小林武史によるダイアリー。日々の出来事や、現在進行中のプロジェクトについて、今考えていることなどを綴ります。

窓越しの夕景

2010.12.04 00:15

彼女の言ったそれは、本当にネガティブな意味でも、
限りなく諦めに近いというような意味とも違って、
車中でややあっけらかんとした雰囲気だったんだけれども・・・
つまり、ありのままであることの強さみたいなものに
納得させられてしまうというか、そんな感じなんですよね。

だけれども、僕らがやっているPOCプロジェクトで、
健康面や経済面でもより良くなっていく、
少なくともそう感じている家族はたくさんいるし、
ものすごい数の人の中に、物欲などを中心とした
豊かになりたい志向がうねりを上げているのも事実だろうし、
確実に今世紀でこのインドという国も変わっていくんだなと
僕は最終日のムンバイの夕景を車の窓越しに見ながら思っていました。


これでインド紀行はひとまず終わりとします。



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鈴木さん

2010.12.03 00:13

今回インドの旅に同行してくれたスタッフに、
伊藤忠のPOC担当且つムンバイで駐在している
鈴木さんという女性がいらっしゃいます。
彼女はアメリカに留学した後、ムンバイの領事館に勤め、
伊藤忠へ入ることになるのですが、
彼女の目標というか、モチベーションというか、
座右の銘というものは「世界平和」なんだそうです。
伊藤忠に参加する際の面談で彼女がそう発言したことを
ムンバイ初日の夜、スタッフ達との食事中に、
からかわれ半分で楽しく話しながら聞いたのですが、
その後も旅の道中、
僕は彼女の真っ直ぐでおおらかな性格の言動に
何度も明るい気持ちにさせてもらったり、
感心させてもらったりしていました。

そんな彼女が旅の最終日、
ムンバイの町を車で走っている時に、
「小林さん、この町の一人ひとりを助けたいと思いますか?」
というような趣旨の質問をしてきたのです。
まさに僕もそのようなことを本当に考えていたので、
「すごく難しいですね」と答え、
同じことを僕が彼女に聞き返したら、
彼女も、「ここに暮らしていると、そんな気が起きなくなる」
というようなことを言っていました。

続きはまた明日。


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GINNING

2010.12.02 00:02

POC見学の二日目の最後に
GIN工場(綿と種を分離する工場)に行って、
工場内を見学させてもらいました。

ジニング(GINNING)という作業は、
種取りのことを指すらしいです。

とにかく収穫時期なので、写真でお解りの通り、
山のような綿花が、牛の弾く荷馬車や
トラックなどを使って運び込まれてきます。
それがベルトコンベアに乗って、綿と綿実に分けられ、
さらにその綿は圧縮され、巨大な立方体となって
工場の外に運び出されるという
一連の行程が機械化されていました。

運び込まれる綿花の大群の中の一角にPOCが陣取っていて
その時はまさにPOCをジニングしている最中でした。
写真を見てその臨場感をお届けできたらと思います。

そんなわけでPOCは見事にインドの現場で根を下ろし、
その根は間違いなく広がって行っている最中でした。


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小林武史

音楽プロデューサー、キーボーディスト。Mr.Childrenをはじめ、日本を代表する数多くのアーティストのレコーディング、プロデュースを手がける。映画『スワロウテイル』(1996年)、『リリイ・シュシュのすべて』(2001年)、など、手がけた映画音楽も多数。2010年の映画『BANDAGE(バンデイジ)』では、音楽のみならず、監督も務めた。03年、Mr.Chilrenの櫻井和寿、音楽家・坂本龍一と自己資金を拠出の上、一般社団法人「ap bank」を立ち上げ、自然エネルギー推進のほか、「ap bank fes」の開催、東日本大震災の復興支援など、さまざな活動を行っている。