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新米がつくった新米!?

data : 2010.12.06category : ONE for Nature

ONE for Nature第二回プログラム「耕す×BBQ in 耕す木更津農場 vol.2」が、11月28日(日)に開催されました。今回体験したのは、開墾中の畑の石拾いやタマネギの定植、ホウレンソウの種まきなど、人の手を使わないとできない作業。その後、前回も好評だったkurkku kitchenシェフのプロデュースによるバーベキューをみんなで調理しました。そこで今回振舞われたというのが「新米がつくった新米」こと「耕す米」。それってどんなお米? その正体を、エコレゾ ウェブが探ります!



はじめての農場、はじめての米作り


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今年からスタートした「耕す木更津農場(※)」。ここでは、長い間使われず荒れた姿になってしまった30ヘクタールの土地を開墾し、野菜や大豆などを有機農業で栽培しながら、土や生態系がもとのバランスを取り戻せるような農場づくりをおこなっています。
そんな耕す木更津農場のスタッフたちには「畑だけでなく、日本人の主食である米作りに挑戦したい!」という思いがありました。しかし、農場内に水田がないため諦めかけていたのです。そんな折、縁あってすぐ近くの農家さんから「うちの田んぼで米作りをしっかりやってみないか?」という声をかけてもらい、一念発起。米作りに挑戦することになりました。

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今回作った耕す米は「次世代の夢」という、まだ開発されたばかりの珍しい品種。まさに、農業の明るい未来を切り拓こうとする彼らにぴったりの米です。台風や病気に強く、冷めてもおいしいことが特長で、一般的に食べられているコシヒカリよりも栽培時期が2か月ほど遅いため、6月下旬に田植えを実施しました。

もちろん米作りも畑同様に、農薬や化学肥料は不使用。自然と共存できる水田作りを目指します。例えば、田植え直後の水田には、米ぬかを水面が見えなくなるほど散布しています。これは肥料としての効果だけでなく、米ぬかが水面を覆うことで雑草が抑制されるのです。こうして自然の力を借りたら、あとは人力の出番。近所のベテラン農家さんに教えてもらいながら、除草作業や水の見回りを繰り返します。

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11月上旬、実りの秋の到来です。耕す米の水田にも金色の稲穂が風になびき、いよいよ待ちに待った収穫の日を迎えました。しかし、実際は肝心の稲穂があまり実らず、収穫量は通常の1/3にも届きませんでした。

「栽培時期が遅い品種なので、今年の猛暑で全国的に発生したカメムシによる被害は少なかったのですが、収穫量が少なかった原因は肥料不足にあるようです。あれこれと手をかけられるところが限られていることも、畑とは勝手が違いました。とにかく悔しいですね」とスタッフは振り返ります。

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有機栽培の一年目は、特に肥料の調節が難しいのだそう。今回はトライアルとしての挑戦でしたが、生産性を上げるための課題が浮き彫りになり、現実の厳しさを学んだ年になりました。






昔ながらの天日干しで、米にうまみを閉じ込める


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昔はどの水田でも、刈り取られた稲穂を束ねて稲架にかけられた、天日干しの光景が見られました。しかし今では機械を使った乾燥が主流になり、自分たちで食べるぶんだけを天日干しにしている農家が多いのだそう。それは、手間の度合いが違うからだとスタッフは言います。
「コンバインを使えば、刈り取りから脱穀までがひとりで1時間あればできるところが、手作業だと天日干しするのに5人がかりで丸一日かかってしまいました」。



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しかし、稲は刈り取られたあとに、栄養分を籾(実)にギュッと凝縮させるのだそう。これは、子孫を残すための本能だとも言われています。だから、コンバインなどの機械で一気に脱穀するのではなく、穂の状態のままじっくり干す期間を作ることで旨味が増すのです。

今回の耕す米は、二週間かけて天日干しをおこない、乾燥機で最適な水分に調節してから籾すりと精米をおこなうという方法をとりました。



さて、肝心の味はいかに?


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ここまでは、耕す米ができるまでをご紹介しましたが、一番気になるのはやっぱり「おいしいの?」 というところ。そこで、ap bankとkurkkuのスタッフが集まり「厳しい舌で!」をモットーに試食会を開きました。

いつも食べ慣れたコシヒカリやあきたこまちといった品種に比べると、モチモチ感や甘さには若干欠けますが、その分さっぱりとしたキレの良さが魅力。さらに天日干しの効果なのか、草の香りがほんのり漂い噛むたびに生命力の強さが口いっぱいに広がります。ワイルドな味わいが、特に男性スタッフに好評でした。


そして、11月28日(日)におこなわれたONE for Nature第二回プログラムでは、参加者の方々に耕す米を初お披露目! 農作業後に振舞うウェルカムおにぎりと、バーベキューで作ったカレーのご飯として耕す米をみなさんに食べてもらいました。

ウェルカムおにぎりには、千葉県産の海苔を使った手作りの佃煮をたっぷりとのせて。また、スパイスをふんだんに使った深みのあるカレーとパラッとしたご飯の相性も抜群でした。参加者の方々にも好評で、食事時にはご飯を待つ行列の姿も! スタッフ一同ほっと胸を撫で下ろしました。

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生産一年目の耕す米をみなさんにも!


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その名の通り新米農家による新米だけに、まだまだ今後改良の余地あり、というのが本音のところ。ですが、「耕すの未来に繋がる一歩として、まずは今年、一所懸命作った米を皆さんに食べてもらいたい!」そんな思いから、kurkku online shopで販売することになりました。
※販売は終了いたしました。




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そのまま食べるのはもちろん、味が染み込みやすい米の特徴を活かして、カレーや丼もののほか、この季節にぴったりのきりたんぽや、鍋のあとのおじやに使うのもおすすめです。





今回は収穫量が少なかったため、数量限定でのご提供です。トライアルとして、原価より安く、購入しやすい価格となっていますので、ぜひお試しください。


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さらに、12月19日(日)に開催が決定したONE for Nature第三回プログラムでも、耕す米をご提供します。農作業のあとに食べる、釜で炊いた米の味は格別です! 当日は、寒い季節にぴったりのあったかスープメニューも決定。

募集は12月9日(木)AM10:00まで! 今年最後のONE for Nature、みなさんのご参加をお待ちしています。
※イベントは終了いたしました。




※「耕す木更津農場」とは
ap bankでは2003年の設立以来、融資活動を通じて持続可能な社会作りに挑戦する市民や団体を支援してきました。
そして2009年、ap bankが新たに設置したのが「明日(あす)ラボ」。これまでの融資という枠を超えてap bankがリスクや責任を負担することで、より主体的にプロジェクトに取り組んでいこうという思いから誕生したセクションです。
そんな思いのもと、ap bankは今年「明日ラボ」を通じた出資により、農業生産を実践する機関として「株式会社耕す」を設立しました。
生きていくうえで、食べるという行為は切っても切れません。しかし今、その食を支えている農業の現場が、さまざまな課題に直面しているのはご存知の通りです。「食」と「農」、また農産物の生産から流通、そして消費へのプロセスに正面から向き合い、私たちが思い描く未来に向かって地に根を下ろした取り組みをしていこうという志のもと、千葉県・木更津市の「耕す木更津農場」で農業に取り組んでいます。




「耕す米」購入ページはこちら↓
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※販売は終了いたしました。

ONE for Nature 第3回プログラム応募はこちら↓
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※イベントは終了いたしました。

(撮影・中野幸英、編集部 取材と文・編集部)


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