小林武史によるダイアリー。日々の出来事や、現在進行中のプロジェクトについて、今考えていることなどを綴ります。

つながり

2011.12.15 03:14

この間丸木美術館で、
原爆や水俣病などの悲惨な絵の前で
パフォーマンスをしてきましたが、
確かに街はそれなりにクリスマスモードで、
うっかり高級ホテルなんか入ると、
もうクリスマスツリーが、
そこら中にきらきらピカピカしているんですよね。
そのギャップもすごいけれども、
でも世界は、もともとそんなギャップをずっと受け止めか、
受け入れ続けてきています、よくも悪くも。

だからというわけではないけれど、とりあえず僕は、
いくつかの忘年会みたいなものを含む年末も、
思い切りいくものはいって、そして東北も行きたいと思います。
行ってどれだけのことができるかは解らないけれど、
でもいろんな人との繋がりを、いま改めて作ろうとしています。
繋がりを作っていきたいなと思って、いろいろ動いています。
来年あたり、次々と発表していけたらいいなと思っているのですが、
果たしてどうなるか。

だけど、そういう中に、つまりいろんな繋がりで
この社会ができているという実感のもとに、
いまの政治の問題や経済のあり方、
エネルギーの問題や食の問題も、
捉えていくしかないなと思っています。
つまり、みんなが選んで行くしかないということです。

とにかく、ふたつの間でせめぎ合うから、
それに負けない楽しみや喜びや魅力を見つけたり、感じていこうよ。



ピースが崩れた

2011.12.10 23:50

皆既月食を見ながらやってます。
僕は初めてちゃんと見たような気がするけれど、
ボールか、小さな気球みたいになるんですね。
すごい丸く立体的に感じられて、近くにあるような気がしました。

太陽と地球と月が一列に並んだ日に、僕は夕方から丸木美術館で、
一人でキーボードを使ってのパフォーマンスをやってました。
with エリイ率いるChim↑Pomです。
with というか、for というか、Chim↑Pomの誘いで、です。

僕の中では、ヒロシマ、ナガサキ、フクシマと繋がる思いをどこかで感じ、
展示してある絵は、水俣病、アウシュヴィッツ、南京大虐殺と、
すごいものでした。

それらの連なりに対して、僕らは、パズルのピースの取れた
「ピースが崩れた」何かの入れ物の中に僕が入り、
光を発光して、その人口でできた悲劇の絵を照らしながら
パフォーマンスをしました。

まぁ記録も撮っているので、どこかで発表できるかもしれません。
いずれにしても、その音は即興だったので、
それをも元にして形にするかもしれません。

遠い月と太陽の起こす現象が、
人間の中の暗い闇を解いてってくれたような、
そんな一日だったということで、今日を記憶しておこう。



即興コラボレーション(with Chim↑Pom)

2011.12.05 02:21

今週の土曜日から一週間、
エリイでもお馴染みのChim↑Pomが
埼玉の丸木美術館というところで展覧会をやります。

Salyuとの東京でのライブも終わったばかりですが、
そこで初日(12月10日)に、彼ら彼女たちからのリクエストで、
僕の演奏とのコラボレーションをやることになりました。
詳しくは、Chim↑PomのHPをぜひ見てください。
その方が早いと思います。

世界で唯一の、しかし、ヒロシマ、ナガサキ、フクシマという
3つの被ばくの経験の繋がりを感じながら
来年以降、いま閉塞状態にあるような原発問題を
どういう風に捉えて、僕たちが関わっていけばいいのか
そのくさびにしたいと思っています。
どうかぜひ体験してみてください。

簡単に風化していいようなことでは決してないと思うので
このブログやサイトでも、
またいろんなことをお伝えしていきたいと思っています。

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小林武史

音楽プロデューサー、キーボーディスト。Mr.Childrenをはじめ、日本を代表する数多くのアーティストのレコーディング、プロデュースを手がける。映画『スワロウテイル』(1996年)、『リリイ・シュシュのすべて』(2001年)、など、手がけた映画音楽も多数。2010年の映画『BANDAGE(バンデイジ)』では、音楽のみならず、監督も務めた。03年、Mr.Chilrenの櫻井和寿、音楽家・坂本龍一と自己資金を拠出の上、一般社団法人「ap bank」を立ち上げ、自然エネルギー推進のほか、「ap bank fes」の開催、東日本大震災の復興支援など、さまざな活動を行っている。