小林武史によるダイアリー。日々の出来事や、現在進行中のプロジェクトについて、今考えていることなどを綴ります。

長島一由さん

2011.05.05 22:31

先日民主党の長島一由さんとお話させていただきました。

長島さんは湘南出身で、フジテレビを退職後
逗子市の市長を務め、その後国政に出るという選択をされ、
現在民主党衆議院議員を務められています。
そもそもうちのスタッフの大学の先輩だということもあり、
今回は現在与党の若手議員という立場にいる方のお話を
ぜひ聞いてみたいと思い、先日お会いしました。

やはり与党なだけにいろいろ大変みたいです。
長島さんの意見の重要なところは、
まず国のリーダーを選ぶシステムを変えるべきだ、ということでした。
彼はこんなことを言っていました。

「マックス・ウェーバーの『官僚制』という著書の中にも書いてありますが、
政党政治があるなかで、官僚制というのがあって、
官僚は選挙じゃなくて試験で入ってくる。
だけど昇格していくには、知識とか能力がないといけない。
ところが政党の中の昇格というのは、能力とかスキルではなくて、
リーダーに対する忠誠心で上がっていけてしまう。
これは一般企業でも言えるところがあるかもしれないが、
政治がそれではだめではないか。」

僕はよく「どうしてそれをやるのか」ということを称して、
「to do主義」と言っているんですが、
とにかく自他ともに、to doを問うていくべきだと思っているわけです。
それに対して、忠誠心が活躍するのは、主に立場主義なんですよね。

さらに、長島さんは、
「政党政治も必要だと思う。
扱うものが大きいから役割分担も必要だと思うので、
政党政治を存続しつつも、
たとえば大統領制や、首相公選制などにして、
リーダーを選ぶ時には、政党の中から候補が出てもいいけれども、
民間人の中からも候補が出てきてもいいようにして、
みんなが議論を戦わせて、
それで本当に国民が候補者の能力を判断して選べるようになればと。
もしかすると人気投票的な側面になる危惧もあるけれど、
人気投票で選んでひどい目にあったら、国民がしっぺ返しを食らうわけだから」
とも付け加えられました。

本当にそう思います。
そういうリスクはあるけれども、
直接に政治に関与できる入り口を作った方がいいと思う。
いまの日本は首相の首から上だけが、
ころころ変わるという珍現象が続いています。
そのことに関しては「任期の問題だ」と言っていました。
やはりある程度期間が必要だ、と。
1年経たないうちに代表が代わっている日本と比べて、
アメリカでの任期は、最低でも4年。
そもそも4年間はないと、政策を変えることは甚だ難しいようです。
例えば、税金を上げるとか、ゴミの分別を増やすこととか、
皆が嫌なことでも、本当に大事なことをやれる期間というのが4年間。
つまり、一時的に人気が落ちても、
回復できる期間であるのも4年間だということ。
今の日本の状態だと、任期は定められていないので、
民主党の代表に任期が2年、自民党の総裁が2年といっても、
結局内部で引きずり下ろすことができてしまうとか。

日本の場合は、to doに対して変える事に臆病というか、
基本的にあまり考えない保守的な姿勢というのが
当たり前になっている気がします。
江戸時代あたりから、危ないからといって守るという
「事なかれ主義」というか、そういうところあるじゃないですか。
子どもの育て方や公園の柵のつけ方ひとつをとっても
過保護過ぎるところがある。
ヨーロッパとかアメリカとかに行くと、
もうちょっと現場や実践に委ねてということがいっぱいあります。
日本の場合、守っているうちに出来レースになってしまう、
つまり政治とメディアと国民のなかで、
グダグダに、持ちつ持たれつになってしまって
本当にやらなくてはいけないこと、こうあるべきということが
見えなくなってしまっている気がします。

政党政治について、いろいろと考えさせられた1時間でした。

長島さん、どうもありがとうございました。


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小林武史

音楽プロデューサー、キーボーディスト。Mr.Childrenをはじめ、日本を代表する数多くのアーティストのレコーディング、プロデュースを手がける。映画『スワロウテイル』(1996年)、『リリイ・シュシュのすべて』(2001年)、など、手がけた映画音楽も多数。2010年の映画『BANDAGE(バンデイジ)』では、音楽のみならず、監督も務めた。03年、Mr.Chilrenの櫻井和寿、音楽家・坂本龍一と自己資金を拠出の上、一般社団法人「ap bank」を立ち上げ、自然エネルギー推進のほか、「ap bank fes」の開催、東日本大震災の復興支援など、さまざな活動を行っている。