小林武史によるダイアリー。日々の出来事や、現在進行中のプロジェクトについて、今考えていることなどを綴ります。

1日目終了

2011.07.16 22:22

初日、僕にとってはすごく長い一日だったけれど、
やはりこのフェスでしか起こらないような力が、
満ち溢れていたフェスでした。
昨年は2ステージ制で、今年は1テージ制に戻したことも含めて、
これが本来の形なんだなと、個人的には改めて思ったところです。

1ステージ制に戻したのは、
もちろん今回震災の復興支援ということが第一に来るので、
その上で経済的な効率も考えたところはあるけれど、
でもそれは要因であって、
「あぁ、やっぱりこれで良いんだな」という感覚はありましたね。
それはともかく、あと二日楽しみたいと思います。

午前中のeco-reso talkで、
村井宮城県知事や辻元清美議員などと
復興のことについて話していたんだけれども、
ひとつ言い忘れてしまいました。

今日の午前0時に発表されていた、
Mr.Childrenの仙台公演決定という話です。
ずっとスタッフ共々探っていた開催を、
本当に決めることができて良かったという思いを
トークステージで宮城県知事に伝えようと思っていたんですけど、
すっかり忘れていました。

おそらくフェスのミスチルのステージで
桜井君の口からこの話をすることはないかもしれないけど、
つまりそれは、今はap bank fesでみんなとやっているからであって、
だけど、ミスチルのスタッフもap bank fesと同様、
本当に東日本にベクトルは向いています。
一応お知らせまでです。

明日も頑張ります。


pg0716_talk_04.jpg


あぁは言ったものの、

2011.07.15 01:22

今朝「モーニングバード」を見ていて、
現状はそんなに甘くないのかもしれないと思いました。

つまり、脱原発はそんなに簡単ではないということです。

原発推進の人達は、そんなに見えてくるわけではないけれど、
「3.11」の前までは、政府や経済の主要な人達は
原発と関わっていたということですもんね。
その中で言えば、菅首相は「唐突な感じがする」と言われながら、
それ以外のやり方はない、もしくは頑張っているということになるのでしょうか。

だから昨日までは批判的になってきた自分があったのですが
もう少し様子を見てみようと思っているわけです。

モーニングバードで何を話していたかというと、
かなり広範囲な事柄を話していたのですが
レアでディープなこの国の問題を、
あまりにもさりげなく話していたことに驚きました。

経産省の古賀さんとレポーター
(いつもいいレポートをしてくれるんだけど)が、
話していた重要な部分は、送電線が分離できるかどうか。
東電を崩せるのかということなんだけど。

やっとその話になってきたかと思ったけれど、
確かにその先に進まないという数ヶ月だったと思います。

彼らの言い分は、もちろん僕も僕のまわりも
とっくに知っているというか、認識していることではあるのです。
つまり、電力会社には競争がないから、
しかも利益は原発など設備投資に掛かった分だけ
電気料金にのせられるから、
彼らのお金は強いし、関連の企業やメディアに
大きな影響力を持ってしまっている政治家は、
地方や都市エリアも含めてまともに経済の大きなうねりに反抗などできない。
古賀さんは、次第にもともとあった原発推進というところに
いっている危惧もあるということを言っていたし、
全体的に経済全体の元締めである東電を追求などできない、
というようなことなのです。
まぁ、いままでの、経済、ということですけど。



動いたけれども、、

2011.07.13 23:49

やることやってます。楽しいです。

いくつかの方面から、今日菅首相が動くということが
耳に入ってきていたのですが、
確かに動いたと言えば動きましたね。

ただ、心あるメディアからの情報だと
世論は脱原発にまつわる意識は広く、
そして深く且つ随分明確になってきたと思うので、
菅さんの発言で、「今頃何言っているんだ」
という感じは否めないところがあります。

総理の言う「脱原発依存」も
「脱原発」プラス、僕の言う「脱依存」みたいですよね。
そんなことはどうでもいいですけど。

しかし、「経産省」や「経団連」の一部などが、
実際にこの夏の電力不足などのキャンペーンを
すごい勢いでしていたのもほぼ事実です。

だから、ちょっとズレがありますよね。
僕らの比較的アンテナを立てている人達の意識よりは
二歩か三歩下がったところで、
再放送というか、、そんな感じがします。

さっきも言いましたが、
菅首相が今日何かやると聞いていたので、
何を言い出すのかと思っていましたが、
いまさら脱原発、もしくは原発への依存を
減らした方がいいと言われても、
「・・・で?」という感じですもんね。

実際に僕もすごく疲れてますが、更に眠くなりました。




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小林武史

音楽プロデューサー、キーボーディスト。Mr.Childrenをはじめ、日本を代表する数多くのアーティストのレコーディング、プロデュースを手がける。映画『スワロウテイル』(1996年)、『リリイ・シュシュのすべて』(2001年)、など、手がけた映画音楽も多数。2010年の映画『BANDAGE(バンデイジ)』では、音楽のみならず、監督も務めた。03年、Mr.Chilrenの櫻井和寿、音楽家・坂本龍一と自己資金を拠出の上、一般社団法人「ap bank」を立ち上げ、自然エネルギー推進のほか、「ap bank fes」の開催、東日本大震災の復興支援など、さまざな活動を行っている。