HOME > 修繕ばんざい > 第2回 手を抜くのがかっこいい!?

修繕ばんざい

 

第2回 手を抜くのがかっこいい!?2009年12月15日(火)

大胆な壊れ方をしたジーンズとはこちら。

shuzen05-02-1.jpg


パックリとタテに裂けています。

今までジーンズってヨコにほつれていくだけかと思っていたんですが......。

「ここまでの裂け方だと、予想するにジーンズをはくときに
すでに穴のあいていた部分に足の先がひっかかって、
そのままズズズッといっちゃったんじゃないんですかねぇ」

体重がかかってできたものだと思うと、うなずけます。


さて、ジーンズを裏地の面が見えるようにひっくり返して、修理スタート。

まずは、ジーンズの脇の縫い目をカッターで裂いて開いていきます。

このあと、ひざ上のタテとヨコに裂けた部分を
ミシンで縫い合わせていくのですが、

その前に下準備を。

下準備につかう材料がこちら。

shuzen05-02-2.jpg


白いガーゼのような薄い布は、片面に糊のついた接着芯。

これをミシン掛けをする部分にあてがうことで、
生地の補強の役割をしてくれます。


そして、仮縫い糸の束。

これは、裂けて横糸が少なくなっている部分に糸の束を補って補強をします。

生成り色をしているものは、
なんとスタッフがコーヒーに糸をひたして用意したもの。
使いこまれたジーンズ生地の風合いを生かすためのひと工夫。
考えてますねェ!

ではでは、傷口に糸の束と、
その上からかぶせるように接着芯をあてがって、アイロン掛け。
ジーンズの裏地にピッタリと接着していきます。

裂けた傷口以外に、はき続けて生地が薄くなってきている部分にも
接着芯をあてておきます。


では、下準備ができたところで、ミシン掛けへ。

ダダーっとさっそく縫いにかかるとおもいきや、
石井さんブルーの微妙なグラデーションのミシン糸が並ぶ棚から、
1色、1色、生地に照らし合わせています。

shuzen05-02-3.jpg

「一見、皆同じように見えるジーンズの藍色は、それぞれ微妙に違うんです」

言われてみれば、なるほど。
濃いものもあれば、薄いものもある。
はきこまれて次第に色合いを変えてきているならなおさら、
微妙な色合いになってきますもんね。

「それに、色も単色ではなく、
濃淡の違う何色かが組み合わさってできているものなので、
今回は2色違う色を使います。
ときには、3・4色組み合わせることもありますよ」

糸選びにも慎重になるわけです。

色味が決まったところで、ミシンたたきがスタート。
タテにジグザグ、均一というよりもランダムに縫っていくという感じです。

タテ裂けの部分は、ナナメにもジグザグ。

この作業が続くこと十数分......。

最初に切り裂いたジーンズ脇部分を縫いとめて、

「できました!!」

まずは、修理した部分を裏側から拝見。
傷口以外の部分まで広範囲に縫われています。

shuzen05-02-4.jpg

「傷口部分だけを縫うと、
そこの部分だけが硬くなってしまうんです。
そうすると今度は他の部分に負担がかかって、
そこから裂けてきてしまうんです」

修理した以後のことも考えて、事前に補強をしているわけですね〜。


今度は裏返して、表から拝見。

おお〜!自然な仕上がり!

shuzen05-02-5.jpg

「もちろん傷を目立たなくして、修理したように見せないことも可能なんですが、
このはき崩されたジーンズの風合いを生かそうとすると
今回の裂け傷も埋め過ぎずに、加減良くとどめておくほうが自然でいいですね」


うーん、イイ意味で「良い加減」が必要なんですね。
そう考えるとジーンズの修理って、職人さんのセンスが問われて難しい!!笑

見事なタテ裂けヨコ裂け修理の一連をご覧あれ。



さて次回は、職人石井さんですらも恐怖が伴う、
スリリングな修理をご紹介。

第3回へつづく〜。

バックナンバー

page up