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フラワーカンパニーズ

no

11

小林武史 × フラワーカンパニーズ 

結成21年を迎えたバンド、フラワーカンパニーズ。ap bank fes’10での、彼らの真に迫るパフォーマンスに心を震わせたという、小林武史との対談がここに実現した。ライブ・バンド、そしてプロデューサーとして音楽と長年向き合ってきたそれぞれの立場から、これからの日本のバンドが向かうべき道について考える。

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第3回 客離れが進む、地方のライブハウス

小林 
一方では、うまくいかなくなって潰れてしまうライブハウスも多いんですか?
鈴木 
多いですね。
グレート
最近よく聞くのが、特に地方では週末にしかライブに行かない人が多いらしくて。だから潰れるまではいかなくても、「平日はライブハウス畳んでいるんだよね」ということをイベンターさんやライブハウスの人も言ってますよね。
鈴木 
ツアーバンドもみんな土日を狙いますからね。
グレート
この間、週末に名古屋でライブに入ったら、周りのライブハウスでやるバンドも知っている人たちばかりで。これはダメだな、なんとかしなくてはと思いましたね。
鈴木 
それと、フェスの影響も大きいかもしれないです。フェスってすごくいいことだと思うんですけれど、あえて悪いところを言うとすれば、一年で一回だけライブを観ておしまいっていう人が増えてしまった。でも、あれって大相撲ダイジェストみたいなものじゃないですか(笑)。30分くらいをベスト選曲で。

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小林 
分かる、分かる(笑)。
鈴木 
本当は、ワンマンに来て欲しいからフェスに出るわけです。もちろん全力は尽くしますけれど。それがうまく還元されているときもあるけれど、そうじゃないときもある。「地元にフラカン来ているけど、こんどフェス出るからいいか」みたいな。それはそれで微妙な気持ちがありますね。
小林 
そうだね。僕らもap bank fesをやっている身で、そういう話は前々から出ていることだからね。でも、フラワーカンパニーズというバンドのライブは、かなり根っこのところから上がって元気になるから、観ていると本当に楽しくなりますよ。Mr.Childrenのファンでも、絶対に観た方がいい。実際にap bank fesでも、「大事なことはこういうことなんだ」という何かがお客さんにも伝わっていたと思います。そうしたら、10年間こういう活動をやってこられたというのを知って、なるほどな、という。悶々と生きていて出口の見えない人にも伝わるものをたくさん持っていると思うし。今、メディアがなかなかそういうことを取り上げにくい構造になっているけれど。実は、ap bank fes以外にも、いろいろなイベントをやりたいねという話をしているところなんです。また、僕たちからも声かけさせてもらいます。

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グレート
ありがとうございます。
鈴木 
ぜひ、お願いします!
小林 
そして、今度アルバムが出るんですよね。
鈴木 
はい、11月に。
小林 
亀田(誠治)君がプロデュースした曲も入っているそうで。
グレート
そうなんです。久しぶりにプロデューサーに入ってもらって。しかもあそこまでガッチリ入ってもらったのは初めてだったんですけれど、亀田さんはやっぱりすごかったですね。
小林 
へえ、どんな感じなの?
鈴木 
とにかく楽しいですよ。いわゆる、しかめっ面を絶対にしない人なんですよね。

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小林 
そうかもね。いつもニコニコしてるもんね。
鈴木 
前情報として、スピッツの(草野)マサムネさんから「亀田さんは褒め上手」ということを聞いていたんで。
グレート
どんだけ褒めてくれるんだとワクワクしちゃって(笑)。
鈴木 
そうしたらね、すごいんです。亀田さんってノッてくると踊りだすんですよ。そうすると、こっちも気分があがるんですよね。
グレート
もちろん、音楽的な指摘の鋭さも「さすが、こんなところを聴いているんだ」と思うところがあって。俺らは、結構チューニングがアバウトな方なんですけれど。
小林 
チューニングが甘いって言われたの?
グレート
そういうふうには言われないけれど、ギターも俺のベースも「チューニングが甘いと思われているんだな」というのは感じました。ハモりも「ここはちょっと汚く聴こえる」って言われて、実際にやってみたら、「なるほどね」というような。俺らのボキャブラリーや引き出しが少ないのもありますけれど。そういうところのバランスと、人間的にどう接したらこいつは気持ちよく、うまく応えるのか、というところもすぐに察知してくれるんですよ。
鈴木 
うまかったね。
グレート
録っているときには、自分たちの楽器は使っているけれど、なんとなく自分の音じゃないんですよね。「どういうふうになるんだろう? でも、ここはプロデューサーに委ねてみよう」っていう話をメンバーでしていて。そうしたら、出来上がりがあんまりにも良くて。
小林 
「最終的にこういうふうになる」っていう接合部分を考えて録るからね。単品で見ていると、木の削り方がいつもと違うから大丈夫かなと思うけれど、こうやって合わせてみると「こういうエッジになってくるのか」みたいなね。僕も(亀田君がプロデュースした新曲を)聴かせてもらったけれど、すごくいい音だったな。マイクも耳にいい感じになっていて。
 

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グレート
声の処理もすごいなと思いました。
鈴木 
たぶん風邪気味で、あの曲は録音の時に声が最悪だったんです。3回歌ったら、声がボロボロにかすれてきて。でも、いい音にしてくれましたね。できたものを聴いたら、むしろあのかすれっぽさが好きになったというか。これくらいの哀愁が出ているほうが曲に合っているなと思いました。
小林 
亀田君のいいプロデュースマジックが出たということだね。ワンマンライブも観てみたいよね。
グレート
東京では12月にSHIBUYA-AXでワンマンライブをやります。4人で、といいながら、実は9月の頭にドラムが骨折しまして(笑)。でも多分、そのころには復帰していると思うんですが。
小林 
なんで骨折したんだっけ?
鈴木 
打ち上げです。
グレート
言えないよね、酒飲んで骨折なんて(笑)。
鈴木 
大阪のフェスの打ち上げで、乾杯のときに張り切ってジャンプしたら、着地に失敗したんですよ。
グレート
くだらん理由なんです。
小林 
ドラムはね、バカが多いんですよ(笑)。
グレート
基本的にどのバンドを見てもそうですよね、ドラムがオチになっているっていう。でも、多分これがバンドを長く続ける秘訣でもあるんですよ、実は(笑)。

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(撮影/今津聡子 構成/編集部)
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フラワーカンパニーズ プロフィール

89年、名古屋にて同じ中学・高校だった鈴木圭介(Vo)、グレートマエカワ(B)、竹安堅一(G)、ミスター小西(Dr)の4人で結成。95年メジャーデビュー。2001年にメジャーを離れて活動を模索する中、ライブに開眼。自らのレーベル「Trash Records」からリリースを重ねつつ、年間100本を越えるライブを行う。2008年には、ソニー ミュージック・アソシエイテッド・レコードと契約してメジャー復帰。今年11月3日(水)には13枚目のアルバム「チェスト!チェスト!チェスト!」をリリース、また10月〜来年1月にかけて全国ツアーを開催するなど、結成21年目にしてなお快進撃を続けるスーパーバンド。
http://www.flowercompanyz.com/

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