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小林武史×宮本浩次(エレファントカシマシ)
フェス特別篇

ap bank fes'10 Special Talk

宮本浩次(エレファントカシマシ)

ap bank fes'10参加アーティストを迎えての特別企画、第四弾!!
「ジャンルやカテゴリーや世代というものを越えていく」。ap bank fesがずっとやろうとしていたことが、新しい形で実現しようとしている今年、エレファントカシマシの登場する意味は大きいと話す小林武史。その真意は? 久しぶりの再会を果たした小林武史と宮本浩次の新たなレゾナンスに期待が高まる対談です!

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第1回 友人であり、先輩であり、兄貴のような存在

 
小林 
本当に、久しぶりだよね。ちゃんと会って話をするのは。僕がエレファントカシマシの『ライフ』というアルバムを、プロデューサーとしてお手伝いさせてもらったとき以来かな。あれ、いつ頃でしたっけ?
宮本 
あれは、小林さんのニューヨークのスタジオでレコーディングだったんですよね。ちょうど、9.11のテロがあった時で......、10年くらい前だと思います。
小林 
そんなに前なんだね。

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宮本 
あの時は、僕がどうしても小林さんとご一緒したくて、それで......、あれ、いいんですか? こうやって僕が勝手に話してしまって......。
小林 
いいんです、いいんです(笑)今日はなんでも話してください。
宮本 
あの頃、小林さんが手がけていらっしゃったYEN TOWN BAND『Swallowtail Butterfly ~あいのうた~』が僕の愛聴盤だったんです。あと、Mr.Childrenの『深海』というアルバムなんかもすごく好きで。どうやったらこういう音になるんだろうって思っていたんですね。 僕自身、いろいろと悩んでいた時期でもあって、まあ、いつでも悩んでいるんですけど、特にあの頃は自分でもどうしていいかわからなくなってしまっている状況で、とにかく「小林さんにプロデュースをお願いしたい!」と。 いまでも覚えているのが、小林さんに初めてお会いしたときに、僕のデモテープみたいなものを聴いていただいたんですけど、その時に......
小林 
「これは宝物だね」ってね。
宮本 
そうそうそう! そう言ってもらえて、あんなに嬉しいことはなかった。僕はなにしろ小林さんとご一緒したかったので、快諾してもらえて本当にありがたかったですね。

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―― 
お互いの初対面の印象は?
小林 
とにかく、宮本君が噂に違わず、ほんとに面白かった。一緒にいると楽しい人間。ものすごくチャーミングなんだよね。で、他のメンバーが、あの......(笑)
宮本 
(笑)
小林 
なんというか、あのー、最初は何を考えてるのか......、まあ、最後まであんまりわからない感じのキャラクターなんだけれども(笑)。でも、じんわり、じんわりと伝わってくるんだけれどね。3人とも絶妙な雰囲気の持ち主で、決して侮れないような、ややもすると狂気に近いような、うっすらそんなものもはらんでいるようなね(笑)
宮本 
そうですね(笑)

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小林 
みんな元気?
宮本 
はい、変わってないです。 僕の小林さんの印象はですね。小林さんの音というのは、その愛聴していたYEN TOWN BANDやMr.Childrenの『深海』の作りから、"緻密な音"というイメージがすごくあって。こういう音は、どういう風に作っていくのかなと思って、こう、きちんとひとつひとつ組み立ててやっていくんじゃないかなと、勝手にイメージしてたんです。そしたら、いざ会って一緒に始めてみたら、小林さんはすごくざっくりしてて......。
小林 
はははは。
宮本 
いや、これは本当に驚きだったんです。とにかく僕たちバンドの持っているものを軸にして考えてくださって。で、思いつくと、ぱっとピアノを弾く。イントロが必要なものには、ぱっとそこでイントロを付ける。 アルバム『ライフ』の中に「かくれんぼ」という歌があるんですけど、あれは僕がもともとギターでやってた曲だったんですね。それを小林さんがこう、こういうふうに(勢い良くピアノ弾くふりをして)もう、こうやって、くるわけですよ。「はい! 宮本君! 歌って!!」って。
小林 
ははははは。

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宮本 
「かくれんぼ」の歌詞にしても、僕が「小林さん、歌詞ができない! どうしよう!」みたいなことを言っていたら、「君と話しているとかくれんぼしてるみたいだから、タイトルはかくれんぼだよ!」みたいな流れでしてね。
小林 
そうだったね(笑)
宮本 
なんか、すごいざっくりと進んでいるようで、でも、できあがってみると僕らのイメージしている通りでかつ、緻密なものに仕上がっている。そこに、すごく驚いたんですよ。僕らはいつものようにやっているのに、小林さんが自然に中に入ってきてくれて、話しながら、いつの間にかプロデュースしてもらっているというか。 僕らバンド全体のことを、小林さんが分かってくれていて、すっといってくれる感じっていうのが、すごくよかったんですよね。 僕にとっては音楽だけじゃなくて、人生において、小林さんにはある種、友人であり、先輩であり、兄貴みたいな存在となってもらえて。 よく飯なんかもご馳走になりましてね。ちょうど狂牛病が流行っているころだったのに、焼肉屋ばかり行ったりして。
小林 
そうそう。「こんなときは焼肉屋を助けに行かなくちゃいけない」ってね(笑)

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宮本 
誰も肉を食べていない時期に、僕ら、焼肉ばっかり食いにいくんですよ(笑)そういうのもなんか、優しさに溢れてるというか。僕はなんか、面白かったし、楽しかったんですよねー、ほんとに、いろんな意味で。楽しかったし勉強になりました。公私に渡って、小林さんとの一年だった、というか。 当時は僕の思いのたけとか、普段の暮らしのこととか、一から百まで全部小林さんに聞いてもらっていて。
小林 
そうだったね。そこら辺はぶっちゃけられないこともいろいろあったよね(笑)
(撮影/水野嘉之 構成/編集部)
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宮本浩次(エレファントカシマシ)プロフィール

1981年、中学のクラスメートであった宮本浩次・石森敏行・冨永義之の3人で結成。86年に、冨永の高校の同級生だった高緑成治が加わり、現在のエレファントカシマシとなる。88年、アルバム「THE ELEPHANT KASHIMASHI」、シングル「デーデ」でデビュー。カリスマ性あふれる音づくりと圧倒的なライブパフォーマンスで、熱烈な支持を得る。以降、精力的なライブ活動を続け、2009年にはバンド史上最多の夏フェス出演を果たす。10年3月には初の野音ライブDVDを、5月にはシングル「幸せよ、この指にとまれ」をリリース。また多くの夏フェス&イベントに出演予定。
http://www.elephantkashimashi.com/

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