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2009年6月 1日

第1回「小林さん、照明は電力使わないと出来ないから!」

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スタージの後方から照らすLED ライト、上下に動きます。左側が大竹さんです。

2009年2月14日からスタートした、Mr.Childrenの「終末のコンフィデンスソングス」ツアーで、ひそかにエコへの新しい取り組みが始まっています。それは「照明」。今回は、ベースとなるステージライトが全て、電力を画期的に押さえるLEDライトを使っています。ライブツアーにおける照明の役割、LEDのメリット、デメリットとは何なのか? 武道館2DAYSの初日5月14日、リハーサル中の楽屋にて、小林武史と、今回の照明チーフの大竹數彦さんを訪ねました。

小林 そもそも照明の大竹君には、ミスチルのライブですごい昔からサポートしてもらっているんだよね。

大竹 小林さんには、今年の夏で15年お世話になっています。

小林 いやいや。でも、僕がプロデューサーでやっているものはずっと照明の部分で支えてくれてきているから、 ap bank fesももちろん大竹君がやってくれてるんですよ。ただ、ap bank fesを始めた当時はやっぱり難しかったね。どうしても照明って電気を使わざるを得ないわけじゃない。だから、大竹くんも「僕たち照明は、電力使わないと できないから!」みたいなさ。わりとそういうエクスキューズを言ってたよね?

大竹 まあそうですね......。当初はやっぱり反発することもありました。というのは、エコに対して反発しているわけじゃなくて、照明を僕が任されているという責任から「小林さん、ライトの数はこれだけないとできませんよ」とは言いたかったんですよね。

小林 そうなのよ、もちろん大竹君にしたら「エコって言われても、僕らは表現してなんぼなんで」ってハードルは あるからね。みんなに何かを伝えるためにやっているわけで、ライトの数を減らすために照明の仕事をやってるわけじゃない。それに対して「そんなことよりエ コが大事だ!」と言ったとしたら、僕もプロじゃないしね。だけど、僕らは段階的に、少しでも持続性のある方向に向かっていかなきゃいけないという思いがあ る。それですごく試行錯誤があったよね。

大竹 特に野外フェスだと他に演出がないから、いくら昼間のライブがメインとは言え、照明って演出において重要 なものになるんです。だから職人として考えるとやっぱりクオリティーは維持しなきゃならない。ただ、もちろん小林さんや櫻井さんの活動は生でお話を聞く機会も多いですし、Webでも新聞でも目にするので、そういう記事を見るうちに自分でも「何ができるんだろう?」と模索し始めたりしました。

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フットライトがLEDライトです。

小林  いつだったか、大竹くんも「ちょっとライトの数、減らそうと思ってるんです」って言いだしたりしてたしね。そういう流れもあってMr.Childrenの 「終末のコンフィデンスソングス」ツアーは照明にLED(※)を導入することになったんだけど、そもそもLEDって技術はどこで気づいたの? 俺はいつだったかの六本木ヒルズのイルミネーションで、すごくキラキラしてるのに、消費電力はすごく小さいぞってびっくりしたんだけど。

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天井から照らすLEDライトです。

大竹  そうですね、あれは僕も見て「エコってこういうことか」と思いました。しかも、イルミネーションとして見てもクオリティーは下がってないどころか、むしろ より鮮やかになった印象でしたし。あと、僕が一番衝撃だったのは、信号ですね。ツアーでいろいろなところに行くんですけど、どんな田舎に行っても信号が LEDになってた。昔の信号は太陽が直接あたると見にくかったんですけど、今のLEDはすごく見やすくて。とはいえ、すぐに照明をLEDに切り替えたわけ ではないんです。

※1 発光ダイオード。電気を流すと発光する半導体のことを言う。90年代に青色LEDが発明されたことにより一気に汎用性が高まり、次世代の光源として期待されている。従来の光源に比べて寿命は長く、消費電力も小さい。

(撮影/薮田修身 取材・文/山口浩司)

大竹數彦

1963年生まれ。23歳より舞台照明に従事、24歳でLighting Designerとしてデビュー。以降、コンサートを中心に22年間にわたり、数々のアーティスト、プロデューサーと仕事をする。小林 武史、Mr.Childrenとは1994年の夏から仕事を始め、15年の付き合いとなる。

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