小林武史によるダイアリー。日々の出来事や、現在進行中のプロジェクトについて、今考えていることなどを綴ります。

咲いて散る

2010.07.01 01:37

そういったわけで惜敗でしたね。
僕もその他大勢のにわかサッカーファンとして
テレビ観戦していましたが、
でも、日本人にある意味見合った終わりだったなというか、
選手の涙に感傷的になった人も多いと思います。

僕が昨日言いたかったのは、
もし日本が負けたらこの平均視聴率50%後半である
超盛り上がりのサッカーブームが当然のように消えていくわけで、
そして多分これからあっけなく引かずに
サッカー人気を繋いでいきたいと思う人も多いんだろうけど、
きっとみんなこの盛り上がりを、
ほぼ忘れてしまうんだろうなと思うわけです。

これ、ネガで言っているわけじゃないんですよね。
よく日本人はブームに弱いと思うし、
ブームで終わってしまって、
調子よく盛り上がると言われるじゃないですか。
だけど、今回のサッカーの盛り上がりの中にも、
僕はこれでいいんじゃないか、と。

いい意味で日本人らしさを感じていたような気がするんですよね。
それは「咲いて散る」みたいな、儚さとその裏表のお祭り感覚、
そんな美意識とでも言いましょうか。
大げさに言えば「死」を内包した
「生きる」みたいなことがあるっていう感じなんですかね。
応援していた日本人も「自分ごと」みたいなことを
ちょっと超越していたように思います。
今回は特に日本代表チームとしてのまとまり、
チームワークが出ていたかもしれません。

そういえば、テレビのアナウンサーがPKが決まった瞬間、
二言目に「日本、散った!」って言ってましたよね。
いいワールドカップだったなと僕は思っています。
そして、すっかり忘れてしまいそうです
(既に僕らのまわりでは、今日あまりサッカー話題には出ていなかったなぁ)。


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小林武史

音楽プロデューサー、キーボーディスト。Mr.Childrenをはじめ、日本を代表する数多くのアーティストのレコーディング、プロデュースを手がける。映画『スワロウテイル』(1996年)、『リリイ・シュシュのすべて』(2001年)、など、手がけた映画音楽も多数。2010年の映画『BANDAGE(バンデイジ)』では、音楽のみならず、監督も務めた。03年、Mr.Chilrenの櫻井和寿、音楽家・坂本龍一と自己資金を拠出の上、一般社団法人「ap bank」を立ち上げ、自然エネルギー推進のほか、「ap bank fes」の開催、東日本大震災の復興支援など、さまざな活動を行っている。