小林武史によるダイアリー。日々の出来事や、現在進行中のプロジェクトについて、今考えていることなどを綴ります。

収益の使い方

2011.09.30 20:06

ap bank主催として行ったミスチルの宮城公演の収益は、
ap bank Fund for Japanに入れて、東日本の復興支援基金として、
これから有益なことを選んで使っていきたいと思っています。

僕らもできるだけ早く有益なことを見つけたいと
日々努力はしているのですが、これがなかなか簡単でもないのです。
これは、今年のap bank fesの利益の使い方に関しても、同様のことが言えます。

宮城県の村井知事などとも話すのですが、
日本全国が早い復興を望んでいるのは重々わかってはいても、
今回は被災の規模があまりにも大きいため、
一から本当に数百年後のことまで考えた長期プランを立てた上で
復興していかなければならないことがあって、
何にお金をまわしていったらいいのかは、
まだいろいろ検証の必要があるということも、
今の段階の現実なんだと思います。

なので、僕たちとしても、できるだけ有効にこのお金を使っていきたいので、
この件に関しては、もう少し腰を据えて取り組んで行きたいと思っています。
いろんなことが確定したら、必ずホームページなどでアップしていきます。




Food Relation Network

2011.09.29 20:56

そういえば、このミスチル宮城公演の主催は、ap bankということで、
ap bank fesなどでやっているフードエリアを、ここでも再現しました。

これは同時に、Food Relation Network(フード リレーション ネットワーク)
という、僕たち(ap bankやkurkku)の新しい試みでもあって、
それのイベントとして記念すべき1回目ということにもなりました。

ap bank fesでもお馴染みですが、
笹島シェフ率いる京都の「イル・ギオットーネ」や、
山形の奥田シェフ率いる「アル・ケッチァーノ」、
僕らの「kurkku」、そして、東北の出店者の方々も参加してくれました。

Food Relation Networkと言うと長いので、
これから「FRN」と表記しますが、FRNは、僕たち人間が、生き物が、
生きていくことの大前提の「食」というものと、どう循環しているのか、
どういう風に繋がっていけばいいのかを、もっと見えるかたちで、
もっと楽しめるかたちで、僕らがもっと関心が持っていける方向に
仕向けていきたいなという思いで、
ずっと続けていこうと思っているプロジェクトです。

kurkkuをつくった時から、そしてap bankをつくった時からも、
いつかはこういうことができるといいなと思っていました。
ap bankやkurkkuも、「耕す」も立ち上げたり、随分生産者の方々や
有名シェフや業界の方々から認知されるような存在になってきたので、
なんとか皆さんと一緒に、日本の「食」や「農」を
盛り上げていきたいと思っています。

ちなみに、FRN第1回目となる今回の宮城公演も、
ミスチルだけの公演ではあったけれど、
早い時間から多くの人が集まってくれて、
売り切れ店続出という結果に終わることができました。
ありがとうございました、と同時に、これからもよろしくお願いします。
これからもぜひ注目してください。
ちなみに、次回は10月末、そして11月頭に続けて東京で行います。

情報はまた追って発表します。



打ち上げ花火

2011.09.28 23:53

2日目の最後、すべてが終わった後、花火が上がりました。
実は2日目の会場入りする時に花火が上がると聞いて、
僕は「そんなこと聞いていない」とスタッフに電話を入れ、
「なんでそんなこと勝手にするのだ」と、
やや語気を荒げた電話をしたのですが、
実は全くの見当違いで、僕がやろうと言い出したことでした。

花火はお金も掛かるし、今回は東北復興のために
利益が出たらまわそうと思っていることもあり、
少し躊躇うところがあるのですが、
実は広島公演の時にスタッフと話していて、
「ニシエヒガシエ」で、これまでに何度か使っていた特効というか、
「バン!」というやつあるでしょ?
あれを追加でやるかどうか、考えていたのです。だけどその後、
今回は「Everything is made from a dream」に繋げるための
「ニシエヒガシエ」でもあり、 特効は無しでいこうと話し合い、
その分の浮いたお金を最後に花火を上げた方が
このツアーらしい、と、僕が言ったのでした
(スタッフも笑いながら、内心困惑していたと思いますが、
最近こういった物忘れがちょいちょいあります)。

まぁもちろん考え方次第ということなんだけれど、そういったことです。
2日目に行った人は、楽しんでもらえたと思います。
そうじゃなかった人は、どうかご理解ください。

いずれにしても、今後ap bank fesも含めて、
上がってきた利益は、大切に東日本の復興に使わせてもらいます。



小林武史

音楽プロデューサー、キーボーディスト。Mr.Childrenをはじめ、日本を代表する数多くのアーティストのレコーディング、プロデュースを手がける。映画『スワロウテイル』(1996年)、『リリイ・シュシュのすべて』(2001年)、など、手がけた映画音楽も多数。2010年の映画『BANDAGE(バンデイジ)』では、音楽のみならず、監督も務めた。03年、Mr.Chilrenの櫻井和寿、音楽家・坂本龍一と自己資金を拠出の上、一般社団法人「ap bank」を立ち上げ、自然エネルギー推進のほか、「ap bank fes」の開催、東日本大震災の復興支援など、さまざな活動を行っている。