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第7回 嫁に行くなら、製本できなきゃ。2010年2月16日(火)

岡野さんが製本工房を開設してから30年。
もともとものづくりが好きだったそうですが
本に対する意識は今とは少し違ったものだったそうです。

戸棚から取り出した、写真資料をパラパラとめくりながら
岡野さんは話してくれました。

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「読むだけの本ではなく「物」としての本を見ると本への接し方が変わってきます。
フランスの国立図書館の貴重書室の本を見に行ったことがありますが、
革装丁された豪華な本の数々は一つの芸術品として扱われていて、
思わずため息が出るようなものばかりです」

岡野さんは、この所蔵を撮影するために一眼レフカメラを購入し、接写に強い専用レンズまでも購入したりとかなり思い入れもあったみたいです。

「美術工芸の本は、専門の製本師が一点制作しています。
もちろん、これほどまでに手をかけるのは中身が貴重だったりするんですが、
そういう習慣がない日本とは文化の違いがありますね」

ヨーロッパでは製本をほどこすのは王侯貴族だけではなかったようで、

「一般家庭でも、製本は読者側の仕事という歴史があって、
製本道具が嫁入り道具の一つにあったといわています。
学校の授業にも製本があったということもよく聞きます。
日本では、販売されたそのままの状態で蔵書し、
再製本して蔵書とするという考えがないのとはずいぶん違いますよね」

資料を手に、製本について話してくださる岡野さん。
だんだんと饒舌になってきているような。
その姿から本への愛情が伝わってきます。

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第8回へつづく〜。

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