HOME > ap bank fes '09 特集 > ap bank fes'09速報 Bank Bandによる ライブレポート 7/20(月)

2009/7/21
ap bank fes'09速報 Bank Bandによる ライブレポート 7/20(月)
3日間にわたりお届けしてきた速報レポートもこれでついに最終日。 ここまでネタバレ防止のために掲載していなかったBank BandやGAKU-MC、そしてMr.Childrenパートを含めた拡大版でお送りします!

◆Bank Band
「糸」
「明日のために靴を磨こう」




小林 今年のスタートは「糸」。とにかくこの曲はap bank fes'09バージョンとして生まれ変わったね。


亀田 響かせがいがあるよね。ズドンと一発、広がっていく感じっていうか。


四家 レコーディングした時点ではこういうふうになるなんてまったく思ってなかったですよね。


山本 ちょっとまだ小品だったんだよね。


小林 それがいまやもう、まるで"武田(信玄)の騎馬軍団"だよ(笑)。


四家 「奏逢」が表テーマだとしたら、裏テーマみたいな感じになってますよね。


山本 次の「明日のために靴を磨こう」への流れもすばらしかった。


小林 メッセージとしてもすごくいいよね。


小倉 始まるぞって感じがね。


小林 僕が「今までもこの曲やりたかったんだけど、なんかやる気分になれなかったんだよ」って言ったら、櫻井が思わず「Bank Bandがひとつになったからやれてるんじゃないかと思うんです」って言ってたね。あと、とにかく櫻井の「オグちゃん!」が、素晴らしかったよ。


小倉 そうそう、俺も「いま"オグちゃん" (※編註 普段は"小倉さん")って言った!?」と思ったのよ(笑)。


小林 あれは桑田(佳祐)さん(ap bank fes'06に出演)のサンプリングなんだよね。櫻井にしてみたら、恐れ多くも桑田さんから借用、ぐらいの感じだと思うんですけど。


小倉 これも、5年間やってきた何かがちゃんと出てきたっていうことかもね。



◆GAKU-MCさん


山本 GAKUが今年、客席にむかって「おまえら!」って言ってたの好きなんだよね。


小倉 それも、すごい(考えを)練って出てきてる。毎日少しずつブラッシュアップしてたし。


小林 "タオル使い"と"(ステージ上から客席に)降りるタイミング"と。3日間貫きましたね。


小倉 タオルを回すのを最初にやったのってじつは(昨年の)一青窈さんだっけ? それですごく盛り上がったのを見て、次の日からやってたよね。


小林 HIPHOPだけにすぐサンプリングで(笑)。ちなみに、今年のGAKUの2曲「手を出すな!」と「Fight for YA right!」の間にはじつは3年ほどのブランクがある。それだけにいろいろ思うことがあっただろうな。GAKUにとって今年はリスタートのすごくいいきっかけになったと思いますよ。



◆いきものがかり


四家 リハーサル前にはもしかしたら世代的なギャップがあるかもなんて思ってましたけど、ぜんぜんついていけましたね。


小倉 僕らにも通じる音楽のツボがありますよね。


小林 特に「帰りたくなったよ」は本当にいい曲だから。もう名曲ですよ。彼らは若々しいのにメロディを遠くまで飛ばすテコの原理をよく知ってるんだと思う。だから楽曲に飛距離がありますよね。個人的には、今年のフェスを"この曲を演った年"として記憶するっていうくらいに大きかった。


山本 僕は個人的に同じ所属事務所なもんで、"大丈夫かなぁ"とほぼ親心で演奏してましたけどね(笑)。


小林 あと余談ですが、「きまぐれロマンティック」の振り付けに男性スタッフ一同が"萌えぇ〜〜"ってなってたと聞いてます(笑)。



◆キマグレン


山本 海老名のいきものがかりに続き逗子のキマグレンと神奈川勢が続きましたが、まったくタイプは違いますよね。


亀田 さっきの小林さんの言葉を借りると、キマグレンの曲にもメロディ力学的な秘密があると思いません?


小林 彼らの場合は、"遠くへ飛ばす"というより"巻き込む力"という感じですよね。あと、なんていうのかな......。"サッカー的"とでもいうような......。


亀田 そうなんですよね。例えばラテンのテイストといっても、オヤジっぽいんじゃなくてサッカー文化を経たフェスタ感のような新しさ、ですよね。


小林 彼らにとっての湘南というのもJリーグ以降の感じがする。それ以前のものとは明らかに違いますね。



◆JUJUさん


小林 すばらしかったね、ほんとにいい声してますよJUJUさん。


山本 本番が終わったあとで、"かなり緊張してた"って聞いたけど、そんなの全然わからなかったよね。


小倉 しかも1曲目のイントロが予定と違ってて。


四家 でも、彼女は"それすらもわかりませんでした"って言ってましたね。


亀田 あの堂々たるパフォーマンスの一方で、本人のキャラクターはすごくざっくばらんな人なんですよね。普段しゃべるとスナックのママみたいな感じで(笑)。そのギャップもまた素敵だなと。


小林 彼女が書く歌詞の世界もまたすばらしいね。



◆秦 基博さん


小林 ここは男女で美声2連発だったね。


亀田 弾き語りにしたとこもすごくよかったですね。


四家 秦くんと櫻井さんとの声の相性がすごくいいんですよね。気持ちよかったな。


亀田 僕なんかちょっと涙腺にきたくらいですよ。やばかったなぁー。


小林 櫻井もまたうまい距離感でね。秦くんの声って少し変化させるとすごくシズル感が出るでしょ。そこに櫻井のハモがぴたっと寄り添うように加わることで、あの水滴のようなのがよりいっそう振りまかれていって。あれを、さらっと聴き流してしまうと、なんとなくそういうもんなんだと思うのかもしれないけど、俺たちにはちょっと簡単には流せないとこだよね。「秦くん恐るべし」だよ。本人はそこをどこまでわかってるのかな?


亀田 なんだか飄々としてるからね(笑)。



◆Bank Band
「煙突のある街」
「スローバラード」


小林 「煙突のある街」は、今年のフェスにおけるひとつのハイライトだよね。これだけメッセージの違う楽曲が共存できるというのが音楽のすごいところで。こんなの討論会なら不可能ですよ(笑)。


亀田 音楽ならではですよね。


小倉 サウンドで体感温度が変わるっていう。この曲が始まるとスーッと涼しくなる感じがするもんね。


小林 バンドとしてキャッチすれば、世界中のあらゆる事象にフォーカスを合わせることができるっていう、それが音楽の力だよね。だからこれはミュージシャン冥利につきる曲ですよ。


小林 そして「スローバラード」は、Bank Bandのダイナミズムの深さとか広さとか、そういうバージョンとしてやらせてもらいました。本当に3日とも最高でしたよね。


亀田 じつは僕は清志郎さんとは結局一度もご一緒できなかったんです。このフェスで二度チャンスがありながらうまくいかなかった。でも、確実に清志郎さんの置いていってくれた"残り香"みたいなものが、直接的ではなくてもどこかに受け継がれているなと思ってます。だからまず、自分がそういうことを噛み締めながら演奏する曲でしたね。


四家 僕は2年ほどツアーをいっしょに回らせてもらったことがあって。その当時に、清志郎さんから「これ、ちょっと大きいからやるよ」ってもらったジャケットがあってね。今回はそれを着て演奏しながら、勝手に追悼式やっちゃってました。



◆一青窈さん


小倉 やっぱり(芝居の)舞台の経験があるからなんですかね、歌も動きも変幻自在で。


山本 ぽんっと出したようなひと言でも、そこに力があるんですよね。


亀田 歌詞がいきなり台詞のようになったりして。


小倉 それがすごい集中力なんですよ。


小林 いわゆるJ−POPシンガーというよりも、どこか"歌人"というような佇まいがありますね。2日目のKREVAとはまた違った意味で"言葉の人"ですよね。


四家 リハーサルのときに現場で新曲の歌詞を直してたじゃないですか? その様がね、なんだか文壇の人みたいで。本番のMCにしても、すごく言葉を大事に選んでいる。すごいなあと思っていつもみてしまいますね。



◆倖田來未さん


小倉 彼女が出てきた途端、一瞬でつま恋がa-nation会場になってたね(笑)。


亀田 なってたね〜。


小林 彼女はビブラートなんかも独特だし、いい声してるんですよね。


小倉 強いですよね、声が。例えば「to U」のなかでも"倖田來未の声"っていうのはすぐにわかる。


小林 普段、彼女はバックにダンサーを従えて出てるんだよね。今回は純然たる歌手として来てもらったわけだけど、それを考えると、個としてものすごいパワーを持ったパフォーマーなんですよね。


四家 あの倖田さんがあったから、次への橋渡しがスムーズにいった気がしますね。



◆矢沢永吉さん


小林 そしてそして......どうでしたか、ボスは。


亀田 いやもう人間国宝とか、そういう感じがひしひしと(笑)。


小倉 (矢沢さんの方を)見たくてしょうがないんだけど、演奏を間違っちゃいけないから譜面から目が離せないっていう感じ(笑)。エネルギーというか、オーラがびしびし伝わってきますね。矢沢さんはすごい。


小林 何がすごいって、こんなこといまさら言うまでもないんですが、まずあの声ですよ。太くて硬い鋼のようなあの声。


小倉 そしてレンジが上にいっても変わらない。


亀田 単純にとんでもなくうまい。リズムとピッチが全然ぶれないですね。どこへ走っていっても、どういう格好してても。


山本 めちゃくちゃ精密なんだよね。わかってはいたけどいっしょに演ってより理解できたっていうか。


四家 それでいてオリジナリティーがある。どこでどう聴いても「あ、矢沢さん!」ってわかるっていう。


小倉 そしてあのパフォーマンスだからね。


亀田 あと、一曲ごとに僕らにもねぎらいのポーズをしてくれるでしょ。


小倉 (間奏で)バンドの方へマイクを向けてくれてる。


小林 最高ですよ。素晴らしかったよね。歌もパフォーマンスも気遣いもなにもかも。一生残ると思いますよ。いままで僕が知っていた矢沢さんについての知識が全部ふっとぶくらい、あの人の偉大さをあらためて痛感したね。


小倉 ライブに行きたくなっちゃった、俺。


山本 お客さんもスタッフもみんなそう思ったんじゃない?



◆Bank Band
「ステップ」
「奏逢」
「慕情」


小林 初日はトータスくん、2日目は石井さん。「ステップ」は3日ともそれぞれのの良さがありましたね。


山本 この曲は櫻井くんの思い入れも強かったよね。


小林 RC(サクセション)の曲でいちばん好きだって言ってたね。


小倉 いい曲を選んでるよね、さすがですよ。


小林 清志郎さんのことをメランコリーとかセンチメンタルで悲しむのではなく、というところに意味があったと思うんですよね。これはそのあとの「奏逢」にも続いていくんだけど、ビートを磨いていってわくわくする方向に仕向けていくという、いちばんBank Band的なスタンス。これって人生観にも通ずるものだと思う。「奏逢」も1日ずつ磨かれてグレードアップしていってたし。「慕情」も完全にBank Bandバージョンになってしまったね。


亀田 それがぜんぜんトリッキーな感じじゃなくて馴染んでいたし。


小林 あれは「慕情」という曲にとってもよかったんじゃないかな。



◆Mr.Children


亀田 非常にベスト的なセットリストでしたよね。


小林 そうですね、かなりバランスよくもってきたかな。ここ何年かでしっくり感はいちばんあるかもしれないね。


四家 ここで"Bank Bandの櫻井和寿"と"ミスチルの桜井和寿"の違いっていうのを感じられるのもおもしろいところですよね。


小倉 それは小林さんもまた違うしね。そのあたりは演っていてどうなんですか?


小林 それぞれのおもしろさがぜんぜん違うよね。やっぱりミスチルのほうは鉛みたいな"重み"がでてくるし、Bank Bandのほうは楽曲をどう解釈するかっていう"変幻自在ぶり"っていうところにくる。どちらもそういうカラーが出てるんだけど、Bank Bandはその振れ幅が本当に広いから。


小倉 でも今回のミスチル、アレンジがすごかったですよね。「終わりなき旅」なんかもう......。


亀田 超大作になってましたよね。


山本 それでいてライブ全体がすごい自然に流れますよね。


小林 もう言ってしまえば最後の「僕らの音」なんかはミスチルでもあるんだけどもフェス全体でもあるんですね。


小倉 「奏逢」という新しい曲の存在がまたそこを繋いでるんですよね。


小林 本当にそうだよね。



----それでは改めて3日間を振り返ってどうでしたでしょう?


山本 いやもう、天気がよくてなによりでしたね。


小倉 うん、すごい楽しかったです。今回もいろんなものを頂きました。来年はますます精進して、成長してまた帰ってきたいなって思ってます。


四家 本当にお客さんの顔が観れたのがうれしくて。この3日間のためならどんな苦労があってもいいかなと思いました。


亀田 年を経るごとに本当にフェスとしての包容力が増して行く感じですよね。まさに唯一無二のフェスだなと思います。そこに加われている喜びを感じつつ、また来年に向かって自分を高めていくという目標ができました。


小林 "水が流れるがごとく"というのかな。時代とか、環境の捉えられ方もなにかがひとつ「抜けたな」って感じはすごくする。インパクトの総量を増やすというんじゃなくて、小さくでも磨くべきではないかと。確実にその方向に向かってやってこれたんじゃないかな。お客さんもそれを望んでくれている感じはしました。これは大きな収穫だったと思いますね。

Bank Bandによるライブレポ
page up