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ap bank fes '09 特集

  • 【eco-reso talk 7】その4 食べ物は、私たちの体を作るものeco-reso talk
2009/8/24
【eco-reso talk 5】その4 「昔は良かった」ではない、これからの食を考える



昔は米をたくさん食べていたなど「昔は良かった」という話では、未来につながりません。最終回は、日本の良いところを生かしつつ、これからのことを話しました。


司会:GAKU-MC
ゲスト:末松広行(農林水産省)
枝廣淳子(環境ジャーナリスト)
小林武史



◆お米原料の「米粉」からパンやラーメンに


小林 全然、話違いますけど、「テンペ」って食べたことある? 東京では、外国人が行くようなスーパーマーケット、高級じゃなくても普通にみんな集まるようなところに行くと売ってるんですよ。ヨーロッパの人はベジタリアンが多いでしょ。そういう人たちが食べてると思うんだけど、おいしいんですよ。


枝廣 おいしいですよね、私も好き。


小林 kurkku kitchenのシェフに「やった方がいい」と何度か言っても、今のところ退けられてるんですけどね(笑)。フレンチを勉強してるシェフからすると、お金をいただく料理として出すものではないというカテゴリーに入っちゃうみたいなんですよ。そう言われて僕も引き下がってるんですけど。kurkku kitchenで出すかどうかはともかく、テンペがもうちょっとスーパーマーケットとかコンビニとかで出回ったりするのはいいんじゃないかな。あれ普通においしいですよ。朝ご飯とかで、ハムの代わりに使ったりも出来るし。


枝廣 テンペは大豆を発酵させたものです。で日本は大豆の自給率がすごく低いから、国産で作ったのにするといいですよね。ニューヨークやアメリカなどでは、ベジタリアン用の高級食材店、高級レストランでよく出されるんですよ。


小林 でも、そんな高いものじゃなかったですよ。


枝廣 アジアで普通に食べているものなので、元々は高くないんです。


小林 なるほど。そういうものって国内にもないんですか?


末松 最近だと米粉とかですね、新しい食材、国産の食材をもう一度見直そうという動きがあります。最初にいいイメージでものごとが動くと受け入れられやすいんじゃないかなと思うんです。米粉のパンって、今は少し食べられるようになってきましたが、役人として20年前も米粉のパンを推進しようとしたんですね。でもそのときは全然売れなかった。
それはふたつ理由があって、まずは国が米粉のパンを食べましょうと言っても、相手にされないんです。それから、当時はおいしくなかったんですね。パンにするにはちょっと粒が大きすぎたんです。今は製粉の技術がよくなっておいしくなったし、もしかしたらブームにできるかもしれない。
だから、昔の食事に全部戻す必要があるわけじゃなくて、国産の食材の新しい使い方がどんどん出てくるといいなと思います。


枝廣 米粉のラーメンもありますよね。お米が原料のものを使うことで、食生活を変えずにパンとかラーメンを食べても、日本のものを食べることにつながると思うんです。
 


自給率で日本にとって大事なのは、油関係だと思うんですね。自給率がカロリーベースで40%というのは、カロリーの高い油をほとんど輸入に頼っているのが大きな原因なんです。昔は菜の花畑が日本中に広がって、「おぼろ月夜」とか、そういう歌があったように、日本の中で油は全て自給していたんです。ところが、今は、自給率が0に限りなく近い数字になった。でも、油も日本で作れると思うんですよね。




◆日本人の油消費量は約40年前の3倍に!


末松 枝廣さんがおっしゃられたことの前に、最近、私たちは油をとりすぎているんですね。お肉が増えたのは実感としてありますけれど、実は油もすごく増えてるんです。油の1.5キロ入りのペットボトルがありますけど、昭和40年のころは、あれを年間3本消費していた、今は、それが9本に。天ぷらなど料理に使うものも含めてですが。


小林 それは太る人多いですよね、単純に。


ap bank fes'09にて。ap bank fes'09にて。末松 昭和50年頃はアメリカに日本の食生活はいいと褒められていたんですね。世界には飽食による健康問題、たとえば、アメリカの太りすぎの問題と、そして途上国の飢餓の問題がある。その間に、先進国でありながらいい食事をして、長寿な国、日本っていうのがある。アメリカは日本に学べと言って、食生活の改善運動をしたんです。そのときの日本は確かによかったんですけど、それからじわじわと油の消費が伸びている。これは単純に減らしていいところだと思うんです。


菜の花畑など日本のきれいな自然は、今まで菜種を栽培してる人がタダで提供してくれていた。ところが菜種を搾ってできる油は、外国ではコストが日本の何10分の1とかすごく低くて、競争ができなかったんです。そこで、これから考えなくちゃいけないのは、農業がなくなっちゃうと、食料が食べられなくなるだけじゃなくて、景色も変わっちゃうし、たとえば洪水防止機能とか、そういうのも失ってしまうと考えることは、大切かなと思うんです。そこに環境問題と共通するものがあるのではないかと思います。


GAKU そうですね。残念ながらお時間がきてしまいましたので、このeco-reso talkは終了となります。


小林 今日話したような話をまたeco-reso webでね、みんなで食の未来を考えていけるような企画を一緒にやりましょう。


ap bank fes'09にて。ap bank fes'09にて。末松 ぜひ、やりたいと思います。役所はいろいろな人の意見を聞く、みなさんの声が来て、背中を押してもらえると、そこで変わっていくわけです。できれば、あんまり批判しないで、優しく背中を押してもらえるとありがたいんですけど(笑)。


小林 いや、ほんとにそう思いますよ。批判するのはたやすいですからね。


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