小林武史によるダイアリー。日々の出来事や、現在進行中のプロジェクトについて、今考えていることなどを綴ります。

SLAPPY(スラッピー)の続き

2010.07.04 02:49

そういえば、スラッピーの続きなんだけども、
前も言ったけれど、この話を思い出したのは、
lego big morlのレコーディングの時にスラッピーの話をしたんですね。

いまの時代って、コンピューターがあるので
物理的には楽曲の方向性とかアレンジとか音質音量のバランスなど
原理的には無限に試すことができるわけです。
無限にと言いましたが、一生やっている人はいないけれど、
ある程度のことまでは試すことができるという、ね。

このワンピースにはどんな靴が似合うかみたいなことは
お金や暇のある人、増して若かったりすると、
いろいろ試したくなるかもしれないし、
話を音楽に戻すと、ビートルズのデビューの頃って
確かトラックって4つしかなくて、まぁそこから増えていくんですけど
僕らがミスチルで『深海』を作ったり、
YEN TOWN BANDでアルバムを作ったりしたウォーターフロントスタジオでは
音質はアナログサウンドにこだわって、敢えて16トラックという
少ない数のレコーダーを使っていたわけなんですよ。

そういう少ないトラックでレコーディングすると
つまり何回もやり直したり、取っかえ引っかえできないので
初期衝動や最初にイメージするものが、研ぎ澄まされてくるのです。

で、その時のエンジニアプロデューサーが、僕にこう言ったわけです。
それは、YEN TOWN BAND『Swallowtail Butterfly ~あいのうた~』を
ミックスしている時でした。

続きは次回。


kobayashi_0704.jpg
昨日のリハの模様



BACK
NEXT

小林武史

音楽プロデューサー、キーボーディスト。Mr.Childrenをはじめ、日本を代表する数多くのアーティストのレコーディング、プロデュースを手がける。映画『スワロウテイル』(1996年)、『リリイ・シュシュのすべて』(2001年)、など、手がけた映画音楽も多数。2010年の映画『BANDAGE(バンデイジ)』では、音楽のみならず、監督も務めた。03年、Mr.Chilrenの櫻井和寿、音楽家・坂本龍一と自己資金を拠出の上、一般社団法人「ap bank」を立ち上げ、自然エネルギー推進のほか、「ap bank fes」の開催、東日本大震災の復興支援など、さまざな活動を行っている。