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第5回 真鍮の味。2009年12月 4日(金)

場所を移って1階の工房へ。

さて、今回最後の修理はこちら。

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靴の内側、かかと部分に穴が開いてしまっています。

履き続けると、靴は内側からも傷んでくるんですよね。

そして、外から見えない分、手を抜きやすい部分ともいえますよね(笑)。
ちょっと痛んでても、まあいいか〜って。

「内側の革がすれてできた穴は、ほおっておくと靴ずれの原因にもなりますし、
履いている靴下ももちろん傷みますから、気付いたら早めに修理に出していただけるとうれしいですね」

はい。すいません......。

では、こちらの修理、お願いします!
作業をしてくださるのは、松浦さんと一緒にこちらのお店を立ち上げた佐藤さんです。


まずは、穴の空いた部分をカバーする革パーツを準備。
大きな一枚革に型紙をあわせ、ナイフでカット。

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革の厚みをそぎ落として、エッジを薄くしていきます。

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今準備したパーツとかかとの内側とにボンドをつけ接着。

しばし時間を空けたあと、次は縫いとめる作業へ移ります。

ミシンはこちら。

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下の工房で見かけた重厚なミシンと比べると、
こちらはアンティークショップに置かれているような優雅で繊細な面持ち。
なんでもこのミシンは、靴修理を長く続けているキャリアのある職人さんから
譲りうけたとのことです。
靴もしかり、機材もしかり、長く愛用されたものには独特の味がありますね。

そして面白いことに、
下の工房も上の工房も、それぞれの店の雰囲気と機材とがマッチしていますね(笑)。


さてさて、こちらの作業は手回しで縫い進めます。

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それにしても、ミシンの針も糸も細いですが、靴の針穴も細いっ!

「ドレス部分は目に触れる部分なので、縫う作業にも自然と慎重になりますね」

見つめるこちら側も息を呑む作業です。

無事に縫い終わると、次ははみ出たパーツの革をカッターで切り落とします。

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その部分をクリームで馴染ませて、履いたときのあたりをやわらかくします。

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中敷をしきなおしたら......、

完成!!


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どうです? つるっとした仕上がり、穴なんてもう見当たりません!

これなら、誰かのお家で靴を脱いでそろえたときも優雅に決まります。

外側はもちろんですが、こういった自分にしか気付けない部分のメンテナンスって、
とても大事ですよね。

足元を支える靴がキレイな状態で保たれているのは、
きちんと自分を気遣える気持ちの余裕があるってこと。

うーん、私も気をつけなくっちゃ(汗)。


ところで、今さらですがお店の名前には
松浦さん佐藤さんの思いが込められているようで。

「はい。BRASSは真鍮(しんちゅう)という意味。
真鍮って最初はただの金属なんですが、
時間がたつにつれて次第と独特の風合いが出てくるものなんです。
僕らも、お客様が大切に履き続ける靴が次第と味が出るようなお手伝いしたい。
それに僕ら自身も味のある職人になりたいという意味を込めているんです」


ふんふん。
2007年にオープンしたこちらのお店自体もきっと、
これからさらに味わいを増していくんでしょうね。


雰囲気もおしゃれで、そのうえうっとりするような仕上がり。

BRASSさんにお願いすれば、修理をする前よりも
味わいのあるエッセンスをプラスしてもらえそう!(笑)。




さて、今回お邪魔しました、BRASSさんのお店情報。


靴の修理はもちろんですが、BRASSさんが厳選したお手入れグッズも取り扱っていらっしゃいます。

こちらは、オレンジから抽出した溶剤を使用し、有機溶剤を使用せず、革に優しい成分のみで造られている
シューオイルやクリーム。 さりげなくエコプロダクツです。

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ブラス シューリペア アンド プロダクツ

東京都世田谷区代田5-8-12 
営業時間/12:00〜20:00 (水曜定休日) 
Tel&Fax/03-6413-1290 
小田急線世田谷代田駅より徒歩約2分

詳しくは、こちらのホームページをチェック!

今回の靴修繕レポートはこれにておしまい。
次回どんな修理の現場にお邪魔するかは、お楽しみに。 

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