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次世代の名シェフを生む? 「三國シェフの味覚の授業」イベントリポート

data : 2012.04.24category : イベントレポート

「Tokyo Midtown 5th Anniversary Food Relation Network by ap bank / kurkku "on the Table"」で行われたワークショップのリポート。第2弾は、東京ミッドタウン内にあるABC Cooking Studioで小学校中高学年の子どもたちを対象に開かれた「三國シェフの味覚の授業」の模様をお伝えします。



8歳頃〜12歳頃の間に、味覚のセンスは研ぎ澄まされる

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「味覚の授業」とは、日本を代表するフランス料理のシェフで、Food Relation Networkの食のプロデューサーでもある三國清三氏が長年のライフワークとして取り組んでいる「食育」がテーマの体験型ワークショップです。五感をフルに活用しながら、味覚にまつわるあれこれを学んでいきます。
今回集まったのは、小学校4年生から6年生の子どもたち約30人。教室に登場した三國シェフが開口一番「今日はテストをやります」と告げると、「えー!!」という悲鳴があちこちから......。とはいえ、テストに合格すればごほうびにお菓子を食べられるとあって、教室のボルテージは一気に上がりました。

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授業ではまず、味覚の基本である5つの要素を学んでいきます。世界中のほとんどの人々は「甘味」「酸味」「塩味」「苦味」の4味で味を感じていますが、日本人は「うま味」を加えた5味をきちんと認識できるそう。先祖代々受け継がれてきたDNAが刺激されるから、子どもでもなんとなく「これはかつお節の味、昆布の味...」とわかってしまうそうです。 「舌の上ってザラザラしているでしょう? それは味蕾(みらい)という味を感じる器官で、8歳頃から発達し、12歳頃をピークに老化していきます。みんなの脳が完成するのもそのくらいの時期。それまでに正しい味をキャッチできるようになると、『見る』『聞く』『嗅ぐ』『触れる』『味わう』という五感が敏感になって、みんなの心も豊かになっていくんです」(三國シェフ)。
だから小学生のうちに、5味を体験することが大切なんですね。味蕾は天然の味しか吸収しないため、人工的な添加物を使ったものは血にも肉にもならないと三國シェフは続けます。子どもたちはもちろん、教室の後ろで見守る参加者のお父さん、お母さんも真剣に話に聞き入っていました。

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ひと通り講義が終わったあとは、いよいよテスト。5つの食材を味見して、5味のうちのどれかを当てていくのですが、開始早々「あまみ〜!」「さんみ〜!」と正解を連発する子どもたち。最後にうま味として出されたお味噌汁も、「何からできていると思う?」という問いに「みそ」「こんぶ」「かつお節」と即座に答えを出していました。「1週間前にやった子たちはみんな難儀していたけど、今日はすばらしいです!」と三國シェフも大絶賛。こうしてひとつひとつの味の違いがクリアになると、どんな食材が使われているのかまで、敏感に感じることができるようになるんだそうです。



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晴れてテストは全員合格! そのご褒美としてみなさんに配られたのは、三國シェフがこの日のために用意したという「甘い」「すっぱい」など味の異なる3種の特製スイーツ。子どもたちが楽しそうに味わう中、三國シェフは参加者のお父さん、お母さんたちに呼びかけます。「お子さんに天然の味を感じさせる機会を、1年に一度でもいいから作ってみてください。例えば、おせち料理はきちんと出汁をとって作ってその家の味を伝えてあげてください。子どもたちは一度覚えた味はなかなか忘れませんから。まあ、理想的には毎日ですけれど(笑)」。そうやって感性豊かに育った子どもたちの中から、第二の三國シェフが登場する日も遠くないかもしれません。

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(撮影・取材・文/成田敏史、編集部)

三國清三シェフ オフィシャルサイト
http://www.oui-mikuni.co.jp/

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