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佐藤可士和

no

04

小林武史 × 佐藤可士和

2004年、Bank Bandの記念すべきファーストアルバム『沿志奏逢』のジャケットをデザインしたのが、今やあらゆるジャンルで「デザイン」を仕事にする、佐藤可士和さんだった。



『沿志奏逢』のキュウリイラストはどこから生まれたのか。
この5年間で変わったこと、変わらないこと、二人の対話が始まったーー。

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第5回 イメージとリアリティ

佐藤
イメージと、リアリティということだと思うんですよ。結局、イメージはイメージであるけれど、人に伝えるときにはリアリティがないと伝わらないじゃないですか。だから、イメージはやはり持っていないとだめで。
ただ、イメージがちゃんと形になっていくためには、リアリティに触れていかないと。そうしたリアリティのことを、小林さんは「瑣末な感情」と言ってるんだと思うんです。つまり、コミニュケーションしていくときに、相手に実感させる、というかリアリティをどこで持たせられるか。そういう接点を探していくことじゃないでしょうか。
たとえば、最初に話したキュウリのように。
小林
佐藤可士和の大ベストセラーになった『超整理術』、あの本を出すと聞いたとき、「それは可士和らしいな」と思ったんだよね。僕は佐藤可士和という人間と出会って、直接、いろんな影響を受けたし、『超整理術』の本も読みましたよ。「整理整頓」って、僕もよく使うしね。
可士和君も言っているじゃない、「答えを探すんじゃなく、整理整頓していたらポンッと答えが落ちていた、みたいなことがある」って。あれは、名言だよね。
kashiwa05_1.jpg
佐藤
そうですか(笑)。ありがとうございます。
小林
可士和君のオフィスに行くと、異常に整理整頓していて、ちょっと狂気を感じるくらいの状態。こんな僕でも、すごい影響を受けてますからね(笑)。


コンセプトとしての「整理」


佐藤
「整理」というのは一つのコンセプトだと思って出したんですけど、意外にインパクトがありましたね。「当たり前」って言うじゃないですか。でも実は、「当たり前」のことができている人って、あまりいない。「当たり前」は、あるべき姿で理想型なんです。

SAMURAIのオフィスがなんだか異常な感じなのは、「当たり前」の状態をキープしようとしているから。机があったら、「椅子をきれいに並べる」とか「使ったものをしまう」とか、当たり前の話で、特別なスキルのいることではないんだけれど、それを完璧になるまでやると、表現になるくらい変わった状態になる。だから、エコのことも、「当然だよね」ということができていたら、もっと良くなると思います。
小林
とはいえ、可士和君が言う「椅子が整然と並んでいるのが当たり前」だとは、僕は思わないけどね(笑)。適当にずれているほうが、「人間が使っているんだな」と思ってしまうけど。そこはさすがに、佐藤可士和ならではの一流の感覚なんだな。一人ひとりの当たり前の感覚、というのは、微妙に違うんだと思うけれど、僕も「当たり前のことをちゃんとやっているんだ」という意識はすごくありますよ。
佐藤
小林さんと僕の「当たり前」は違うと思うんだけれど、共有できている部分もありますよね。好みは全然違うとしても、「それはそうだよね」と共感できるところが。
(撮影/今津聡子 構成/エコレゾ ウェブ編集部)
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佐藤可士和プロフィール

アートディレクター/クリエイティブディレクター
1965年東京生まれ。博報堂を経て「サムライ」設立。SMAPのアートワーク、NTT docomo「N702iD/N-07A」のプロダクトデザイン、ユニクロ、楽天グループのクリエイティブディレクション、国立新美術館のVIとサイン計画等、進化する視点と強力なビジュアル開発力によるトータルなクリエイションは多方面より高い評価を得ている。東京ADCグランプリ、毎日デザイン賞ほか受賞多数。
明治学院大学、多摩美術大学客員教授。著書に『佐藤可士和の超整理術』(日本経済新聞出版社)

http://kashiwasato.com

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