小林武史によるダイアリー。日々の出来事や、現在進行中のプロジェクトについて、今考えていることなどを綴ります。

貴重な存在

2012.02.18 21:32

前回のブログでも書いてますが、
今度のSalyuのアルバムは、
タイトル「photogenic」と言います。
客観的にみてもいいアルバムだと思うのですが、
みんなはどう思ったのでしょうか。
ぜひご意見お待ちしております。

Salyuのライブも観に行ける人は、
ぜひ観てほしいなと思います。
今回はギターの名越君をはじめ、
しばらくぶりのSalyuバンドのライブで、
残念ながら僕は参加できないのですが、
唯一無二のSalyuワールドに浸れると思うので、
ぜひお誘い合わせのうえ、、、です。

ふと思うけれど、時々Salyuを雲の上の人種というか、
現実的なところと違う人というような印象を持つ人がいますが、
でも、音楽っていうのは、僕らが現実で与り知らぬ場所と
交信したりするものだと思うのですよ。
Salyuは占い師のような仕事ではないけれど、
確実にシャーマン的な存在でというか、
本来ミュージシャンってそういうものだと思うのです。

いずれにしてもSalyuは、本当に貴重な存在だから、
そしていまのSalyuが、いつまでもいまのSalyuでは
あり得ないので、ぜひこのブログを見て
ふーんと思う人は、ぜひライブを見に行ってやってください。



photogenic

2012.02.16 23:53

Salyuのアルバムが昨日発売になりました。
久しぶりのSalyuに対する集中力で作れたアルバムだと思います。
かなり気に入っているので、
よかったらどんな経路でも入手して聴いてみてください。

ちなみに僕は東北の旅がかなりの寒さだったためか、
風邪を引いてしまってます。
だけど、日々のレコーディングを含め、休んでません。
この前病院からもらった薬が
あまりに多岐にわたって効能が書いてあるので、
日々悩みながら、ちょいちょい服用しています。
鼻水関係がつらいんだけど、
鼻づまりの薬が苦手なんですよ、異常に乾くから。
ちなみに解熱剤、消炎剤とも書いてあるけど、
それが一番スッキリするんだけれど、
あんまり体によさそうな感じもしません。

まったくオチのない話になりますが、
まだ週末も冷え込むとのことなので、皆さんもぜひ風邪には気をつけて。




東の食の会と宮城県へ

2012.02.12 22:31

土日、仙台、石巻、雄勝、女川とまわってきました。
東の食の会という、旧知の仲間と言っていいチームと一緒に
東北エリアの現在の生産現場の思いをヒアリングし、
僕たちがどんな手伝いができるのかをミーティングするための
視察旅行でした。

前から予定していたのですが、やはり現場に行ってみると
見えてくるもの、感じるものが、確かにありました。
今回は4つの現場をまわったのですが、
大体共通しているのは、古くからの体制、
つまり既得権益に守られている組織からの脱却をはかって
補助金などに頼るだけではなく、自力で競争力をつけていこうとする姿勢です。

ただ、そのために、地元の人だけでなく、新しい血を受け入れて
それを広げて行こうとする人達と、やはり地元の力をできるだけ信じて
やっていこうとする人達に、分かれるところがあります。
両方が必要なのだと思います。
だけど、ここでも共通しているのは、人材の必要性です。
東の食の会の人達と話したのは、どうやって人材を求めていることを
呼び掛けていくか、でした。
いずれap bankやkurkkuを通して、呼び掛けをしていくと思います。

それと、なによりも痛感したのは、やはり放射能の見えない不安感です。
そのことに対して、不感症的な生産者や関係者は、全くいませんでした。
みなさん、突然降ってわいたような災難に、
きちんと立ち向かっているという姿勢を、示されていました。
素晴らしいなと思いました。

ただ、放射能の問題は、どこまでが黒で、グレーで、白なのか、
その境界線が本当に曖昧です。
しかも、今がよくても、例えば近海の河口付近などは
今後、山から川を通って、海に流れ出てくる放射能の行く末は、
正確にはわからないわけです。
だから、状況をこれからも敢えて厳しい姿勢で、互いに見続けていくことが
基本的に重要なのは、間違いありません。
ですが、基本的に血の通った感情持った人間同士が判断をし、
情報をやりとりしているのも、変わることはないのです。
とにかく、一方的な言い分を減らして、寄り添って聞き耳を立て、
コミュニケーションすることが大切だと、改めて思いました。
良い旅でした。



NEXT

小林武史

音楽プロデューサー、キーボーディスト。Mr.Childrenをはじめ、日本を代表する数多くのアーティストのレコーディング、プロデュースを手がける。映画『スワロウテイル』(1996年)、『リリイ・シュシュのすべて』(2001年)、など、手がけた映画音楽も多数。2010年の映画『BANDAGE(バンデイジ)』では、音楽のみならず、監督も務めた。03年、Mr.Chilrenの櫻井和寿、音楽家・坂本龍一と自己資金を拠出の上、一般社団法人「ap bank」を立ち上げ、自然エネルギー推進のほか、「ap bank fes」の開催、東日本大震災の復興支援など、さまざな活動を行っている。