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ap bank fes '09 特集

  • 【eco-reso talk 7】その4 食べ物は、私たちの体を作るものeco-reso talk
2009/8/19
【eco-reso talk 4】その3 ごみのリサイクル、その先を考える



リサイクルに出すのは、もう当たり前。これからは、どのような方法でリサイクルされるのかなど、その先について、議論が白熱しました。


司会:高柳恭子(TOKYO FMアナウンサー)
ゲスト:羽仁カンタ(環境オーガナイザー)
野崎衛(レコテック株式会社)
小林武史



◆ケミカルリサイクルとマテリアルリサイクル


高柳 こういう熱い議論が、「SWITCH」という雑誌でも掲載されていました。その中では「ケミカルリサイクル」と「マテリアルリサイクル」という、耳馴れない言葉がでていましたが、ご説明いただいてもいいですか?


羽仁 簡単にいきます。ペットボトルは先ほども話したように、ケミカルリサイクルでTシャツやフリースなどの繊維に戻すんですけど、化学的な方法で解体するんですね。一度分子レベルで分解して原料に戻してしまうので、リサイクルしたあとも悪くはなっていない状態なんです。


ap bank fes'09でも、紙すきのワークショップが開催されていました。ap bank fes'09でも、紙すきのワークショップが開催されていました。しかし最近の技術ですごくお金がかかる。このことは野崎さんが詳しいんですけど、何百億っていうお金がかかるとかで、去年会社が一社つぶれたりしました。マテリアルリサイクルっていうのは昔からある方法で、みなさんもできます。たとえば紙を水の中に入れておくとどろどろになっていって、紙すきしてはがきをつくる。あれが簡単にいえばマテリアルリサイクルですね。


高柳 そのまま同じものに作り替えるということですね。


羽仁 はい。でも「ダウンリサイクル」といって、プラスチックの場合は基本的に熱をかけると溶けるんですけど、素材が劣化します。だからここにあるものからちょっと下がる、ちょっと下がるみたいな感じになって、3回くらいしかリサイクルできないんです。
マテリアルリサイクルはものによって有効で、紙やアルミや鉄、びんなどは何度もリサイクルできます。でもプラスチック製品なんかはマテリアルだとどんどん悪くなっしまうので、ケミカリルサイクルをすることにすればどんどん次のものにリサイクルしていける。こういうことだと思うんですけど、間違っていれば指摘してください。


野崎 いやいや全くそのとおりだと思います。まあ、ケミカルだとかいうのは非常に技術的な話なので僕自身もよくわかりませんし、細かいディテールのところでもいろんなリサイクルがある中でどちらがいいのかというのは、正直な話僕にもよくわかりません。


ただ、いずれにしてもリサイクルというのは非常に対処療法なわけですね。病気でいえば、病気になったから薬で治すような感じで、ごみが出たから、そのごみをもう一度何かにしたり、環境負荷の低い形にしようよということなんですが、薬を飲むのと同じで副作用がないものは絶対ないわけです。


だからリサイクルはどんなにいい技術でもどこかに必ず副作用、環境負荷があります。それがいいか悪いかをみんなで議論しながら、こっちよりもこっちがいいよねとやっていますが、必ず負荷が出てしまうわけですね。


リサイクルを意識することは、何がどれくらい出ているかを知ったうえで、こうすればこれだけ減らせるよねっていうゴールを持っていくのが重要だと思うんです。そういう意味で、ケミカルリサイクルやマテリアルリサイクルというものがあるということを知るのも重要なことだと思いますね。



◆リサイクルで未来を思う


小林 日本人って「もったいない」という文化を受け入れる土壌があると思うし、リサイクルで仕分けするのも嫌いじゃないですよね。僕の周りでもそうだけど、みんな進んでやりますよね。
最近、僕の住んでいる区が、燃えるごみも燃えないごみも一緒でいいですと言われて、分別が今の段階では不要になりました。行政の人が今まで燃えないって言ってたのに、昨年の10月から燃えるってことになって、何を信じればいいのかわからないみたいな。


でも、僕が言いたいのは、ごちゃっとしたごみがあるんじゃなくて、それを仕分けていく。そしてそれが何かに生まれ変わっていく。いずれこの場にいる人間はみんないなくなってしまうわけで、生き物ですからやっぱり命を繋いでいこうとするのがどこかにあるから、本能的に何かが生まれ変わっていったりすることを願う......、といったら大げさかもしれないけど。僕らが今回もごみに関して、燃やすかリサイクルするか、どちらかを選ぶときにリサイクルを選ぶことに賛成したのは、そういう生き物の本能みたいなところがあると思う。


もちろんリサイクルが必ずしも善ではなくて、それぞれの場合にどういう負荷がかかっているか、リサイクルのために必要なエネルギーの話とかね、そういう問題がありますよね。
僕らが使うものがリサイクルされて循環されていく社会というのは、命がずっと循環していることを感じられる社会に、より持続可能な方向に近づいてはいきますよね。


そういうのを思い描くのは楽しいから、リサイクルやごみを分別したときに、未来のことを思った人もいると思うんです。とりあえず今は「燃えるか燃えないかでいいんです」と言われて、ぐちゃっとなったごみを見ると、なんか萎えてしまうんだよね。


羽仁 分けることでその素材はもとに戻っていけるから、生き返っていく、生まれ変わるという状態になると思うんですよね。必要な整理整頓はあったほうがいい。


たとえば、昔はタバコがどこでも吸えた。昔、僕も吸っていたけれど、タバコを吸わない人には迷惑がかかっていた。今は、なんとなく喫煙、禁煙で社会として区切られてきた。飲酒運転も「危ない」と言われても、なんとなくだらだらやっていたことが変わっていったりとか。だから「ごみもぐちゃっとなってるのがいいや」というのが、だんだん分別されるほうへ近づいていく。いろんなことが同じだと思うんだけど「まあいいや」と言わないことが増えると、持続性ができてくるんだと思いますよ。


高柳 みなさんはご存じでしょうけれど、最近「3R」という言葉、リユース、リデュース、リサイクルという言葉が浸透してきていると思うんです。事前にap bankのホームページでみなさんから質問をお寄せいただきましたが、そのひとつを紹介します。「『3R』の話をよく耳にしますが、実際に家庭でできる目線で教えてもらえますか」


羽仁 リデュースは減らすという意味で、今出ているごみを完全に出さないということなので、リユース食器を使えば完全にごみは出ないことになりますよね。たとえばお金を払って何かを飲むよりも、家で麦茶を作ってそれを水筒に入れて持ち歩けば、ごみは出ないわけです。


リユースすることによってごみは出ないわけだし、食べ残しは食べちゃえばごみは出ないわけだし、料理するときも、どんどん捨てるんじゃなくてなるべく使って食べるようにすれば、ごみは減っていくと思うんですよね。


みなさん自身だけじゃなくて、国として、分別しやすい製品を作ってもらえば、僕らは簡単に分別ができるんだけど、くっついていてとれないものもたくさんあります。アルミと紙が一緒になっている容器とか「これ半分燃えるけど半分燃えないじゃん」みたいな。そういうのは僕らも先陣を切っていきますけど、ぜひみなさんもついてきてもらって、「これおかしいから分けるようにしてよ」って企業に働きかけてください。


(その4に続きます!)

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