイポ組合が考えてくれました。」

編集部 なるほど、「顔」と書いてあるアイコンは、 生産者が特定できる食材が使われている。 「履歴」と書いてあるアイコンは、 栽培の履歴がきちんと管理されている食材が 使われている、そういうことですね。

モリ その後、それぞれのアイコンの 意味する内容や、実際の基準へと 落とし込むための調査や作業が続き、 今年はこの「食良くん」を 出店者それぞれの取り組みを表現する アイコンとすることにしました。

食良くん
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