歓迎の儀と謎のギター
2010.12.01 00:09
旅の途中、ある村では盛大な歓迎の儀というか
式典のようなものも行っていただきました。
僕らが到着するのを待ってくれていたのか、
きっとどこかで「来たよ!レッツダンシング!」などという
キュー出しもあったと思われます。
道を上り終えたら、一群の70~80人ぐらいはいると思われる
老若男女の集団が、太鼓や不思議なギターのようなものと合わせて
踊りながら、僕らを出迎えてくれました。
レイを掛けてもらったり、貢物というか贈り物をもらったりしました。
僕は、牛が綿などの荷物を運ぶ荷車の模型をいただきました。
ちなみに、いただいたものはコレです。


そして最後は、僕らも踊りの舞いに参加しました。
ところでさっき言った謎のギターですが、
その楽器の音だけが、トラックに積んだスピーカーから出ているのです。
多分エレキギターを不思議なチューニングで弾いていると思われますが、
そのスピーカーから出ている音に合わせて、
生の打楽器軍団も5~6人いるのです。
つい、複雑なビートをよくそのギターのフレーズと
ずれないで叩けるものだな、と感心してしまいました。
だって打楽器がスピーカーから出て弾くなら解るのですが、逆ですから。

POC農家
2010.11.30 00:32
プレオーガニックコットン(POC)農家へ訪問した時の話をします。
僕らが向かったのは、ムンバイから飛行機で1時間ほど北上した
インドールという町から、車で3~4時間走ったところにある村々でした。
最初に訪れたのは、
POCのプロジェクトに入って1年目の農家。
僕はそこで初めて綿花畑というものを見ました。
一応知らない人のために言っておきますと、
土から生えている高さ70~80センチぐらいの植物の上に
白い"コットンボール"と呼ばれるものが、
畑一面に広がっているのです。
そのコットンボールは、触ると完全に僕らの知っている「わた」なんですよ。
収穫の時期ですから、僕らも何個か手でコットンボールをもぎ取って
中を割ってみると、そこには種が6~7粒詰まっていました。
ちなみにその種は綿実油という油になります。
どういう経路で綿が生まれてきたのか、よく知らないんだけれど、
自然の力の不思議さを改めて感心してしまいました。
何軒もの農家をまわらせていただき、
インタビューもさせてもらいましたけれど、
どこの農家の方々も本当にPOCを導入して良かったと
口々におっしゃっていました。
その理由の最初に出てくるのは、当たり前だけれど
農薬を使わなくなったということでした。
農薬というのはインドでも相当高いもので、
いろんな形でそれを売っている組織というのも複雑に絡んでいるようで、
無農薬栽培に転向したと言うと、
それなりの圧力みたいなものもあるようなのです。
僕が訪問したある村では、
最初POCに参加してくれた軒数は、
70件ある農家のうち半分以下だったのですが、
クチコミでどんどん広がって、いまでは過半数を超え、
近隣の村まで広がってきているそうです。
村の方は、おそらく他にまだ残っている農家も
どんどん変わってくるのではないだろうかと言っていました。
来年からPOCに転向するという農家の人にも会ってきました。
その人は健康上の問題も抱えていて、
周りにいるPOCへ転向した人の姿を見て、これがいいと思い、
転向しようと決めたようです。

この光景とは、
2010.11.29 12:02
前回の続きですが、この光景とは、
信号などのルールを一切持たない中にある
道路状況、交通状況のことなんですが、
何を思ったかというと、
スキューバーダイビングの時に見る魚の動きでした。
想像つくと思いますが、魚たちの群れは
何秒ごとにどこかが遮断されるとか、
一方通行になることはないにも関わらず、
僕は一度も魚たちの激突を見たことがありません。
見た人がいたら教えて欲しいぐらいです。
つまりインド、ベトナムあたりでも似たような感じですけど、
交差点など合流ポイントでは、
あまりにもすれすれ且つ
概ね事故も起こさず、
みんなが融合していく様を見て、
僕ら日本人は、妙に感心してしまう傾向になると思います。
その秩序なき秩序の深さみたいなものに。
少なくとも僕はそう思いました。
繰り返しになるかもしれないけれど、
とにかくそのノイジーでカオスそのもののような
交通状況の中で、人々や動物が
そんなにストレスフルに見えないのも不思議なんですよね。
インド語だから解らないこともあるけれど、
傍若無人な交通マナーの連続でも、
あまり口汚く罵るみたいな光景は、
ほぼ一回も目にしなかったです。
もちろん、僕らのワーストドライバーも。
