小林武史によるダイアリー。日々の出来事や、現在進行中のプロジェクトについて、今考えていることなどを綴ります。

ふと考えたこと

2010.01.27 20:48

レコーディングスタジオでの作業はオフだったけれども、
曲作りなどなど、盛りだくさんな一日でした。

ちなみにこれから音楽業界のお偉いさんと言うか、
いくつかのプロダクションの方たちとの食事会があります。
デジタルの洗礼を浴びて、
昔に比べると、あまりCDが売れなくなっている音楽業界を、
小売り側からの意見も含めた
これからの音楽業界的な話になるのでしょうか。

最近、某家電量販店が閉店して
ファイナルセールに群がったりしている人を見たり、
一方で、ものすごい勢いで会社拡大している
量販店の話を聞いたりすると、
それはそれでしょうがないんだけれど、ふと考えてしまいます。
つまり、すごく象徴的な話だと思うわけです。

例えばユニクロのように、
商品の良さと安さがセットになっていると
まだ境界線が曖昧なんだけど、
昨今の量販店、激安店系の隆盛と衰退を見てると、
お金があって、より大量に安く仕入れられるものが
どんどん勝っていくルール、
ほんのちょっとでも体力がなければ
そこから人が離れていってしまうというルール、
そこにものすごくネットを使って、
的確に判断ができるようになった消費者、つまり僕たち、
という感じですよね。

なんだか資本主義の行き着いた先の
裸の状態を見るような思いだったりします。



kobayashi_0127.jpg
食事会に行ってきます


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小林武史

音楽プロデューサー、キーボーディスト。Mr.Childrenをはじめ、日本を代表する数多くのアーティストのレコーディング、プロデュースを手がける。映画『スワロウテイル』(1996年)、『リリイ・シュシュのすべて』(2001年)、など、手がけた映画音楽も多数。2010年の映画『BANDAGE(バンデイジ)』では、音楽のみならず、監督も務めた。03年、Mr.Chilrenの櫻井和寿、音楽家・坂本龍一と自己資金を拠出の上、一般社団法人「ap bank」を立ち上げ、自然エネルギー推進のほか、「ap bank fes」の開催、東日本大震災の復興支援など、さまざな活動を行っている。