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ap bank fes '09 特集

  • 【eco-reso talk 7】その4 食べ物は、私たちの体を作るものeco-reso talk
2009/8/16
【eco-reso talk 3】その3 私たちの手で、みどりの未来を変えていく



eco-reso talk、第3弾も今回で最終回。森林のために、私たちが毎日のくらしの中でできることを具体的にお話いただきました。箭内さんの、林業を活気づける大胆な計画にも注目です。


司会:高柳恭子(TOKYO FMアナウンサー)
ゲスト:大串卓矢(地球環境問題専門家)
田中優(環境活動家)
枝廣淳子(環境ジャーナリスト) 
箭内道彦(クリエイティブディレクター)
小林武史



◆個人レベルで、みどりを救う方法


高柳 先ほどの優さんのお話の続きですが、事前にap bank fesのホームページで、この「みどりの力」、植林活動に関して質問や疑問を受け付けていまして、たくさんのメッセージや質問をいただきました。その中からひとつ、「林業の衰退などをテレビで観て、なにか行動したいと思うのですが、個人レベルでできることはありますか?」という質問です。今、会場のみなさんが個人でできることは、どのようなことなのか、みなさんにアイデアをお借りしたいと思います。まず、枝廣さんからお伺いしてよろしいですか?


枝廣 個人ができることは3つあると思っています。ひとつめは、例えば森を守る活動や、下草刈りといった活動しているNGOがあるので、時々でいいから行ってみて、少しでも自分でやってみる。チェーンソーを最初から抱えるのは難しいけれど、下草を刈るぐらいなら、教えてもらえばできます。でも、なかなかその時間がとれないとか、行くのが難しいという方もいらっしゃる。
そういう場合は、ふたつめとして、森で活動をしているNGOや団体に寄付をしたり、会員になるなど、サポートをしてほしいんです。資金的にも苦しいけれど、一生懸命やっているNGOがたくさんあります。
さいごに、もっと日常的にできるのが、日本の木で作ったものを買うことです。先ほども申しましたが、日本の木で作った家具やおもちゃなどを買えば、そのお金は日本の森に戻り、森を手入れするお金になります。田中優さんが見せてくださった、さいかい産業のペレットストーブを買えば、一冬にたくさんの国産木材を使うことができます。それだけ石油を使わなくて済むし、日本の森にお金を還元することができる。これだったら、誰でもできるのではないでしょうか。


高柳 一番身近で私たちが使っている木のものと言えば、割り箸だと思いますが、優さん、いかがでしょうか?


田中 割り箸は98%が輸入で、その99%が中国からの輸入です。しかも、その割り箸には防腐剤が入っていることが多いので、そのまま金魚鉢に入れると、金魚が死んだりします。臭いもありますし、かなり危険性もあるものなんです。だから僕がマイ箸を持ったほうがいいと思う理由は、まず健康面からです。


高柳 最近、「国産の木で作った割り箸もできてきたから、それを使いましょう」とか、どちらがいいのか分からなくなっています。「マイ箸を使い始めたけれど、国産の割り箸がを使ったほうがいいのかな」とも思いますが、でも実際にお店に置いてあるのは、大体が中国産の割り箸で。金魚が死んでしまうくらい防腐剤が入っているんですか?


田中 はい。もともと湿気が多いのに、中国から運んで来て、何カ月もカビが生えずに済んでいるわけですから。そして、もちろん国産のきちんとした製品であれば、むしろ使ってあげたほうがいい。そこでおもしろいのは、日本には昔から使い捨てにしてきたものがあるんですよ。だから、使い捨てがなにもかもすべて悪いわけではない。例えば竹で作ったものは、みんな使い捨ててきました。流しそうめんをやった後に、その装置を残しておこうなんて、誰もしないわけです。竹というのは、日常生活で使い捨てをするために使ってきたので、それをうまく利用した箸を作る、というようなものならいいんです。
それと、僕たちにできることですが、ひとつは枝廣さんが言ってくれたみたいに、日本の木材を使って欲しい。ただ、従来の木材の使い方では、割り箸と同じように、接着剤がとても使われていて体に悪いんです。だから、私がやっている「天然住宅」もそうですが、きちんとした使い方をしているものを活用してほしい。
それともうひとつは、これだけ若い人たちがいて、人に言われたことをするのはつまらないですよね。だから自分のほうから、「こんなことがしてみたいからやってみよう」という側になってほしいと思うんです。大事なのは、地球温暖化で滅びたくないからからこうするんだ、という方向を出すことです。自分が信じたことを実現するために、なにができるか考えるほうが重要だと思っています。最近の若い人はそういうことをやり始めてきたので、僕はそこに少し期待しています。


高柳 なるほど。そして大串さんはいかがでしょうか。


大串 私がオススメするのは、林業はおもしろいので、飛び込んでいってやってみることです。私の経験ですと、木がない荒地に1本ずつ植えていくことを1週間ぐらい続けると、あたり一面が緑になっているんです。日常生活では味わえない充実感があって、こういう単純作業が人間には合っているのだと思いました。


高柳 自分で植えてみるとか、それが育つのを見るというのは、充足感につながるかもしれないですね。そして、最後にクリエイティヴディレクターの箭内道彦さん。このお話をお聞きになった、総括をお願いします。



◆林業モテモテ大作戦


箭内 僕はいつも、割り箸に入っている爪楊枝はいらないんじゃないかと思ってるんです。おじさんしか使ってないんじゃないかな、と思って。


高柳 女子は、あんまり使わないですよね(笑)。


箭内 そうですね(笑)。僕のやってる広告の仕事というのは、そういうもののおもしろい使い方や、みんなが興味を持ってくれる入り口を作らなければいけないと思っています。例えば、まな板も、「どうやったらもっとたくさんの人が買ってくれるかな」とか、「どんな形だったらみんなが大事にしてくれるかな」と。もっと広告も入り口や、外見のキレイさだけで終わるのではなく、みなさんの活動と並ぶくらいに踏み込んでいかなければと思ったし、広告はそれができるメディアだと思っているんです。
林業をどうやって盛り上げるか、ということに関して言えば、ここにたくさんいるキレイな人やかわいい人たちが、思いきって林業の家にお嫁さんに行ってもらえると、すごくいいと思います。「林業が今モテるんだ!」みたいなことが『anan』の特集になって、「林業のお嫁さんになりたいわ」という人がたくさん出てきたらいいと思いますね。


高柳 ananの表紙になるような「今は林業が熱い!」といった、キャッチコピーを考えていただく、というのはどうですか?


箭内 絶対いいですよ。俺、『きこりの嫁』みたいな映画を撮りたいですね。小林武史の音楽をスーッとかけて。


高柳 相当おもしろい映画になりそうですね(笑)。


箭内 それと植林ということで、「たまたま自分がこんなものを作っていました」というものを持ってきました。この傘は木の模様をしているので、木を植えているような気持ちで雨を受けとめられます。日本人はビニール傘を使いすぎる、ということをきっかけに作りました。


高柳 そうなんですよね、確か年間で3億本でしたでしょうか?


箭内 世界一なんですよね。だから、高い傘を買ったら大事にするだろう、というプロジェクトがあって。


高柳 絶対に、置き忘れたりしないですよね。


箭内 だから、木の気持ちになってみるとか、木が雨を受けとめるって、どんな感じなんだろう? 光を浴びるって気持ちいいな、と感じることとか。まさに、この4日間がそうだと思うんですけど。


高柳 その傘どこで買えるんですか?


箭内 これは、「MOTTAINAI(もったいない)」というキャンペーンで作っていて、そこのホームページで案内があると思います。この傘の売上の一部はワンガリ・マータイさんの植林活動に寄付されます。


高柳 グリーンベルト運動ですね。普通の傘を買うのなら、こういった、ケニアに木が1本植わるものを選んだほうがいいですね。


箭内 意識の高い人たちは、どんどんやっていただくといいと思いますが、僕をはじめとする、「なんだかピンときてないけれど何かをしたい」という人たちが、「なんとなくやっていたことが、いいことだった」みたいになれることを、たくさん増やしたいですね。


高柳 わかりました。後ほど、私のほうから小林さんには、『きこりの嫁』という映画を箭内さんとお作りになるそうです、ということをお伝えしておきますね(笑)。
今日はどうもありがとうございました。


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