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  • 【eco-reso talk 7】その4 食べ物は、私たちの体を作るものeco-reso talk
2009/8/30
【eco-reso talk 7】その2 野菜の売り方、買い方、選び方



eco-reso talk「食と農」の第2弾。近頃では日本でも、野菜の直売所が増えてきています。これからの野菜の売り方について、また消費者が、限りある食糧を無駄なく頂く術についても話は広がりました。


司会:ケン・マスイ
ゲスト:澁谷 剛(株式会社ろのわ)
東野翠れん(写真家)
枝廣淳子(環境ジャーナリスト)
小林武史


◆最近、野菜の直売所が流行っている?

ケン この静岡にも直売所はいっぱいあると思うんですけど、最近になって直売所というのが注目を集めてますよね。

枝廣 そうですね、私も注目しているのですが、今、いろんな国で直売所が流行っているそうです。アメリカにも昔からファーマーズ・マーケットという、地元でとれた卵や野菜を売っているところがあるのですが、ここ数年、すごくその数が増えているそうです。おもしろい研究があって、ファーマーズ・マーケットで買い物をする場合と、スーパーで野菜を買う場合とでは、お客さんが交わす会話の量が10倍違うらしいです。ファーマーズ・マーケットは単に新鮮で安全な野菜を直接売るだけじゃなくて、そこの地域のコミュニティを作るという意味でも、すごく役に立っているという話なんですね。

日本でも、今、とっても直売所は増えてます。ただ、やはりとれた場所の近くで売っていることが多くて、街に住む人はそこまで買いに行くというスタイルなんですね。それが澁谷さんのところは東京の駒沢に出前をされている。出前の直売所っていうのはすごくおもしろいと思うんです。

地域で作ったものを地域で食べていくのも大事だけど、東京の食糧自給率って1%しかないわけです。日本全体をひとつの地域と考えたら、熊本とかほかの地域で作ったものを東京に住む人が食べていけるようにつなぐというのはすばらしいなと思います。実際にお店をはじめられて、地域と都会がつながり始めたような実感とか手ごたえはありますか?

澁谷 今月たまたま、北海道フェアということで、北海道の生産者さんなどに来ていただいてるんですね。ブドウ農家さんがワインを作りをやっていますが、来ていただいたお客様に「今度、北海道のワイナリーを見に行きたい」というお話をいただいたりしました。まだ私たちも始めたばかりですけど、さっそくそういった事例も出てきています。

ケン 地方では若い農家の方々が直売所に自分たちの商品を出せない現状があるとも聞きますが、出せなかった商品はどうなっていたんですか?

澁谷 農家が集中しているような地方ですと、売りたい人ばかり多くて野菜は本当に売れないんですね。直売所も売り場にはかぎりがあるので、最初から参加してる方は売り場を持てるんですけども、最近、参加しようとする方は直売所に置くことすらもできない。売れなかった野菜は牛とかのエサになったりとか、畑でダメになっちゃうっていうようなケースもあります。

ケン とすると、このようなLonowa駒沢のシステムは、地方都市で作ってる生産物がムダになっている状況を解決するひとつの策でもありますよね。

Lonowa駒沢で販売されている、国産素材で作られたジュース。Lonowa駒沢で販売されている、国産素材で作られたジュース。小林 そうですね。Lonowa駒沢にかぎらず、みんなに国産の食糧を選んでもらうことが大事になってくると思います。食糧は生活する中でどうしても手に入れなくちゃいけないものだけど、やっぱり便利なものじゃないとなかなか選んでもらえない。とはいえ、便利だからいいかと言うと、それも違うと思うんですよね。日本や僕たちの未来のことについて思いを持ったものが増えていかないと、なかなか世の中がいい方向には変わっていかない。

お金の効率だけではなくて、考え方、ビジョンがあるお店、しかも小難しくて頭ガチガチな感じじゃなくて、そういうことをステキにアウトプットしてくれるお店が出て来ると世の中も変わるのではと期待しながら、応援しています。

枝廣 値段を比べる人もいるだろうし、食べたときの味や、葉っぱの大きさなど、こだわりのポイントはいろいろあると思いますが、実際にお客さんの反応はどのような感じでしょうか?

澁谷 やはり、野菜に対する満足度は高く持っていただいていますね。リピートをしていただける方が多いんです。われわれも最初は近くの方しか来ていただけないと思ってたんですけども、千葉だとか八王子のほうからも通ってくださる方もいらっしゃる。

国産を守ろうというときに、単に消費者に頼るだけではなくてお返しもしなくちゃいけないのですが、今、われわれがお返しできるのは品質だと思っています。その品質の部分で非常に満足いただけているので、まずは一安心しているところです。

◆食べ物は買いすぎないのが一番

ケン みなさんからの質問に、どんどんお答えいただこうと思っています。まず「食糧の廃棄について考えることが多いです」というご意見です。「よく考えて食材を買ったり調理したりしないと、家庭での食品のロスは増えていくばかりです。家庭だけでなく、食品業界全体の問題かと思います。食に意識を持って、かぎりある食材を大切に使う取り組みが今、どう取り扱われてるのか教えてください。個人レベルから取り組みたいと思っています」という質問なんですが、いかがでしょうか。

澁谷 オーソドックスな話ですけど、ふだんの買い物で買いすぎないように気をつけることだと思います。ただ、農業全体を考えると、規格外で捨てられてしまうとか、ちょっと見た目が悪いだけで捨てられてしまうものがたくさんあるんですね。われわれも消費者の嗜好はわかっているので、少しでも値段を下げて、買いやすいように提供したいと思います。

ケン この経済状況の中で傷んだ野菜が「傷もの」としてネットで売ってますよね。それっていい流れだなと思うんですが。

枝廣 今までは、ちょっと傷ついた野菜や果物は、出荷前にみんなはねられていました。それがきちんと食べられるようになったのはいいことだと思います。さっきのご質問に対してですが、そもそも買いすぎないことは大事ですよね。「冷蔵庫に入れとけばいいや」と思って買ってしまいがちですが、冷蔵庫を過信しないことだと思います。

でも、買いすぎないようにしていても、予想より量が多かったりすることはあるんですね。そういうときは、家族のぶんよりも多めになっちゃっても作っちゃって、おすそ分けするのがいいと思います。うちの母なんか、いつもそれをやってたような気がするんですよね。「こんなに鍋いっぱい作ってどうするんだろう?」と思うと、おすそ分けして、それがまた違う形でいろいろ返ってきたり。個人のおうちで廃棄率を減らすっていうのも大事だけど、みんなに配って食べてもらうのもありですよね。

ケン そういうやりとりが出来ると楽しいですしね。東野さん、個人レベルで取り組んでることや、やっていきたいという思いなどがありましたら。

東野 私が住んでいる街はたまたま自然食品屋さんがけっこう充実してるんですね。ありがたいなと思いながら買い物をするんですけど、やっぱり身体にいいものを食べたいって、ある意味では本能だと思うんです。子供の頃の食卓は玄米とお味噌汁と煮物みたいな素朴なご飯だったので良かったな、と思います。その頃に吸収した野菜の美味しさを、今はもっと欲してるような気もするんですね。

最近は表示に書かれていることがだんだん増えたりしていますよね。肥料を何回やったとか細かなことも書かれていたりしますし。いつも「ああ、そうなんだな」と思いながら買い物をしています。
ただ、ちょっと作りすぎてしまうことは私もあるので、いつも気をつけたいなと思っています。

(その3に続きます!)
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