小林武史によるダイアリー。日々の出来事や、現在進行中のプロジェクトについて、今考えていることなどを綴ります。

レコーディングの合間

2010.01.28 21:45

今日もレコーディングをみっちりやっております。
これを誰のレコーディングなのかと聞かれると、
「リリースが...」だとか、何がどうのこうのとあって
ここが一応言えなかったり。
というか、言わぬが花だったり。

つまり、諸々お楽しみにね、というのが
我がマネジメントチームとの総意でありまして、
これにはいくら社長の私としても、
歯向かうわけにはいかないのでした。
まぁ皆さんに喜んでもらえるよう、
日々精進していくということで勘弁してやってください。

ところでこの数日前から、
スタジオに新しいピアノがきているんですよ。
しばらく映画モードでなまっていた体が
いきなり目覚めて喜びまくるほど、
これが当たりのピアノでね。
FAZIOLI(ファツィオリ)っていうんです。
きっと誰も知らないと思いますが、
ルックスも格好良いんです。
グランドピアノのふたを開けると、中がシルバーなんです。
通常ってゴールドじゃないですか。
それがシルバー。これが格好良い。

イタリアの新進気鋭のピアノメーカーなんです。
某ピアノメーカーが、今後生産し続けるのは検討するかも、
と言いようなウワサ話を耳にする昨今、
職人の技がこういう伝統的な楽器製造に
参入してくるなんて、すごいなと思っています。

いずれにしても、演奏というスタジオワークが楽しい一日です。


kobayashi_0128.jpg
これがFAZIOLIのピアノ


ふと考えたこと

2010.01.27 20:48

レコーディングスタジオでの作業はオフだったけれども、
曲作りなどなど、盛りだくさんな一日でした。

ちなみにこれから音楽業界のお偉いさんと言うか、
いくつかのプロダクションの方たちとの食事会があります。
デジタルの洗礼を浴びて、
昔に比べると、あまりCDが売れなくなっている音楽業界を、
小売り側からの意見も含めた
これからの音楽業界的な話になるのでしょうか。

最近、某家電量販店が閉店して
ファイナルセールに群がったりしている人を見たり、
一方で、ものすごい勢いで会社拡大している
量販店の話を聞いたりすると、
それはそれでしょうがないんだけれど、ふと考えてしまいます。
つまり、すごく象徴的な話だと思うわけです。

例えばユニクロのように、
商品の良さと安さがセットになっていると
まだ境界線が曖昧なんだけど、
昨今の量販店、激安店系の隆盛と衰退を見てると、
お金があって、より大量に安く仕入れられるものが
どんどん勝っていくルール、
ほんのちょっとでも体力がなければ
そこから人が離れていってしまうというルール、
そこにものすごくネットを使って、
的確に判断ができるようになった消費者、つまり僕たち、
という感じですよね。

なんだか資本主義の行き着いた先の
裸の状態を見るような思いだったりします。



kobayashi_0127.jpg
食事会に行ってきます


スタジオ作業

2010.01.26 23:58

お昼からレコーディングで
ずっとスタジオにこもっていました。
非常によいコンディションで楽しいのですが、
さすがに少し疲れました。

明日も午前中からエコレゾウェブの会議といった
定例ミーティングがあるので、
今日のところはこのへんで失礼いたします。。


kobayashi_0126_c.jpg
さっきまで弾きまくっていたピアノ



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小林武史

音楽プロデューサー、キーボーディスト。Mr.Childrenをはじめ、日本を代表する数多くのアーティストのレコーディング、プロデュースを手がける。映画『スワロウテイル』(1996年)、『リリイ・シュシュのすべて』(2001年)、など、手がけた映画音楽も多数。2010年の映画『BANDAGE(バンデイジ)』では、音楽のみならず、監督も務めた。03年、Mr.Chilrenの櫻井和寿、音楽家・坂本龍一と自己資金を拠出の上、一般社団法人「ap bank」を立ち上げ、自然エネルギー推進のほか、「ap bank fes」の開催、東日本大震災の復興支援など、さまざな活動を行っている。