小林武史によるダイアリー。日々の出来事や、現在進行中のプロジェクトについて、今考えていることなどを綴ります。

連携

2011.03.21 09:55

昨日は最初に気仙沼へ行きました。
比較的大きな避難所に行って、炊き出しです。
温かい食べ物はまだまだないみたいで、
5百人を超える人に喜んでいただくことが出来ました。
市役所にも行って、今後のネットワークに関して
行政の人とも話をしてきました。
だけど、色々難しいのは、連携、指示系統です。
東北の人たち(僕もそうですが)は、やや遠慮がちなところがあり
(すいません、僕はズカズカしてますが)
各セクションが繫がりにくいのかもしれない。
しかし、夜に行った石巻の、僕らが行ったエリアは、
かなり広範囲にライフラインが止まっていて、
携帯も繫がらない状態です。
それで行き違いがあり、僕らも行程を変更せざるを得なかった。
でも現場は確実にまだまだ色んな物が
行き届いていないところが多いです。
だから、何とかしなければならない。
少しずつ良くなっていくのと、家や家族を失った人たちが
段々しびれを切らしていくのが重なったりもしています。
それは、これからも、そうだと思われます。

柏崎の時もお世話になったピースボートの人たちにも会えて、
話したのは、少しでも連携を作っていこうということでした。
結局、行政の人たちの中に入り込んで、
何とかスピードを上げて、徐々に正確に、ということを
イメージするしかありません。

僕らもいま、長期にわたってのチームを作ろうとしています。
ap bankなどでは"フードリレイション"というのを立ち上げようと
思っていたのですが、その前に惨事が起こってしまいました。
しかし、災害時の、ある意味番外編の"フードリレイション"で
良いではないか、と思ってやっています。
詳しくはいずれ言いますが、簡単にいうと、
「命の循環がもっと見える社会」へのシフトです。
生き物は食べ物、つまり命をいただかなくては生きていけない。
だから、農も料理も食べることも、繫がりが見えて、
安全に楽しく、関わっている人や食材にも、想いを思って、
とか色々あったほうがいいと思うのです。
これはエネルギーのこともいっしょだけどね。

もしかしたら今夜にも東京です。
色々組み立てたり、直したりします。



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小林武史

音楽プロデューサー、キーボーディスト。Mr.Childrenをはじめ、日本を代表する数多くのアーティストのレコーディング、プロデュースを手がける。映画『スワロウテイル』(1996年)、『リリイ・シュシュのすべて』(2001年)、など、手がけた映画音楽も多数。2010年の映画『BANDAGE(バンデイジ)』では、音楽のみならず、監督も務めた。03年、Mr.Chilrenの櫻井和寿、音楽家・坂本龍一と自己資金を拠出の上、一般社団法人「ap bank」を立ち上げ、自然エネルギー推進のほか、「ap bank fes」の開催、東日本大震災の復興支援など、さまざな活動を行っている。