HOME > SERIES > エコレゾ トーク > フェス特別篇 小林武史×THE BAWDIES

小林武史×THE BAWDIES
フェス特別篇

ap bank fes'10 Special Talk

THE BAWDIES

ap bank fes'10参加アーティストを迎えての特別企画、第二弾!!
「接点」や「繋がり」が全くないんじゃないかと思っていたお互いの存在が、ふとしたきっかけが縁となって、出会い、繋がってゆく。「ap bank fes’10」3日目、7月19日のBAND ACTに登場するTHE BAWDIESと小林武史の関係もまたしかり。世代やキャリアの違いを超えて、「音楽」が結びつけた対談がここに実現した。さぁ、この初対面を機に、どんなレゾナンスが起こるのだろう……。

  • 1
  • 2
  • NEXT

第1回 「自分が受けた衝撃をみんなにも伝えたい」

 
小林 
僕がTHE BAWDIESの存在を知ったのは、つい半年くらい前なんですよ。 あるTV番組に彼らが出ているのをたまたま観て、「なんなんだ、このバンドは!」、と。その衝撃的な感覚が全てでしたね。でも、その時点では、僕がその番組を途中から観たというのもあって、バンドの名前がわからなかった。で、あとでうちのスタッフに、「あの番組に出ていたバンドで、英語で歌っていて、ボーカルの声がハスキーで、めちゃくちゃうまいバンドはなんていうバンドなの?」って聞いたら、THE BAWDIESというバンドだ、と。
ROY(以下、R) 
 
TV番組とはいえ、僕らのライブを観て、小林さんにそう思ってもらえたのはすごく嬉しいです。

talk_bawdies_1_01.jpg

小林 
で、そののち、今年から「ap bank fes」はバンドにもっと参加してもらってパフォーマンスしてもらおうよ......っていう話に櫻井(和寿)となった時に、僕がまたしても「ほら、あのバンド! あの英語で歌っているバンド!」って言い出したという(笑)。
―― 
THE BAWDIESのみなさんは、これまで"小林武史"に対して、どんな印象を持っていたんですか?
MARCY(以下、M) 
 
僕は小林武史さんのお名前はもちろん知っていたんですけど、Mr.Childrenのプロデューサーさんっていうことくらいしか知らなくて......。

talk_bawdies_1_02.jpg

小林 
いやいや、僕はこんなヤツです(笑)。
M 
(笑)。
TAXMAN(以下、T) 
 
僕は小学生の頃からMr.Childrenが好きで。なので、今、Mr.Childrenのプロデューサーの小林武史さんと一緒に自分が話しているというのが、とても不思議な気持ちですね。
R 
小林さんは僕らが楽器を持つ前からMr.Childrenさんとずっとやっていらっしゃるので、雲の上の存在でありつつも、ビートルズにとってのジョージ・マーティンのように、常にMr.Childrenの横にいるイメージがあって。自分たちがそうそう出会える人じゃないと思っていただけに、僕らの存在に気づいてくれたっていうことが凄く嬉しかったです。
JIM(以下、J) 
 
僕も小林さんはMr.Childrenの......っていうイメージが強くて。正直言って、自分たちが接点を持てるなんて考えたこともなかった(苦笑)。なので、今回、お話ができる機会が持てるなんてとても嬉しいです。

talk_bawdies_1_03.jpg

小林 
今日、THE BAWDIESと僕は初対面なんだけど。みんなちゃんと喋れる人なんだっていうのに、今、僕は驚いてるけどね(笑)。ところで、ROYくんは桑田佳祐の声に似てるって言われるでしょう?
R 
ええ。"日本語で歌ったら桑田さんのようになるんじゃない?"ってよく言われますね。
小林 
僕が彼らにまず聞いてみたかったのは、なぜ英語で歌おうと思ったのかっていうことで。
R 
僕らは日本語で歌うのをイヤがっていると思われていることがよくあるんですけど、全くそんなことはなくて。英語で歌おうと思った理由の一つは、まず僕らが影響を受けた音楽が、僕らが生まれる前や僕らが生きている時代に全盛期ではなかったロックンロールだったっていうことが大きいですね。それを聴いた時の衝撃が大きくて、僕らは自分が受けた衝撃をストレートにみんなに伝えたいっていう気持ちが、英語で歌おうと思った理由のひとつだったんです。
でも、まず僕らがアメリカのロックンロールをそのまま演奏して歌うことがちゃんとできていないことには、アメリカで生まれた音楽を自分たちが吸収して、自分たちらしく表現できないと思ったので、それらの音楽をカバーするのではなく、ひたすらコピーしまくっていて。ただ、徐々にサウンドとしてのオリジナリティーをようやく出せるようになって来た時に、そこでさらに日本語で歌うということが難しいことだと気づかされたんです。日本語でやるということは、僕らが必ず挑戦すべきことだとは思っているんですけど、今の僕らはまだその段階まで来ていないと思っていて......。
あと、もうひとつの理由は、ロックンロールの最初のピュアな部分は、みんなが笑顔になって、汗をかきながら踊っているっていうダンス・ミュージックの部分だと僕は思っているので、ロックンロールっていうものにそこまでのメッセージ性をあまり込めたくなかった。特に日本においては、いろんな音楽があって、いろんな考えさせる音楽がいっぱいあるけど、僕らが今やるべきことはそういうものじゃなくて、考える前に、感じたままに体が動くということを重視した音楽だ、と。そこで歌詞が考えさせるものだったり、すぐ耳に入ってくるものだと、まず頭を経由してしまうから、最初の"動く"っていう一歩目が遅れてしまう。特に今はメッセージを込めて歌わなくても、僕らの音楽は表現できるかなって思っているんです。
小林 
おぉ~。100点満点の話だね(笑)。
僕も勝手にだけど、そういう理由なのではないかと思ってたんだけど、そこまで明確に認識して自分たちの音楽をやっているんだね。

talk_bawdies_1_04.jpg

R 
僕らって意外と真面目で(笑)、体育会系なんです。
小林 
何かスポーツをやってたの?
R 
学生時代に部活でバスケをやってました。僕らが音楽を始めたのは大学からなんですけど、それまで部活をやっていたもんだから、基礎をしっかりやらないと試合には出られないっていう道筋みたいなものが、音楽をやるにしてもあったんだと思いますね。
小林 
ロックンロールにも50年代とか60年代とか、いろんなルーツがあるんだけど、どのあたりのコピーから入っていったの?
R 
みんなでCD屋さんに行ったときに、たまたま店内に流れていたのが、60年代のザ・ソニックスっていうガレージ・バンドだったんです。でも、その時は彼らが昔のバンドだとは知らなくて、"すげぇバンドがデビューしたな""これは話題になるぞ"と思って、彼らのCDを買って帰ったんです。でも、いくら彼らのことを調べてみても、ぜんぜん情報が出てこなくて......。あとになって40年以上前のバンドだった知って、自分の親より上じゃん!って、ビックリでした(笑)。で、彼らのルーツであるリトル・リチャードの歌い方がもの凄くて、僕はこれをやろう!と決めたんですよ。
小林 
僕が聴いてきた音楽よりさらに古い時代の音楽から入っていたんだね。
R 
ザ・ソニックスなんて、昔のバンドだけど生々しくて、激しくて、カッコいいバンドなのに、僕らの世代も今の若い子たちもこのバンドの存在を知らない。でも、一度でも聴いたら絶対に夢中になれる音楽だと思っていました。
小林 
でもさ、自分たちの周りにそういう傾向の音楽を聴いて、やろうとしていた人っていた?
T 
いなかったです。

talk_bawdies_1_05.jpg

M 
だから、そういう音楽の話ができる友達はできなかったですね(笑)。
小林 
きっと"君たち、何やってんの!?"なんて思われていたんだろうね(笑)。THE BAWDIESは、最近の日本のバンドや音楽が向かっている何か......、その方向性とは違うところにモチベーションを持っている異質さはあるよね。でも、今の日本の音楽がメッセージや言葉を伝えるっていう役割を持っているっていうのも、世界のミュージック・シーンから見れば独自で特殊なものではあって。それは日本文学的なものの影響とか、他にもいろんな理由はあるんだろうけどね。大衆音楽の中に文学的な要素が混ざり込んでいるっていうのは、結構、希有な音楽だし、しかもそこがさらに簡略化されてきちゃっているから、音楽のダイナミズムみたいなものが失われてきたことで、これから先どこへいけばいいんだ......っていうのはある。まぁ、日本人はカテゴライズするのが好きだからね。ただ、言葉で理解していくことを良しとすればするほど、感覚的なものがどんどん退化しているんじゃないかっていう思いがある中で、ロックンロールのような音楽が持っている初期衝動がとても大事なものになってくるだろうし、僕はそういう衝動はどんな時代であろうと失われるわけはないと思ってるんだけどね。彼(MARCY)のドラムの叩き方を見てると、ホント、そういう衝動的なものを"こいつ、わかってんなぁ"って思った。スネアに対する体の位置とか、リムショットを鳴らしにいく感じとか、"そう、これだよ!これ!!"って感じだった。
M 
ありがとうございます!
(撮影/水野嘉之 取材・構成/松浦靖恵)
  • 1
  • 1
  • NEXT

THE BAWDIESプロフィール

唯一無二の圧倒的なボーカルを武器に、メンバーが敬愛するリズム& ブルース/ロックンロールのルーツを昇華した楽曲、誰もを楽しませてくれるライブが各地で噂を呼ぶ。2009年4月、NAOKI (LOVE PSYCHEDELICO)初プロデュースによりメジャーデビュー。2010年4月にはセカンドアルバム「THERE'S NO TURNING BACK」を発売。現在40本にも及ぶ全国ツアーを開催中! 今もっとも目が離せない「世界基準」の最新型ロックンロールバンドである。
http://thebawdies.com/

page up