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COOL Renovation クール・リノベーション

あらゆることに環境コンシャスな現在、建築においても安易にスクラップアンドビルドを繰り返すのではなく、「古い建物」という資源をもっとみんなに喜ばれながら再生していく方法があるのでは?建物が持つの良さを再発見し、時代の変化を見据えた新しい価値を提案する、そんな「クール・リノベーション」を訪ねる。

2009.12.11 第1回CLASKA(東京・目黒)

ホテルのロビーとして、または、地域に開かれた空間として、ランチ、ティータイム、ディナー、クラブ・・シーンの変化とともに、職業も年齢も国籍も多様な人々が集まり、それぞれのカルチャーを発信した

© SATOSHI MINAGAWA

既存のイメージを残しながらもインパクトある外観

© SATOSHI MINAGAWA

窓際に水回りがある客室は後に続くホテルに多大なる影響を与えた

© SATOSHI MINAGAWA

1960年代後半に建てられ、老朽化によって使われなくなっていた一軒のホテル。この古い建物に建築やインテリア、グラフィックなど多岐にわたる分野のクリエーターたちが命の息吹を吹き込み、生まれ変わったのがこの『CLASKA』である。

まだ「リノベーション」という言葉すら一般的でなかった2003年、『CLASKA』はすでに古いものをきれいに見せるだけの改装ではなく、建物そのものが持つ特徴を生かしつつ、「どう暮らすか」を新たなコンセプトとして空間づくりを行った。

例えば17㎡のミニマムなシングルルームには窓側にバス・トイレなどの水りを配置し、透明のガラスで仕切ることで、これまでのホテルの常識をくつがえす斬新で開放的な空間を生み出した。あるいは、120㎡を超える洗練されたスウィートには、都心のホテルとは思えない広さのテラスや大勢で一緒に入れそうなほどの大きな浴室が備わり、訪れる人を驚かせる。

また、『CLASKA』の特徴として、建物そのものだけではなく、空間やそこに集う人々の生活をデザインすることまでを考えていたことがあげられる。

客室数を大幅に減らして長期滞在型のレジデンスやギャラリー、ショップを設け、ロビーにはDJブースやドッグトリミングサロンが備わるなど、これまでのホテルにはあり得なかった「暮らし」に対する提案を行った。

この試みは当時のトレンドセッター達に受け入れられ、そこから生まれた交流がまた新たな文化を発信していったのだ。
ほとんど廃墟だったホテルから「どう暮らすか」という問いを投げかけた『CLASKA』。日本におけるクール・リノベーションの先駆者として記憶しておきたい一軒である。

【DATA】
CLASKA
所在:東京都目黒区中央町1-3-18
電話:03.3719.8121
URL:http://www.claska.com/

(写真はすべて2003年竣工当時撮影)

案内人

梶原文生((株)都市デザインシステム)

1965年東京都生まれ。1992年建築・不動産コンサルティングを目的とした都市デザインシステムを創業。事業展開が難しいと言われていたコーポラティブハウスのコンサルティングで注目を浴びる。エンドユーザーの視点で、「いいもの」を創るための「しくみ」を提供しつつ、付加価値と社会的意義のある新しい選択肢を創り続ける。東北大学工学部建築学科非常勤講師。

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