横浜アリーナ終了
2011.03.06 21:20
Mr.Children横浜アリーナライブ2日目が終わりました。
昨日は昨日で良かったんですけど、
個人的にモニターの環境などいろいろ気づくところがあって
今日リハーサルから微調整を重ねて
2日目も最高の出来だったんじゃないかなと思います。
とても良いライブでした。
楽屋に帰っても、なかなかいい感じのムードが流れていて、
(まぁいつもいいんだけれど、)
このツアーのあり方、ここ数年の中で
いまの『SENSE』というアルバムやツアーのあり方を
肉体化できたかなという、
肉体化するとこうなる、という感じですかね。
ここは東京エリアなので、
昨日も友人関係いろんな人達が来てくれていたけれど、
今日も随分いろいろ来てくれていました。
「えっ!?」と思う有名人も来ていたけれど、
僕の立場上、実名などは明かさない主義です。
大体誰が来るのか事前に情報は入っているんだけれども、
観に来ている人の中で、本番中に何回か思い出したのは、
BRADBERRY ORCHESTRAの相棒である大沢伸一君でした。
彼にはどういう風に見えているのかなと、何回か考えていました。
やはり、彼は僕とは違う意味で、
すごく鋭いプロデューサーでもありますからね。
いずれにしても感想は後で聞けると思いますが。
あと、ナオト(インティライミ)も来ていて、
「コーラス、ハモリは大丈夫だった?」と言う僕の問いに、
バッチリだと言われ、ほっとするの巻。
共通点
2011.03.05 02:31
僕は千代の富士とMr.Childrenを例えることがあるのですが、
この2名(組)の共通点というのは、
Mr.Childrenはデビュー当時、
特に鳴り物入りではなくて、
僕の所に届いた資料を見ても、
どこかしら暗い感じなんだけれども、
飛び抜けて純粋というわけでもなくて。
でもポップだったり、当時のバンドブームの片鱗があったり。
ただ、曲については、簡単に言うと、、長かったのです。
大きな相撲を取ることと
大きな構造の曲をやるということが
似ているとまでは言いませんが、
当時のMr.Childrenの曲は、
とても構造が大きかったので、
何気なく聞いていたら、
普通に聴いている人からすると飽きてしまうのです。
桜井君もその昔は、
まだそんなに肺活量がある方ではなくて、
でも、ものすごく深く深呼吸をして、
長い息でなにかをやろうとしているというか、
野球で言うところの、
決してコンパクトに振り回すバッドではなくて、
おもいっきり振っていることに気がついて、
なんというか、「風を感じているんだな、彼らは」
みたいなことを思って、
まずはそこから手を加えていったのです。
格好良くもなりきれてないし、
キャッチーにもなりきれていないし、
暗さが魅力だよねと、ものすごく暗いわけでもないし、
いろんなことが半端な感じになっていて、
なにで勝負に出られるのかよく解らなくて。
桜井君も当時、体つきは今みたいな感じではなかったし、
太くない声ではあったけれども、
ただ、しばらく彼らと一緒にやっていると、
大きな相撲を取ろうとしていた
千代の富士のことを思い返すようになったのです。
コンプレックスということではないんだけれども、
自分の声が高い方には伸びていくけれど、下の声は出ない、
地声は太い声が出なかったから、
桜井君はそれをカバーしようと鋼の筋肉をつけようとする。
楽曲作りに関しても、僕に「詞の作りが甘い」などと言われ、
僕と一緒にレコーディングをやりながら、
学習していくことになるんだけれども、、
多分、あれだけ学習能力のあるミュージシャンは、
今後現れないと思うし、本当に成長していったのです。
それで、昨日話した千代の富士と同じように、ある時が来るのです。
2枚目のアルバムまでは、まだミリオンまでいく
アーティストになるとは思っていなかったのですが、
3枚目をレコーディングしている時に
「桜井、おまえら本当にすごいことになるかもよ!?」と言ったら
「一応僕らそのつもりですけど、、」って言って(笑)
そこから『CROSS ROAD』が初ミリオンいって、
その次が『innocent world』で、トントントンと日本のトップバンド。
ミスチル現象と言われたりしてね。
でもたった2年ぐらいしかないんですよ、その期間って。
相撲
2011.03.03 23:36
相撲が好きだという話をしましたが、
生涯本当に会いたくて仕方がない人のベスト3に
僕にとってのヒーロー、
千代の富士と野茂英雄さんとモハメドアリがいまして。
まぁその前に王貞治さんがいたり、
野茂君は既に友達であったりもするのですが。
彼らには割と共通しているところがあって、
ものすごい自分の強烈な切り札を持ってはいるんだけれども、
一般的には「そんなんじゃ駄目じゃん!」と見られてしまい、
もはや悪役化していて、周囲からワーワー言われるんだけれども、
そんな最中でも自分のやり方を貫いた、しかも強烈に、、、
という男たちなのです。
千代の富士は、誰しもが認める昭和の大横綱です。
僕がこれまで見てきた力士の中で、あれだけの大横綱は、
みんな大体20代前半に横綱になっていて(若貴もそうだったし)、
ところが千代の富士は、24才ぐらいで
まだ幕内をうろうろしていたはずなのです。
上がったり下がったり、
勝ち越し〜負け越しを繰り返していた頃に、
体も小さかった彼を、「いずれこの人は横綱になる」
と言っていた人は誰もいなくて。
そんな千代の富士が、ある場所を境に「ドン!」と勝ち続けて、
1年後にはあっという間に横綱になったのです。
僕は彼のキレが素晴らしいところが好きでした。
千代の富士は体が小さいのに力が強いので、
相手を投げるという大きな相撲を取っていて、
小さいが故につぶされて、倒れて、
脱臼癖のある肩を頻繁に脱臼して、、の繰り返しだったので、
それを克服しようと、ウェイトトレーニングを始めたのです。
いわゆるバーベル持って重量挙げをやったり。
いまでこそ力士はみんなやっている事だけれども、
当時はあまりいなかったのです。
千代の富士は脱臼肩をさらに筋肉で覆って、
すごく強い鋼のような筋肉をつけていったのです。
元々瞬発力ある、スピード感ある人間に、
一気に決めていく腕力、パワーが備わったので、
僕は、ある場所から千代の富士の1秒間の分析力は、
他の力士の倍ぐらいに見えて。
相手の力士がスローモーションで
動いているような感じに見えるのです。
力がぐーっとついたところから投げようとするので、
まわしを持って引きつけると、相手がいっぺんに浮くのです。
そしてそのまま寄っていくという相撲、
つまり投げるというとリスキーだけど、
きちんと寄り切って投げるという、
堅実な相撲の型ができていったのです。
スピード感と力強さの合わさった、史上初の力士だと思います。
一度千代の富士(既に引退されていたので九重親方ですが)を、
空港でお見かけたしたことがありまして。
よっぽど握手してもらおうかとすごく考えたけれど、
近くまで行って、佇むだけで終わってしまいました。
一度でいいからお会いしてみたい方です。