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アウトドアファンに聞く、登山の魅力

data : 2010.07.06category : アウトドア特集
男の人や年配の方の趣味というイメージが強かった登山。でもこの頃は、若い人や女性の山好きが増えてきているそう。Bank Bandを始めとし、様々なアーティストのレコーディングやステージなどで活躍しているチェリストの四家卯大さんも、自然に惹かれ、登山を楽しんでいる一人。登山を始めたきっかけや、その魅力について伺いました。


初めての登山は、中学校のクラスメイトたちと

演奏家という職業柄、室内で過ごす時間が多い四家さん。そんな彼の休日の楽しみは、野外で体を動かすことなのだそう。親しんでいる登山について思い出を紐解けば、子どもの頃にそのきっかけがありました。

feature_shika_00.jpg「中学校では科学部に所属していたんですが、校外活動で天体観測をしに行くことになったんです。顧問の先生と部員7、8人で、星を観るために岳ノ台に行ったのが人生で初めての登山ですね」

神奈川県の丹沢山地に位置する岳ノ台は、日帰り登山などで親しまれている標高899mの低山。美しい自然と雄大な眺望は、生まれも育ちも東京の都会っ子だった四家さんにとって、忘れられない思い出として心に深く刻まれることになったのです。


行きつけの本屋の店主がきっかけで、登山と再会

みんなで行った天体観測の後、中学生にして一人で丹沢に行くほど山好きになった四家さん。しかし、高校進学以降は、ちょこちょことハイキングなどに行く程度で、山からは遠ざかっていたそうです。そんな四家さんが、再び本格的に再び登山に親しむようになったのは、今から10年ほど前。

「興味はずっとあったので、山雑誌や山に関する本を行きつけの本屋でずっと買ってたんです。そうしたらある日、本屋のおやじから『四家さん、山好きなの? いっしょに行かない?』と話しかけられて(笑)」

再び山に登るようになり、山仲間もできました。そうして大人になってから再び登った丹沢には、懐かしいあるものが四家さんを待っていたのです。

「丹沢は、あの頃と同じ匂いがしました。土や植物の匂いに、ちょっと海の香りも入っている。そういう匂いって忘れられないんですよね」

山にある、それぞれの匂い。そんな山の匂いも登山の思い出に彩りを添えてくれるのです。


興味の持ち方に幅を持たせてくれるのが、登山の魅力

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晴天続きの天気予報を見かけると、つい登山に行きたくなってしまうという四家さんにとって、登山はリフレッシュのためのもの。できるだけ仕事の悩みなどは持ち込まずに、頭の中を空っぽにさせて登山自体を味わうようにしているそう。

「登山はスポーツですが、どこに興味を持つかで変わってきます。生息している植物に注目すれば、自然科学や地学的な楽しみにもなるし、自然にロマンを追い求めれば、文学的な楽しみ方もできますよね」

その日の天気や自分自身のコンディションなどによっても、様々な楽しみ方を見つけられる登山は、興味の対象として非常にフィールドが広い。そんな大らかな山だからこそ、多種多様な顔ぶれの人たちがそこに集う。そんなところも登山の魅力だそうです。


楽しいと感じた事を忘れずに、追い続ける

ふと気がついてみれば、小中学生の頃に楽しいと感じた事や、やりたかったけどやれなかったことを、今、一番興味を持って取り組んでるような気がすると四家さんは語りました。

「仕事もそうです。チェロは小学校5年生くらいから始めましたが、まずはクラシックを集中して学ばないといけなかった。ロックやフォークなども好きでしたから、中学生になって同級生がバンドをやり始めたのをうらやましく思いました。楽しそうだな、とそれを横目で見つつ、クラッシックの勉強に励んだんです」

いまやジャンルを問わず、多くのアーティストから支持を受け、活動の場所を広げる四家さん。あの時、胸に秘めた「バンドって楽しそうだな」という思いに、そっと水をやりゆっくり育て、いつしか「バンドって楽しい」と言える現在の姿にまでその実は育ったのです。

「子どもの時にやりたかったことってほぼ出来てるぞ!とふとした時に気がつくと、思わず嬉しくなります」

少年時代の思いを胸に、少しずつ行動を起こす事でそれを現実に変える。それはまるで、一歩ずつ着実に山肌を踏みしめて歩む登山のよう。もしかしたら、四家さんは生まれついての「登山の人」なのかもしれません。今は南アルプスの南部にとても興味があるんですよね、と話す四家さんの顔には、どこか無邪気な少年の面影がありました。


<四家さんのオススメ登山ファッション>

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レコーダーなど

登山スケジュールを書いたメモはいつでも取り出せる場所に入れておき、濡れたり汚れたりしないようビニールでカバー。赤いヘッドライトは必需品。録音機で沢のせせらぎや風の音を録ることも。一見、携帯のようなGPSは、非常に軽量でキャンプなどでも使えるそう。紫色の多機能ナイフは珍しいペンチ付き。熱々の調理器具を挟んだりでき、便利なアイテム。


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調理器具

燃料が異なる2種類の携帯コンロを使い分けている。向かって左のガス(ホワイトガソリン)タイプは火力は強力だがバーナー音が大きいため、煮炊き用。オイルタイプのものは静かに火が灯るため、しんとした中でコーヒーなどを楽しみたい時に。アルミの調理器具は火が通りやすく、コンパクトに収納できる。


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食べ物

口が広めのマイボトルには、スープを入れて持っていく事も。途中で口にする予備食は、高エネルギーの登山向けミックスナッツ。お湯や水を加えて食べるアルファ米は持ち運びやすく登山に適している。歩きながらも水分補給ができる水筒は、チューブの先をリュックから出しておき、適宜口に含む。


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帽子やサングラス

体力が奪われるので日除けの帽子は忘れない。コンパス機能付きの多機能腕時計、サングラス、グローブ、アームカバーはもうひとつの趣味である自転車に乗る際も使用。



寝具

一人用テント。その中に寝袋を置き、寝袋の中にはマットを敷く。底冷えも防げて寝心地もよい。寝袋カバーはとても薄いのに、1枚被せるだけでとても暖かくなるすぐれもの。

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リュックなど

主にピクニック用だという布製リュックは、蓋をめくれば立派な名前の刺繍が。軽量で小さく収納できるストックは頼れるアイテム。デジタル一眼レフで美しい景色を撮ることも。

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足下

草で生い茂る山道を歩くと、露草で膝下が濡れてしまうことも。体温低下につながるため、カバーをつけて防水。靴は丈夫で足になじんだものを愛用。味わい深い色合いが、登山経験を物語る。



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雨具

山の付近は雲が発生しやすく、そして雨も降りやすい。雨具は必ず装備。カラフルな色合いのウエアの方が、悪天候や遭難時に視界が悪い場合でも目に留まりやすい。万が一も考えて。




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防寒具

いずれもリュックの中でジャマにならずに小さく折り畳めるボリュームでありながら、防寒機能は抜群。セレクトのポイントは「登山以外で使っても違和感ないもの」。シンプルなデザインなのでタウンユースOK。




(撮影・神ノ川智早 取材と文・萩原 郁)


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四家卯大
チェリスト。10才よりチェロを始める。新日本フィルハーモニー交響楽団に在籍後、ポップバンドBREW-BREWに参加し、3枚のアルバムをリリース。以降、多数のアーティストのレコーディングやアレンジ、ステージサポートCM音楽の録音、映画音楽の作編曲家としても活躍している。近年では映画「山桜」の作編曲家として、「幸福な食卓」「地下鉄に乗って」では、小林武史と共に劇中音楽の作編曲家として参加、映画「花のあと」ではストリングス演奏全般に関わっている。今年のap bank fes'10でも、Bank Bandとして出演が決定している。
http://udai.air-nifty.com/


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