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「沿志奏逢 3」Release Special 小林武史Interview(前編)

data : 2010.06.28category : 「沿志奏逢 3」リリース記念 Special FEATURE
前作から約2年半ぶりに発表される、Bank Band3枚目のアルバム「沿志奏逢 3」。その内容は『ステップ!』(RCサクセション)などこれまでのap bank fesにて披露している楽曲を始め、桜井和寿が新たに本作のために選曲した『若者のすべて』(フジファブリック)、「有心論」(RADWINPS)、そしてBank Band 4曲目のオリジナル楽曲「奏逢〜Bank Bandのテーマ〜」など、全11曲を収録したNewアルバムです。
若手アーティストの楽曲を多く取り入れるという、これまでとは違う佇まいを見せるこの作品に込められた想いは? 開催が近づくap bank fes'10や、Bank Bandのこれからにも繋がるその想いについて、6/30のReleaseを前に小林武史、櫻井和寿の二人にそれぞれじっくり語ってもらいました!

※本日より4日間続けて、小林武史インタビュー(前後編)、櫻井和寿インタビュー(前後編)を順番に掲載していきます。



若い世代とのレゾナンス
―― 
エコレゾ ウェブでの小林さんと櫻井(和寿)さんの対談を読むと、今年のフェス開催までには紆余曲折あったみたいですね。
小林 
既にその対談で話してることですけど、いったんはLOVE CHECK寄りになっていってね。つま恋とは別に、「いずれそんな音楽イベントもあり得るなぁ」ということだったわけです。でも僕らがつま恋という場所で大切にしてきたこともあって、それは共振・共鳴であり、エコレゾなんですね。それが起き得る場所として大切にしてきたわけです。でも、これまでは共振・共鳴といっても、主にBank Bandによる温故知新じゃないけど、「日本にはこれだけの名曲がある」ということで、過去の色々なものを掘り下げることをしてきたわけです。櫻井が中心になって曲を選び、曲達から種をもらってBank Bandなりに育てて開花させてきた。でも今年からは、もちろん先人達を掘り下げるのも必要だけど、僕らより若い世代とのやりとりも大切だと思ったんですよ。というのも、今の時代というのは実績というブランドがない若い人達が、なかなか世の中に出て行きにくくもなっているのでね。レゾナンスの場であるつま恋で、今年はそんな人達とも繋がりを作っていけたら、ということです。
―― 
会場も、これまでと違って2ステ−ジ設けたレイアウトだそうですね。
小林 
2ステ−ジにして、バンドもどんどん入れてこうよ、ということです。バンドというもの自体,それぞれがそれぞれの流れを作れるクリエイティヴィティの高いシステムなので、たくさん招くことでレゾナンスの幅も広げられるだろうから......。だから今年は同じレゾナンスでも"縦に掘る"というより"横に広げていく"感覚というかね。
―― 
つま恋の会場の風景も、だいぶ変わるんでしょうかね。観客の皆さんも、より開演中、移動を含め流動的になるとか......。
小林 
ただ、2ステ−ジといってもそれぞれを観るために移動しないといけない場所にあるわけじゃなくて、並んでいるものになるんだと思うんです。こちらとしても、(ライブを)観るところはこれまで通り集中して観て欲しいし、やはりそのあたりの流れは僕らが作っていくフェスなんだとも思うのでね。ap bank fesは"展示会的なフェス"ではないのでね。もちろん「観るところは集中してほしい」とは言っても、途中で充分な休憩は入れます。
―― 
ここからは『沿志奏逢3』の内容にも関わっていくわけですが、若い世代とのレゾナンスにおいて、「若者のすべて」という楽曲が大きなポイントになったようですね。
小林 
あの曲は「本当にいい曲だなぁ」というのは、櫻井だけじゃなく僕も思っていたことで、それをBank Bandで実際に演奏してみた時、様々なことが共振共鳴し合えるイメ−ジもハッキリ浮かんだんですよ。なのであの曲が核となって他のいろいろな曲が選ばれていったとこがあったんです。でも、『沿志奏逢3』がこの11曲になるまでには経緯があって、例えば仲井戸麗市さん(以下、チャボさん)の「月夜のハイウェイドライブ」って曲を今回やってるわけですけど、取っ掛かりはスタジオで櫻井がギター1本で歌ってて、「それ何?」っていう そこからだったんです。この曲を櫻井が歌うのもいいなって思ったけど、ともかくチャボさんの匂いが強い曲なのでね。
―― 
その匂いといいますと?
小林 
僕なんかからすると中央線の感じというかね。でもチャボさんも、そして忌野清志郎さんもそうだけど、東京都下の"信じられるものとしての日本のロック"を耕してくれた人達なんですよね。そしてその"信じられるもの"って、それこそミスチルの重要な核のひとつにもなってると思うんです。言い換えるとしたら、東京という物凄い吸引力とスピ−ドで動いてる中での"自分の居場所なり自分のペ−スを守ろうとする何か"なんだけど......。
―― 
流行に追従するんじゃない、信じられる、嘘じゃないものですよね。でもそれは櫻井さんが曲を選ぶ基準にもなってる気がするんですよね。自分より目上の人達に対しても、目下の人達に対しても......。
小林 
でも、その嘘じゃないという、その意味でも僕は「月夜のハイウェイドライブ」っていいんじゃないかと思ったんです。ただ、バンドで実際にやってみたら、かなり古(いにしえ)な感じになってしまった(笑)。これ、チャボさんの楽曲がどうのってことではないんです。あの人がやるからこそ素敵に感じらるものに、なかなかならなかったということです。それでいったん諦めて、代案として「Reborn」というのが出てきた。この曲が出たのは7年か8年前かな?  しかもBank Bandで櫻井が歌ったら良くなるということは、既に見えてた。で、「Reborn」をやって上手くいって、でもその後にオマケがあったというか、最初の『沿志奏逢』で大貫妙子さんの「突然の贈りもの」をやったように、肩の力を抜いたジャジィ−な感じで「月夜...」をやってみたらどうかって話が上がってきてね。実際はあれとは違う感じになりましたけど、最後にはいい仕上がりになったと思っています。

(取材 小貫信昭)

後編に続く

【「沿志奏逢 3」Release Special Interview】
櫻井和寿Interview(前編)
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