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矢沢永吉

no

03

小林武史 × 矢沢永吉

5年目を迎えた、ap bank fes’09のシークレットゲストとして、圧倒的な存在感を示した、矢沢永吉さん。

新しいアルバム『ROCK'N'ROLL』をリリースし、驚くほどのパワーで走り続けている矢沢さんに、「ap bank fesでの矢沢さんは完璧だった」と語る小林武史が、待望のインタビューをしました。

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第5回 「僕が花が好きだって知らないでしょ!」

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5回目は、最近の話題のキーワード「草食男子」。小林が、「矢沢さんは、草食系な部分がある気がします」という質問に、「すごくあります」と矢沢さんが即答。いったい、どんなところが草食なのでしょうか?


小林
最近、「草食男子」などと言われますが、矢沢さんにも、とても繊細な、草食系な部分があるような気がするんだけれど。
矢沢
すごくあります(笑)。
小林
矢沢さんが草食系の話、告白ですね(笑)。
矢沢
僕が、花が好きだって知らないでしょ。これを言うと、みんなはびっくりするけれど、本当に好きなの。花の種類や名前をわかっているか? と言われると、なんにも知らない。ただ、花が飾ってある部屋が好きなんです。
うちの奥さんは、僕の部屋の花係。今の時期、花がすぐにダメになるじゃないですか。奥さんは2、3日に1回は花を取り替えてますよ。花はいつも飾ってくれている。
でも、僕のイメージにあんまり合わないんですって。「ええ?」ってみんな言うけれど、「僕が花好きだとよくないんですか?」と聞くと「そんなことはないですよ、意外だったから」と答えるけれど。

だから「草食系な部分がある」というのも、意外と間違ってないんです。花がある雰囲気が好き、仕事はバリバリしたい。酒は溜めて飲むとうまい。これしかないような気がするな。
小林
僕もあの日、矢沢さんが出たあとに飲んだビールは美味しかったですよ。
矢沢
俺も、飲みたかったな(笑)。
小林
また、バシッと風のように去っていく矢沢さんの気持ちがわかるんですよ。今日はこうやって、話してくだ さってますが、ap bank fesで演奏してね、最高の一瞬でしょ。たぶん矢沢さんにとってはステージですべてが完結しているから、終わってから、グダグダ言うのは違うんじゃないか、と。帰られるときも、カメラやスタッフにすごい気を遣ってらした、という話をあとで聞いて、そこまでも一貫して矢沢さんのパフォーマンスで、あとはオフなんだろうな、と思ったんです。それが良いんですよね。
矢沢
毎年、武道館で5DAYSのライブをやるんですけれど、最終日に打ち上げをするんですね。アメリカやイギリスに帰るミュージシャンもいるし、「みんなお疲れさん! 良かったね!」ってやる。それが嫌でね(笑)。

僕は早くその場から出たいの。何なのかな? すべてが終わったとき、一人になりたいんですよ。「あー、終わったな」って味わいたいんだけど、ワイワイガヤガヤとハグして、「気をつけて、明日飛行機に乗って帰れよ」って言いながら、いつ出ようかと思って、ソワソワしてるね。
出てひとりになると、ホッとするんですよね。「コンサートが終わったな!」って感じ。
小林
わかる気がする。フロントマンはみんなに助けられながらやるけれども、プロデューサーは孤独だから。矢沢さんはプロデューサーとフロントマンが、奇跡的に一つになっているという成長のされかたをしている人だから。
矢沢
おー、嬉しいね。
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小林
矢沢さんは稀有な人ですよね。完璧だから。たとえばap bank fesのリハーサル、短かったですよね。矢沢さんは僕とリハーサルを3、4日かけてやったところで仕方がない、そこで疑ったって意味がないこともわかって いるから、見切りがものすごくできているんだと思いました。

「この連中は心を持ってるから、ちゃんとベストを尽くしてくれればいいんだ」って、簡単に見切って、そうすると、あとは矢沢さんのフィールドの話になるから。矢沢さんがイメージしたとおりにベストを尽くしたら、振り返って「いやー良かった、頑張ったな」と言って一人になるっていう感じですよね。
僕もプロデューサーなので、あんまり人と分かち合えないんですよ。
矢沢
自分で消化したい、というところはありますよね。だから、さっさと一人になりたい。
そういえば、僕、ap bankのことは、出たあともしばらく話してたかな。
言ってくださっているというのを風の噂で聞いて、本当に嬉しかったです。
矢沢
人からも聞かれるし、自分も言いたいし。僕は、ROCK IN JAPANやRISING SUN ROCK FESTIVALも出たけれど、ap bank fesにはひとつ違う味がありますね。カラーがありますよ。
小林
ap bank fesにとって、今年は歴史的な年だったと思うけれど、その中でも矢沢さんのパフォーマンスは、とんでもなかったんだと思います。僕が言うのもなんですが、矢沢永吉の良い部分が出ていたんじゃないか、という気がしました。
矢沢
僕はラッキーでしたよ。本当に、いいところを引っ張り出してもらったなと思いますね。
(撮影/今津聡子 構成/エコレゾ ウェブ編集部)
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矢沢永吉プロフィール

1949年、広島県生まれ。1972年、キャロルのリーダーとしてデビュー。1975年、「アイ・ラヴ・ユー、OK」でソロデビュー。以来、日本のロックの頂点に立ち続ける。2009年8月、アルバム『ROCK’N’ROLL』をリリース。60歳記念ライヴ“ROCK'N'ROLL IN TOKYO DOME”では、5万人の観客を圧倒した。

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