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ap bank fes'10 運営スタッフ座談会 その2

data : 2010.07.16category : ap bank fes

ap bank fes運営事務局のメンバーによる、フェス直前座談会。2回目は、食やごみ、トイレについてなど、フェスを裏で支える取り組みについての話題です。スタッフおすすめのフードメニューも大公開、ap bank fesの予習はこれで完璧です!



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■今年はフードエリアにも新たな顔ぶれがずらり


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ap bank fesでは初回から、オーガニックな食材に取り組んでいて。最近はオーガニックな取り組みも一般的にはなってきたけれど、ap bank fesでは、お客さんがただ食べるだけでなく、なぜ美味しいのかを聞いてくるんです。そういうのって他のフェスにはないことなんですよ。




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どんなタイプのお店が多いの?






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大量の食を提供するパワーをもっているけれど、エコや有機というものが後回しになりがちなお店と、野外フェスは素人だけれど普段から農家や流通に携わっていて有機やオーガニックにはプロというお店。このふたつのバランスで2万8000人分の食をこれまでまかなってきたという経緯があって。昨年からは、それらの店舗が互いに勉強となる場としてのワークショップを、ナオたちが中心になって開催したんだよね。


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うん。そこから生まれたのが、無農薬や国産などを僕らなりの基準で可視化できる、食良(たべよし)くんというアイコンです。






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食を選ぶということが求められてきているし、出店者も食への取り組みを伝えたいと思っている。そんな相互の気持ちを繋げたいという気持ちが込められてるんです。





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そして今年は6回目ということもあり、新規の出店が4割くらい。






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それは、例年よりも多いんだっけ?






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かなり多いね。






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4割の飲食店を入れ替えるというのはチャレンジなんだよ。でも、新規の人たちを取り入れていくことで、広がりを持たせていきたいと思っていて。内輪だけのイベントにしたくないという気持ちもあるしね。





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常に新しいことを感じられる環境を作りたいし、出店者にもそういう思いを感じてもらいたい。それに、全国各地からフェスに参加してもらっているので、行ったことのない場所で、食にこだわりをもって取り組んでいる人がいることを知ってもらう、いい機会でもあるよね。



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飲食店は、どうやって選んでるの?






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出店希望者の中には数あるフェスのひとつという考え方の人たちもいる。でも、僕らとしてはいっしょに取り組んでくれる人たちとやっていきたいという気持ちがあるからね。説明会に出てもらって、他のフェスより5~10倍は手間のかかる書類を申請してもらってます。とにかく「面倒くせーなー!」のオンパレードなんで(笑)。でも、そのくらいの「想い」がないと、一緒にやってはいけないからね。


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(必要書類が)すんごい面倒くさそうなんだよ! わたしだったら書きたくないよ~。





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でもそこで頑張れなかったら...ね。会場でも、ごみの分別だったりリユース食器だったり、協力してもらわないことには成立しないことはたくさんあるし。




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そうだね。看板も、麻で作ったものに統一してもらってます。オーガニックフードエリアとして足並みを揃えましょうということで、音を出したり訪問販売をしたり、のぼり立てまくりみたいなのはやめよう、という規制も守ってもらって。




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気温などによって食べたいものって集中するから、メニューによっては、どうしても人気に差がでちゃうんだよね。でも、そういう決まりごとに協力してもらうことで、僕らも参加者がだれも悲しくならないような環境づくりを心がけてます。



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普通のフェスでは、メニューの写真をたくさん見せて行列ができているような、売り方のうまいお店が成功する傾向があるよね。でもap bank fesはちょっと違って、売り方がうまくなくても、心がこもっていてこだわりがあるというお店もたくさんあって。食良くんの看板なども参考にしつつ、並んでないお店にもチャレンジしてもらうのがいいんじゃないかな。


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ちなみにみんな楽しみにしているメニューってあるの?






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そうだなぁ、楽しみなのはいろいろあるんだけど、特にというのなら僕は、新たに登場するベーグルのお店かな。ここは純国産小麦の強力粉を使っているんですよ。僕も専門ではないんだけど、飲食出店を統括している人たちに聞いたところによると、かなり手に入りづらいものらしくて。それを使ったベーグルは、彼らも食べてみたいと言ってたなあ。



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国産小麦自体が手に入りづらいんだよね。その中でも強力粉となると特に難しいんで、それはすごいことだと思いますよ。





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私はタイフードが楽しみですね。今までエスニックでオーガニックというのはなかったので。





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オーガニックといえばさっぱりした素朴なのが主流だけど、今年は「プエン」というタイ料理店が出店するんだよね。彼らは、茅ヶ崎でレストラン営業しているんですけど、自分の畑でハーブなどを育てていて。タイフードって、いろいろな調味料に頼らなければいけない。その中でオーガニックをどう表現するのか、というところに期待してます。



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俺はやっぱり「梅おばさん」かな。真夏の野外で飲む、冷たい梅ジュースはほんとに美味しい! 店主のおばさんは梅林も持っていて、本も出しているくらい梅のことをめちゃめちゃ詳しいんですよ。今年もkoti marketに出店しますよ。




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あと、博多ラーメンの「博多白天」もね。ここは、数々のフェスに出店している超有名店で、昨年「ap bank fesでも出店してみない?」ってこちらからオファーしたんですよ。お店の人も試行錯誤しながら小麦や製麺所を見つけてきてくれて、国産の豚肉はもちろん、純国産小麦の麺を実現したんです。



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「博多白天」ほかのフェスでしか食べたことないなー。オーガニック食材のラーメンって美味しいの?





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かなり違うよ。びっくりするくらい味が変わるんだって!






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ap bank fes仕様で作ってくれたんだよね。オーガニックな食材を使った博多白天のラーメンは、ここでしか食べられません。






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毎年常連のkurkku kitchenも、今年はメニューを変えてますもんね?








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そうそう。
kurkku villageができて趣も違うから、「いつものカレーとホットドックとジュース以外にも何かやってほしい、kurkku kitchen得意の焼き物があったら素敵ですよね」という話をシェフのしんのすけさんにしていて。焼き鳥だっけ?




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うん。太陽チキンの焼き鳥。






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今までkurkku kitchenが提供してきたものと違うメニューが登場するので、身内ということを抜きにしてもおすすめです。もともと、すげえうまい飯をだしているところだし、彼らは薪を使ったグリルにこだわっているので。いつも神宮前のお店に来ているような人にも食べてほしいな。




■マイ食器、カトラリーを洗って使おう


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このごろは野外フェス全般で、ごみの分別がだいぶ浸透してきましたけど、ap bank fesの場合は更に一歩先を目指して、ごみを減らすさまざまな取り組みに挑戦しています。ごみの分別ははもちろん、リユースカップやリユース食器の導入をしたり。




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僕らも、いつもA SEED JAPANさんには「他のフェスではやれないことをやろうよ!」というムチャぶりをしてきたからねー(笑)。でも、それに彼らもいつも応えてくれる。





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2年目はリユースカップを全面的に導入して。当時としては、かなりの冒険でしたね。この動員数で実施するのはデポジット制みたいな返金制度を導入しないと無理じゃないか、という話もあったくらい。





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ここは結構ハードルが高かったんだよね。でも僕らとしては、「お金が返ってくるから」じゃなくて「当たり前だから」やろうよという気持ちがあった。だから、お金を発生させずにやるにはどうしたらいいのかをA SEED JAPANチームと話し合って。




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紛失すると、次の日に提供する皿やカップがなくなっちゃうから大変なんだよ。でもap bank fesのお客さんなら大丈夫なんじゃないか、チャレンジしてみようと。




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そしていざ実施してみたら、紛失率はとても低かったんです。今は食器の紛失率が1%、カップが3.5%くらいかな。





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すごい! 正直な人だらけ!(笑)






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いつもライブの直前に、僕とかが説明のショートコントをしたりした成果かな(笑)。A SEED JAPANのみんなも、回収を呼びかけてくれているし。おかげさまで、他のフェスに比べると、回収率はかなり高いです。




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今度はめざせ回収率100%ですね!







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そして昨年からはマイ食器やカトラリーの持参を呼びかけました。持ち込んだ食器を洗ってもらうように、各所にシンクを設置して。でも、そのときはA SEED JAPANが用意したリユース食器を使用する人にはサポートがあるけれど、マイ食器の人にはサポートがつけられなかったんですよ。


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排水の問題などの設備や人数の問題もあって、サポートが難しかったんだよね。






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でもどちらかといえば頑張っているのは、家から食器やカトラリーを持ってきてくれるお客さんだから、もっと感謝の気持ちを伝えたいしサポートしてあげたい。そこで今年は、ごみの分別やリユース食器を返却する「エコステーション」に、マイ食器を洗う場所をくっつけて一か所にまとめる準備を進めています。



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今回、A SEED JAPAN側からその提案をもらって。すごく面白いし排水の件はタンクで解消もできるから、できる範囲でやってみようってことになったんですよ。





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これも斬新なチャレンジだと思いますよ。僕の中ではap bank fesは他のイベント業界に対する環境的なイノベーションの役割も担っていると思っていて。こういった取り組みを先駆けて行なうことで、他のフェスに繋がっていくという意味もあると思います。




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ごみの取り組みは、ap bank fesのインフラとしていちばん中心にあるべきことだから。それをもっと目立つかたちにしたいということで、今年のエコステーションはフードエリアのど真ん中に置いてみようと思ってます。これまでは、マイ食器やカトラリーを持参して洗って使う人がいる、ということを知らずに終わってしまう人もいたと思うんです。でも今年はもっとお互いを近づけることで、「食器やカトラリーを持ってきている人ってこんなにいるんだ!」ということを知ってもらえるはずだから。そういう、お客さんがお互いの参加の仕方を見られる場所になると面白いよね。

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■飽くなきトイレへの挑戦


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あと、トイレというのは大型の野外フェスでは大事な設備。ap bank fesではトイレをたくさん作って、なるべく不都合が起きないようにしています。野外フェスって和式トイレが多いイメージがあると思うんですけど、ap bank fesでは8割が洋式を採用していて。洋式トイレの割合は、国内のフェスで一番高いはず。






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確かに、他のフェスに比べるとトイレの数が多いですよね。






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ただ、トイレが多ければいいというわけではないと思っていて。そんなときにトイレ研究所(当時はトイレ協会)と出会ったんです。彼らは何をやっているかというと、トイレをより快適に使うことや、トイレの大切さを広めていく活動をしているんですね。




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はじめて聞いたときは「そんな研究所があるんだ!?」ってびっくりしたよねー!





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フェスの2年目に、被災地や山頂のような、メンテナンスができないところで使われているエコトイレを導入してみようと。エコトイレというのは、微生物やバクテリアが糞尿を時間をかけて分解していくので、設置すれば置きっぱなしでいい、というものなんです。それで、「一日に100人くらい使う程度なら大丈夫だから、人数超えたらストップしましょう」という話になって。それでふたつだけ導入しました。ただ、......めちゃめちゃ臭くてデカいんですよ。


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あはははー(笑)。






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普通のトイレより6倍くらいデカいから、クレーン車で入れなきゃいけない。しかも、臭すぎてフードエリアに置けないっていう(笑)。なので、翌年は使うのをやめたんだよね。でも、エコトイレというものを知ってもらうには意味があったと思ってるんですけど。




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試行錯誤してるんですよー。





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それで3年目からはトイレにメッセージを書いたステッカーを貼ることにしました。簡易トイレはきれいに使わないとすぐに詰まって、汚いからそのままにしておくと使えなくなっちゃう。そういうのって一番エコじゃないじゃないですか。トイレってフェス会場の中で唯一の個室のスペースだから、ひとりになったときにハッと気がつけるようなメッセージが与えられたらいいなと思って。「トイレが汚いと落ち込みます」とか、「トイレで一回に何リットルの水使ってます」といった、いろんな観点からのメッセージを貼って。


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キッズ優先トイレというのも珍しいところだよね。






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そうそう。他のフェスと違って子連れのお客さんが年々増えているので、ライブエリアから一番近いところにキッズ優先トイレも導入しましたね。あとは、サニタリーボックスやブラシを導入する試みもしていて。これもおそらく他のフェスにはないですね。お金がかかるし置くだけ無駄って考えるのが普通だから。でも、うちの場合はお客さんが汚したら自分でキレイにして、次の人にバトンタッチしてもらいたいという思いがあるので。



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並んでいる間の時間を利用したトイレクイズも計画中なんです。「ここから10分、トイレクイズ!」みたいな感じで。看板に問題が書いてあってQRコードで回答が見られるような仕組みを作っているので、参加してみてほしいです。


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さっきからトイレの話がやたら充実してるね(笑)。






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充実しているのに今までなかなかアピールする場がなかったから(笑)。





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「トイレの仕事は汚いからやだな」みたいなイメージも、もっとポジティブに考えられたらなって。トイレのスタッフだけは、他のスタッフと違う、ちょっと小奇麗なデザインのTシャツしているんですよ。そのへんも、ぜひ注目してみてください。




(構成と文・編集部 イラスト・明日香)




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