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野茂英雄

no

01

小林武史 × 野茂英雄

1996年に雑誌の対談で出会ってから、10年以上の付き合いになる二人。
野球と音楽との意外な共通点から、野茂さんも興味があるという農業についての話題まで、和やかな雰囲気のなかで友人同士ならではの本音トークが展開されました。

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第3回 「野茂英雄×小林武史 農業にはパイオニア感覚が必要」

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ap bankで、今年から積極的に関わっていきたいテーマなのが「農業」。野茂さんにとっても興味深いようで、3回目は農業を中心に。十年来の気の合う友人だからこその本音トークになりました。

野茂
僕自身も農業に興味があります。そして、農業をやりたい若者が増えていくといいと思う。大人が勝手に若者 に期待するのではなくて、若者が「農業やりたい」と興味をもって、やってもらうのがいい。それをケアしていくというか、持続させるものをap bankが作るのが大事かなと。むしろ、僕らも何も考えずに農業をやっていければいいんですよね。農業ができる場所があって、そこに僕らも集まって、東京 にいる若者たちも自然に地方へ行く流れができるといいなと思います。

小林
そうだね。

野茂
続けていくことが第一だと思いますし。

小林
面白かったり、先を示してあげられるような仕組みを作ってあげることは大事だよね。

野茂
うーん、面白くなるかは、10年先になってもわからないですよ(笑)。

小林
10年、面白くなくて続くかな?

野茂
でも、そこは若者に合わせちゃダメなんじゃないですかね。やることないから農業をやると決めたやつに、最初から「これだけやったら、こんなことがありますよ」という特典みたいなのを与えるのもどうかなと思います。

小林
特典を与えるとは思ってないけれども。野茂君が言っているのは、「やるなら、一生懸命農業をやれ」という ことだよね。でも、今の日本で農業をやる難しさっていうのもある。僕もこの前、野茂君と会ってから、いろいろ考えてみたら、「あ、これだ!」という問題点 が分かったようにも思うんだよ。やっぱり「農業を続けていくことで、見えてくる方向性があるんだ」って部分がないとね。甘やかすわけではないけれど、なか なか続かない、というか、農業に入らないだろうなという気もするんだよね。

野茂
例えばアメリカに行ったとすると、一人で海外に行けば当然日本語も話したくなるし、話し相手もほしくなるでしょう。そういう環境を作ることも大事だと思うんですよね。

小林
ああ、そうだね。

野茂
そういう厳しい環境だからこそ、一人で寂しいから友達がいるといいな、とか、結婚して家族も作るだろうし、子どもができるだろうし、そうすれば子どものために働こうという気持ちにもなってくるんだと思う。

小林
「何もないけれど、行ってみろ」と。アントニオ猪木の「行けばわかるさ」だ(笑)。

野茂
だから、そこにap bankは、農業を続けていけるものを作っておく。

小林
なるほどね。それはいい話だね。ちょっとアメリカのフロンティア・スピリットにも通じるような、開拓者の 発想だね。野茂くんはミスター・パイオニアだからね。でも、確かにそうかも。今の日本の農業って、みんなでああだこうだ言って、悪いところを探したり、い いとこを残そうとしすぎてるかもしれない。そうじゃなくて、とにかくやれと。やりながら考えて、自分で道を切り開けと。

野茂
まずは行くことですよね。人が集まってくれば街もできるし、子どもができてくれば、近くに学校を作ろうとか、そこから必要なことが見えてきて、声があがるでしょうし。

小林
今の野茂君の話は、今日の結論みたいな話だよね。たしかに今の日本は、みんなでよってたかって、心配して 色々なことを言っているうちに、そこそこのサイズを自分たちで測りだしてる若い子が増えている感じじゃない。そうじゃなくて「なんでお前らサイズを自分で 決めるんだよ」っていうか、「今まで大型サイズだったけど、これからは中型ぐらいじゃない。高望みしちゃダメだ」って、結果的には言っているんだよね。僕 もつい言ってるかもしれない(笑)。「鬱の時代だ」とかね。「そんな躁な状態が続くわけでもないし」とかね。僕が鬱なわけじゃないよ。でも「あんまり期待 しすぎてもダメだ」ってことを、僕も言っているところもあるかもしれないね。だからといって、「繁栄が続くから楽観的に生きろ」と言うのは嘘だし。

野茂
選んだ以上は、その人たちにとっては農業しかないはずですからね、最終的に。だから、まずはやって、やっ てる間に楽しかったり寂しかったり、友達が欲しくなったりしていく、そこを誰かが肩代わりすることはできないと思うんです。でも、農業という産業自体は続 いていかないと、そういう個人の頑張りの意味がなくなってしまうといけないから。そこを整備することを、ap bankにやってほしいなと思います。

小林
パイオニアの言葉だね。野茂君が行ったあとに、大リーグで成功していてる人はたくさんいるけれど、やっぱり開拓したのは野茂君だよね。農業には、野茂君のようなパイオニアがいっぱい必要なんだと思う。
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野茂英雄プロフィール

1968年大阪府生まれ。1987年 新日鐵堺に入社。1990年 プロ野球近鉄バファローズ入団。1995年ロサンゼルス・ドジャース入団。その後、ニューヨーク・メッツ、ミルウォーキー・ブルワーズなどメジャーリーグ各球団に在籍。2008年7月、現役引退を表明。 NOMOベースボールクラブ理事長。

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