小林武史によるダイアリー。日々の出来事や、現在進行中のプロジェクトについて、今考えていることなどを綴ります。

8月9日

2010.08.10 01:19

久々のブログなのにいきなりなんですが、
今日は僕の会社のまわりが物々しく
時々日本って不思議だなと思うぐらい、
べらんめいちょうの怒号が響き渡ったり・・・

ちなみに僕の会社がある場所は港区某所で、
港区にはロシア大使館があるのです。

僕のスタッフがそれとなく確認したところ、
今日は「反ロシアデー」(昔は反ソ連デー)でもあるそうです。

どういう意味かと言うと、
1945年8月9日は長崎の原爆が投下された日でありますが、
敗戦が濃厚な日本に、不可侵条約を結んでいたにも関わらず、
ソ連軍が侵攻してきた日でもあるそうです。

アメリカが原爆などで攻めに攻めていた8月に、
ソ連も戦後の領土分配のもくろみを持って攻めてきたという、
敗戦国というのはおそらくそうなんでしょうけど、
歴史的に見ても本当に恐ろしい
混み入った8月の前半の日々だったんですね。

この間仕事の関係もあって、
ベトナム人の女性と話す機会がありました。
彼女は英語も堪能で、
アメリカ人がボスの会社で働いているんだけれども、
食事の時に彼女と彼女の友達のデザイナーの女性がいて、
彼女たちは8月6日広島の、8月9日長崎の
原爆投下の日を知っていたのです。

その話をしながら、彼女たちは目を潤ませていました。
ベトナム戦争が終結したのが1975年。

僕も彼女たちも、仕事やこれまで生きてきた人間関係は
たくさんのアメリカ人との繋がりでできているけれど、
直接的、間接的含めて、日常からほんの少しズレたところ、
もしくはズラしてみた時に、鈍い痛みというか、
歪のようなものが存在しているということを感じました。

話は少し変わるけれど、アジアの繋がりはすごく面白いです。
今度またその辺のことを書いていきますね。

ちなみに本日8月9日は、
OORONG-SHAが1991年に
会社法人として設立された日でもあります。
今年でまる19年。
今日から20年目に突入したという日でした。


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小林武史

音楽プロデューサー、キーボーディスト。Mr.Childrenをはじめ、日本を代表する数多くのアーティストのレコーディング、プロデュースを手がける。映画『スワロウテイル』(1996年)、『リリイ・シュシュのすべて』(2001年)、など、手がけた映画音楽も多数。2010年の映画『BANDAGE(バンデイジ)』では、音楽のみならず、監督も務めた。03年、Mr.Chilrenの櫻井和寿、音楽家・坂本龍一と自己資金を拠出の上、一般社団法人「ap bank」を立ち上げ、自然エネルギー推進のほか、「ap bank fes」の開催、東日本大震災の復興支援など、さまざな活動を行っている。