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地球にも人にも優しい「自然派ワイン」

data : 2010.10.12category : 自然派ワイン
二日酔いにならないワイン?

「今日は、疲れた......。」そんなとき、あなたはどうしますか? 早く家に帰って寝る?
「そんな時には美味しいお料理を食べ、美味しいワインを飲んで、ゆっくり疲れを癒すことをおすすめします」。 そう答えてくれたのは、東京・神宮前のレストラン「kurkku kitchen」のソムリエ・木村未穂さん(独身・年齢秘密!)。

naturalwine_1_kitchen.jpgkurkku kitchenは、ap bankがコンセプトプロデュースする、自然食材を大切にするレストラン。食の安全や環境のことを考えて農業に取り組まれている生産者が丹精込めて育てた素材で、季節ごとのメニューを提供しています。一皿ごとにボリュームたっぷりなのですが、おなか一杯食べても、なぜか胃にもたれず体に吸収してしまうのが不思議。見た目、味、食後の感覚、すべてで素材の良さを実感できるレストランです。

でも、美味しいお料理があると、ついついワインも進んでしまうもの。元気を取り戻すつもりが、うっかり飲み過ぎて次の日は二日酔いに......なんて心配をする人も多いのでは?

「そこで強い味方が、自然派ワイン(*1)なのです!」と、力強く言い切る木村さん。

一体、自然派ワインと普通のワイン、なにが違うのでしょうか?

naturalwine_1_sommelier.jpg「自然派ワインは無農薬・有機栽培で育てられた葡萄を原料にしたワインです。 その製造過程で化学薬品などを使わないため、二日酔いになりにくいとも言われています。もちろん、無農薬農業ですから、環境にもいい。まさに、地球にも体にも優しいワインなのです!」(木村)

もちろんkurkku kitchenでは、料理に合わせるワインも原料になる葡萄や製造の過程にこだわる自然派ばかりを取り揃えているそう。
そこで今回は木村さんに、kurkku kitchenで味わえるおすすめの自然派ワインとそのワインと相性ぴったりのメニューを紹介してもらいました。

それぞれのワインの特徴は、この夏、ワインを愛するあまりにフランスに飛び、その造り手さんを訪ねてきた木村さんによるドメーヌ(*2)巡りのリポート記事をチェックしてください!
読んだら、飲みたくなること間違いなしです!


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naturalwine_1_1-2.jpg こちらは、フランス・シャンパーニュ地方のドメーヌで造られたシャンパン。
一般的にシャンパンは瓶詰めしてから糖分と酵母を加えてもう一度発酵をさせ、その炭酸ガスを瓶内にとじこめて造る過程で、添加物に頼らざるを得ないもの。ですが、このドメーヌでは、最初の一次発酵はもちろん、瓶内での二次発酵も葡萄に付いた天然の酵母で行っています。気の遠くなるような手間のかかる作業を繰り返し、できるだけ添加物を加えないで造られたシャンパンなのです。
kurkku kitchenで仕入れているものは、2000年のもの。10年熟成させているので、酸が落ち着いて味に丸みが出ています。もともと持っている味の要素が強いので、とても深い味わいになっています。



「Reserve Grand Cru
(レゼルヴ グラン クリュ)」


■造り手
 Andre Beaufort
(アンドレボフォール)

■産地
 シャンパーニュ地方
 モンターニュ・ド・ランス地区

■ヴィンテージ
 2000
■品種
 ピノ・ノワール80%、シャルドネ20%
■kurkku価格
 20000円(ボトルでの注文のみ)


こちらの造り手を訪問したソムリエ・木村さんによるドメーヌ紹介記事はこちら

naturalwine_1_wf.jpg このワインにぴったりのkurkku kitchenメニューは...
「チキンのガランティーヌ」

このワインと料理の組み合わせを考えるときのポイントは、以下の二つ。
(1)同じ味の要素を合わせるということ
シャンパンに感じられる香ばしさはガランティーヌを炭火で蒸し焼きにした表面の香ばしさと。 シャンパンのコクとレバーによって味にコクをつけるチキンの味と。 きれいな酸はドレッシングの酸と。ミネラルはサラダのみずみずしさとよく合います。
(2)色で合わせるということ
肉料理には赤ワイン、魚料理には白ワイン、と一般的にいわれませんか? これも色で合わせていると考えると納得。逆に、赤みのお魚には赤ワインでもよいと思います。
ガランティーヌはレバーを使ったコクのある料理。落ち着いていてかつ主張のある味わいのレゼルブ グラン クリュとは相性がぴったりです!



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naturalwine_1_2-3.jpg 通常、自然派ワインは炭酸ガスと葡萄を密閉して発酵させるという方法をとる生産者さんが多いのですが、こちらはその炭酸ガスすら加えません。葡萄をプレスして天然酵母で自然発酵させ、その時に発生する炭酸ガスを使ってワインを発酵させています。これは大変手のかかることなのでここまでやっている人は自然派でもなかなかいません。
製造の過程で葡萄の梗を除去しないので、葡萄の種をかんでしまったような少しの青臭さとフレッシュな果実味が合わさり、癒される香りのワインです。



「Patience(パションス)」

■造り手
 Christian Ducroux
(クリスチャン デュクリュー)

■産地
 南ブルゴーニュ地方
 ボージョレ地区

■ヴィンテージ
 2007
■品種
 ガメイ100%
■kurkku価格
 5500円(ボトルでの注文のみ)







こちらの造り手を訪問したソムリエ・木村さんによるドメーヌ紹介記事はこちら

naturalwine_1_2wf.jpg このワインにぴったりのkurkku kitchenメニューは...
「炭火焼野菜のマリネ」

炭火焼野菜の香ばしい香りと、除梗をしない製法のワインからくる少し粗さを感じさせる渋味がとてもよく合います。癒しを感じさせる滑らかで自然なまとまりのこのワインは、野菜の奥深くにある優しい味わいを引き出し、包みこみます。





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naturalwine_2_1-2.jpg このワインの造り手Ch La Canorgue(シャトー・ラ・カノルグ)は映画「プロヴァンスからの贈り物」の舞台となったドメーヌで、ワイン好きの間では観光スポットにもなっている有名どころ。場所はプロヴァンス地方とローヌ地方の間で、300年以上もの長い間、一族が守っている由緒あるドメーヌなのです。
ここで作られる数ある名ワインのなかでも一番人気が、この「Beret Frog(ベレ・フロッグ)」。ベレー帽をかぶったユーモラスなカエルのラベルが目印です。
シラーを主体とした濃い味わいですが、すっとしたのどごしの飲みやすいワイン。こういう味わいは自然派ならでは。
こちらはkurkkuのカフェ、mother kurkkuで飲んでいただけます。ラベルの可愛さもあり、固定ファンの多いワインで、このお目当てのお客様もたくさんいらっしゃいます。



「Beret Frog(ベレ・フロッグ)」

■造り手
 Ch La Canorgue(シャトー・ラ・カノルグ)
■産地
 ローヌ地方
■ヴィンテージ
 2007
■品種
 シラー80%、グルナッシュ15%、カベルネ・ソーヴィニヨン5%
■kurkku価格
 5500円(ボトル)
 800円(グラス)


こちらの造り手を訪問したソムリエ・木村さんによるドメーヌ紹介記事はこちら

naturalwine_2_wf.jpg このワインにぴったりのメニューは...
「鹿児島県産 肝付豚のスペアリブ 黒胡椒焼き」

濃いめの果実味と豚肉はよく合います。りんごの甘く煮た物などとよく合わせますよね。
そして黒胡椒はシラー特有のスパイシーさとあいまって素敵なハーモニーを奏でます。





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naturalwine_2_3-4.jpg Vin Doux Naturel(VDN/ヴァンドゥーナチュレル)というのは、葡萄の糖分を残すために発酵途中で強いアルコールを添加し発酵を止めるという製法。それによって、普通のワインよりも甘みの強いワインになるのです。
赤い熟したフルーツやチョコレートの香りがするワインは、お酒が苦手という人にもおすすめ。(ただ、アルコール度数は高め(15度)なので、飲み過ぎには要注意です!)味わいも香りに沿ったしっかりした甘みがあるのですが清涼感もあり、後味はわりとスッキリしています。食後のデザートと一緒に飲むのにぴったりなデザートワインです。




「Rasteau VDN
(ラストー ヴァンドゥーナチュレル)」


■造り手
 Trapadis(トラパディス)
■産地
 ローヌ地方
■ヴィンテージ
 2007
■品種
 グルナッシュ90%、カリニャン10%
■kurkku価格
 1500円(グラスのみ)





こちらの造り手を訪問したソムリエ・木村さんによるドメーヌ紹介記事はこちら

naturalwine_2_2wf.jpg このワインにぴったりのメニューは...
「チョコレートのテリーヌ」

しっかりとして後をひかない自然な甘みのあるこのワインは、デザートにもぴったりです。このヴァンドゥーナチュレルは他のワインに比べて甘さが優しいので、kurkku kitchenの口当たりの軽いチョコレートのテリーヌと、とてもよく合います。
チョコレートの甘さと、ワインのナチュラルだけどしっかりした甘味が口の中で溶け合い、メレンゲとクリームで程よく軽やかなテリーヌは、ワインとともに心地よく、その柔らかな余韻を残します。





(*1)自然派ワイン
自然派ワインには、大きくわけるとビオロジックとビオディナミという2種類があります。 ビオロジックは無農薬、有機栽培で育てた葡萄を使ったワイン。ビオディナミは、無農薬、有機栽培プラス、プレパラシオンと呼ばれる自然のものから作られた調合材を水で何百分の一に希釈したものを月の満ち欠けに合わせて畑に撒くというオーストリアの哲学者ルドルフシュタイナーの思想の元に導きだされた方法で造るワインです。 総称して一般的に「ビオワイン」と呼ばれるこれらのワインは、製造の過程で化学薬品を使わないのも特徴です。 葡萄に付く自然酵母の力を使って、酵母と葡萄の糖分を結びつけ、何も加えずアルコール発酵をします。しかしこれは発酵の過程を調整できず予想できない事も起こり、常にリスクを負いますが、その土地の特徴を最大限に引き出す事ができます。 そして濾過をしない事でワインに澱を発生させ、旨味のもとにもなるこの澱とワインを接触させることで、ワインの風味をアップさせます。そのため自然派ワインは濁っている事も多々あります。 濁りの理由として、澱によるのもともうひとつ、清澄作用のある酸化防止剤をほとんど使わないこともあります。瓶詰めの際に少しだけ加えるという方がほとんどですが、時々全く使わない方もいます。酸化防止剤を使わないということは保存がとても困難になり(常に14°以下で保存が必要になる)手間がかかることでもあります。

(*2)ドメーヌ
ブルゴーニュ地方に於けるブドウを栽培してワインを造る、ワインの醸造所のこと。ボルドー地方ではシャトーと言われる。地方ごとの文化の違いで、シャトーは比較的大人数で組織されていることが多く、ドメーヌは個人や少人数で運営されていることが多い。



<文/ 木村未穂(kurkku kitchen)、写真・構成/編集部>
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