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2009年6月 3日

第2回「世界でもLED照明に切り替わり始めたばかりです」

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天井から照らすLEDライト。色が変わります。

Mr.Childrenの「終末のコンフィデンスソングス」ツアーで、ベースとなるステージライトが全て、電力を画期的に抑えるLEDライトを使い、照明 のエコに対する取り組みが始まっています。武道館2DAYSの初日5月14日、リハーサルにて、小林武史が今回の照明チーフの大竹數彦さんを訪ねたレポー トの2回目です。

小林 ステージの照明をLEDにするというのは、世界的にもまだ切り替わりだしたってところなの?

大竹 まだ、切り替わりはじめたばっかりですね。そもそも去年の今頃に海外の雑誌を見てて、レディオヘッドのツアーの記事を見つけて「へえー、こんなコンサートやってるのか」って。

小林 レディオヘッドってイギリスのバンドがいて、彼らはすごく環境問題に対して取り組んでいるんですよね。ツアーも輸送コストのことを考えて、なるべく電車で移動したり、トラックの数もぎりぎりまで減らしたり。それでレディオヘッドが去年のツアーでLEDを使いだしたんですよ。だけど、考えてみるとライブ照明ってイギリスの人たちが今までも変えてきたよね。

大竹 ムービングライトはジェネシスのフィル・コリンズが提案して開発してますし。

小林 あの、コンサートとかで照明がくるくる動いたりするやつね。今回のLEDという技術については、ある意味でレディオヘッドが声を上げて引っ張っていく形になっていて。それで、僕らもap bankをやっているから、大竹くんが「次、もし小林さんがやった方がいいって言うんであれば、LEDの機材を調べて導入したいんだけど」って言ってくれたんだよね。

編集部 LEDの照明は日本のライブステージでは、これまで使われていなかったんですか?

大竹 3年くらい前から使われている機種もありますが、それは質が良くなかったんですね。何というか、信号機みたいな照明になっちゃって、僕は踏み切れなかった。

小林 色がよくなかったの?

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ステージ後方から照らすLEDライトの前で。

大竹  うまく光の色が混ざらなかったんです。LEDはRGBっていう光の三原色、あの、赤とグリーンとブルーのLEDの発光体がいっぱいあって、その発光体の点き具合で色を変えてるんですよ。でも、僕が使わなかった機種は、ライトを見ると発光体が露骨に見えちゃってたんですよね。例えばシュールな曲がかかる幽玄なシーンを作るのに照明をアンバーにしたとしますよね。その機材だと床や人間はアンバーになるんですけど、ライトを見ると「何だ、赤と緑が点いているじゃん」ってなるんですよ。それだとお客さんも醒めちゃうと思うし、そこが僕は嫌だったんですよ。だけど、今回使っているLEDは、ライトを見てもちゃんと色が混じっている。そういう機種のことで言いますと、日本ではこのステージだけですね。

小林 実際に使ってみてどうだった?

大竹 かなりいいですね。見た目もみなさん「今までの照明と遜色を感じない」とおっしゃってくれますし。しかも色のノリとかコントラストはLEDの方が優れているので、そこはこれまでよりいい照明になっていると思います。

小林 今回のステージだと、全体のどのくらいをLEDでやってるの?

大竹 照明にも、動く照明と動かないベーシックな照明があるんですけど、ベーシックな部分は全部LEDですね。 ムービングライトもLEDのものが出ているんですけど、それはちょっとまだ使いものにならないので......。比率で言うとどのくらいなんでしょう。僕の構成としては、いつもベーシック40%、動く照明60%って感じになるんで、40%くらいはLEDライトを使っているんじゃないでしょうか。

(撮影/薮田修身 取材・文/山口浩司)

大竹數彦

1963年生まれ。23歳より舞台照明に従事、24歳でLighting Designerとしてデビュー。以降、コンサートを中心に22年間にわたり、数々のアーティスト、プロデューサーと仕事をする。小林 武史、Mr.Childrenとは1994年の夏から仕事を始め、15年の付き合いとなる。

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