小林武史によるダイアリー。日々の出来事や、現在進行中のプロジェクトについて、今考えていることなどを綴ります。

少しの静観

2011.08.08 15:35

おおよそこの国の民意は、脱原発、もしくは縮原発という思いから
そんなにブレていないのではないか、というところまできたのは、
ものすごく嬉しいことです。
ぬか喜びして良いわけじゃないけどね。

理由のひとつは、放射能がどれくらい危険で、
どれくらい安全か(安全ということはないんだろうけど)が、
おそらく1,000年単位でも解るか解らないかだと思うので、
特に命を受け継いでいくことに
直結した役割を持っている女性の視点が、
それ(放射能の得体の知れない感じ)を
受け入れられないだろう、ということ。

もうひとつは、この国の張りぼて感覚という体質。
それの最たる問題、酷い例が、
この原子力政策関連に集まっていること。
電力会社も、経産省内保安院も、一部の政治家や関連会社も、
どんどんボロが出てきて、
自滅していくというパターンが始まってるというか、
こちらが真っ当に見ていたら、
崩れていくことがほぼ決まっているな、という感じです。
東電の賠償額も、天文学的な数字になるらしく、
噂で、一説には100兆円という話も出ていると聞きました。

僕の方は、ミスチルのツアーの準備を含めて
音楽や仕事のことは、殆ど順調に進んでいて、
我ながらよく働いているな、という感じですが、
エネルギーシフトに関しての動きは、
いまはなんとなく様子を見ているという感じですかね。
MEECという、みんなの自然エネルギー環境会議の
第一回目である長野での会議も、
諸事情で行くことができなかったこともあり、
僕らの周りの動きでも、少し静観なんですかね。

詳しい人は知っていると思うけれども、
自然エネルギー全量買取り制度など、再生エネルギー法案が
いよいよ詰めの段階へ入っているということも聞きますが、
なにしろ短中期のバランスが大事なはずなんだけど、
そこの話し合いができていないよね。

で、最近もうひとつ解らない感覚があったわけですよ、
いろいろなデータを見るにつけて。
それが、突然あることが解りました。

今度ここで書きますね。




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小林武史

音楽プロデューサー、キーボーディスト。Mr.Childrenをはじめ、日本を代表する数多くのアーティストのレコーディング、プロデュースを手がける。映画『スワロウテイル』(1996年)、『リリイ・シュシュのすべて』(2001年)、など、手がけた映画音楽も多数。2010年の映画『BANDAGE(バンデイジ)』では、音楽のみならず、監督も務めた。03年、Mr.Chilrenの櫻井和寿、音楽家・坂本龍一と自己資金を拠出の上、一般社団法人「ap bank」を立ち上げ、自然エネルギー推進のほか、「ap bank fes」の開催、東日本大震災の復興支援など、さまざな活動を行っている。